2019/10/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 公園」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 富裕地区にある公園のうち一つ、それなりに大きな広場のある公園に、少女はリードを掴んで歩いてくる。
 リードの先に有るのは、大きな狼犬で、名前をグリムと言う。
 そのわんこは本来は姉の嫁のペットなのであるが、冒険者であり、毎回連れていくことができない。
 仕事のある姉に、何時もいない妹、そして、ペットに興味関心の薄い召使たち。
 姉の嫁たちもまた忙しくて基本居ないので、必然的に面倒は自分が見ることになる。

 とは言えども、手のかかるイヌではないのが、救いで、面倒はない。
 頭も良いので言う事とかはわかる模様。
 遠慮なく股間に鼻先を突っ込んで匂いを嗅ぐその修正さえなければ。


 ずがん!と、酷い音が響く。

「グリム、それをしたら、殴る、と言ってありますわね?」

 それは、義姉のペットだというのに一切の容赦なく少女がその頭をどついた音だった。
 悲しげな声を上げるわんこ、ウルウルとしてみているが、意に介することない少女。
 近くのベンチに腰を下ろし、本を開く。
 そして、わんこの気が済むまで、走り回るのを監督する。
 それが何時ものスタイルであった。

竜胆 > 少女は、ぺらり、ぺらり、と本をめくる。
 この富裕地区でも、安全とは言い切れないのだろうけれど、それを気にした様子はない。
 そもそも、グリムが居る。3mを超えるようなそんな狼犬が近くにいる相手を誘拐するかどうか。
 それと、少女は高価なドレスを身に纏っている物の。
 その背中には、竜の翼、そのドレスの下からは、竜の尻尾が生えているのだ。
 パッと見ただけでも人間ではなく、竜だとわかる存在。
 故に、生半可な実力では、誘拐できる存在ではないとも直ぐにわかるだろう。
 だからか、少女は、こんな状態で、場所で、のんびりしているのである。

 そして時折、何かを探すよう日本から視線を外し。
 何もなければすぐに、本に目を落とすのだった。

竜胆 > 「~~~ふぁ。」

 小さく、少女はあくびを零してしまう。今の時間、何時かしら?と視線を向ければ、既に日は落ちて夜陰に包まれている周囲。
 それを眺めてどおりで静かなのね、と思うのであった。
 最近はそれなりに涼しくなってきているから、夜になると肌寒いという人も多くなる。
 故に、温かな家に戻る人が多く、その為に人が少なくなるのである。
 ただ、この広い公園だからこそ、であり、街中であればまだまだ人が多いはずである。
 なるほどね、なんて思いながら少女は、さて、と思う。

「別に何かしなければならないこともあるわけでもないし。」

 そして、狼犬は何の興味を向けられているのか、まだ公園を走り回っている。
 じゃあ、もう少しいてもいいかしら、と。
 少女は再度本に視線を向けるのである。

竜胆 > しばらく、本を捲っていれば、読み終わってしまうものである。
 本の内容は、魔導書であり、魔法に関しての知識が殆どである。
 それを見終わってから息を吐き出し、軽く肩をすくめて見せる。
 この考え方を自分に取り込むべきかどうか、魔法の使い方や考え方、見方はいくつもあるので、さて、これが自分に合うものかどうか、を吟味せざるを得ない。
 取りあえず、本を懐にしまい込んでしまえば、其れはどこかへと消えていく。
 魔法で作り上げた空間にしまい込んで周囲を見回す。
 夜の闇の中でも少女の竜眼であれば昼間と同じであり、良く見える。
 まだ元気に走り回っている狼犬。
 もっと広い所に連れ出した方がいいかしら、と首をかしげて考えて。
 ま、いいか、とそんな風に呟いてみせる。

 多分もう少ししたら、帰ってくるでしょ、と。

竜胆 > しばらくすれば、狼犬は戻ってくる。
 満足したらしく、その表情はそれなりに満足そうになっているのが判る。

「もう、宜しい?」

 言葉短く問いかけたところ、ゥオン、と大きく吠える返答。
 自分から頭をこすり付けてきて、首輪の所を示すように甘えてくるので、問題はなかろう。
 よしよし、と彼の頭を撫でてから首輪にリードを取り付けなおすことにする。
 さて、と軽く息を吐いて。

「では、戻りましょうか。
 何か、食事でもしようかしらね……?」

 そんな風に思考をしながら、少女は狼犬を連れて去っていくのだった

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 公園」から竜胆さんが去りました。