2019/09/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/大通り」にクロニアさんが現れました。
クロニア > 何時もなら時間的に王城のバルコニーで不貞腐れているか、
若しくは社交界で愛想を振り撒いている真っ最中であるが、
今夜はどちらでもなく富裕地区の大通りを護衛もつけず一人で歩いている。

理由は昨晩メイドに誘われて呼び出された事にあるのだが、
まあ独り事であるので忌憚無く言ってしまえば「巻き込まれた」のである。

誰が上だの誰が下だのという非常にめんどくさい争いにだ。

それを避ける為にただただ愛想を振り撒き、メイドの尻を撫で、酒を浴びるように飲んでいただけなのに、
父上殿が余計なことをしてくださってお陰で、彼らのターゲットは見事自分となり、
判りやすくらいに命を狙われるハメとなったのだ。

「……で?親父殿は騙されて俺の私兵を伴って旅行?オレ留守番?誰も居ない屋敷に?」

地下室の玩具すら開放して、父親は旅行だそうだ。
ふざけるなと此処から叫んで通じるなら叫ぶが、
一先ず今はそれよりも安全な場所を探す方が先で、
王都に幾つか出資している教会に飛び込むか、それとも王都を出るか、
幸い私兵が戻ってくれば屋敷が非常に安全になるのだが、
それまでが……それまでが……。

頭が痛い。
幸い個人の資産が幾らかあるので餓死することはない。
貧民地区に堕ちる事もない、だが……本当にどうするべきか。

思わず頭を抱えてしゃがみ込みたくなるが、それも耐えてただただ歩き続けるのだった。

クロニア > ――…どうするか。
歩きながらの長考の末に辿り着く答えは3つ。
ひとつは自分が出資している教会に逃げ込む、是が一番簡単。
もうひとつは……誰か知り合いの貴族の屋敷に転がり込む、但し虎の口の中になる可能性もある。
最後に王都を一時的に離れ旅に出る、正直護衛も成しに外に出るのは考えたくない。

「どうする。選択肢は今のところ3つ……まあ行き成り救世主が現れて全てを救ってくれるってなるほど善巧つんでないからなー……。」

眉の上辺りを爪先で引っ掻きながら、大げさなほど大きく溜息を吐き出す。

1か3。
1にしたって王都にある教会にするか王都の外にするか。
3にするなら一度引き返して私財から身を守るに相応しい物を調達しないと……。

それに金で雇った傭兵に途中で裏切られるって話は良く聞くし、金を主力と考えるのも危い。

「どうするか、どうしたいか、どうなるか……。」

表面上の付き合いも縁もあるが、こんな時に頼れるのは誰一人いなくて、
がっくりと項垂れながら答えが出ぬまま今だ大通りを歩き続けている。