2019/08/30 のログ
■竜胆 > 判った、これ、あれだ。
同じだ、妹と同じ、思考が幼いタイプだ。人懐っこく物怖じしない感じで、よく言えば天真爛漫。
悪く言えば――――
「出直して来なさいな。
いくら子供だと言えども、レディの周りをうろついたりするな、と、教わらなかったかしら?」
少女は、袖からミスリルでできた扇子を持ち上げて差し出された手をぴしゃりと叩く。
少女自体、貴族でも何でもない、平民である。
しかし、人竜の竜の部分が強い少女なのだ。
「無垢だから、何でも許されると、思わない事ね。躾がなっていないというのであれば、私が躾てあげるわ。」
周囲を回ったのであれば、見えるだろう、少女の背中に一対の竜翼が。
そして、尻尾は不機嫌だとばかりに地面を叩く。
重々しい音と、地面が、石畳が割れるのだ。
少女の瞳は、一切の笑みを作らずに、少年を見据える。
■シャルティア > ぴしゃり、と、音がした。
手を弾かれた少年は、ちょっとの硬直。
表情はなんというか、泣きそうな、不思議そうな、なんとも言えない顔をして――でも、やっぱりすぐに、何もなかったように、にぱ、と笑う。
「教わったこと無いよー、んとね、皆頭なでてくれるよ
教えて教えて――おおっ!?」
尻尾が石畳を砕く。重い重い音がお腹に響く。
怯えるどころか――目をなんかすごくキラキラさせて、竜胆を見上げた。表情は怯えるどころか羨望の眼差しで見上げてる。
「――かっこいい!凄い、やっぱドラゴンさんだ!
ねぇね、やっぱ強いの?火とか氷とか雷とかだせるの?魔法とか凄いの?」
興奮した様子で、まくしたてる。相手が明らかに笑みを作ってないのに、懐こうとしてる雰囲気。理由は簡単である
「ボク、カッコいいの大好き!もっと見せて!」
羨望の眼差しで竜胆を見つめる
■竜胆 > 「砂糖の蜂蜜漬けの中で生きてきたのね、貴方。」
似ているが、非なる物であることは理解した、妹とは、表面は同じだがと。
妹との差異を、少年の悲しそうな表情を、只々、淡々と識別しているだけの少女であった。
「そう。
それなら、最初で最後のレクチャーをしてあげるわ。
礼儀と言うものを最低限でも身に付けてから来なさい。
貴方が礼儀と言うものを身に付けることができたら、考えてあげるわ。
――――人をそこまで不愉快にさせておいて物を強請るとは、あさましいにもほどがあるわ。」
無垢だから許される、それは幻想だ。
人は、無垢な者であれば、幼い者であれば、色々と許してくれることが多いのは確かである。
しかし、そんな人間がすべてではないのだ。そして、少女はその少数派なのである。
竜としてのプライドが、生き様が、少年を傷つけることを厭わないのであった。
少女は視線を少年から外し、背を向ける。
「貴方は私を客寄せパンダか何かだと思っているのかしら?
何故、貴方を喜ばせるようなことをしなければならないの。」
もう一度、不愉快ね、と少女は吐き捨てて歩き始める。
■シャルティア > 「んー? よくわかんないけど、甘いのは好きだよ♪
それに、皆がニコニコしてるほうが好き♪だからねー」
ぺこん、と頭を下げる。まあ、礼儀としては下の下だが、頭は深々と下げられて
「ごめんなさい、よくわかんないけど、怒ってるから、だから
なんで怒ってるのか、教えて?」
少年の思想は、単純である
シンプルに、彼女と仲良くしたいのだ
彼女の、笑顔が見たいのだ
理由なんてそんなものはない、子供じみた欲求である
だから、少女がいくら冷たくしても、厳しくしても、文字通り甘いマシュマロのように受け止める。逃げたり傷ついたりはしない
「えー!?せっかく恰好いいのにー!」
背を向けて歩き始める少女を、距離を離して、てこてことついていく。少年はニコニコしながら
「じゃあ、どうしたらお姉ちゃんを喜ばせてあげられるの?
礼儀ってのを覚えたら、ちゃんとお話してくれる?」
不愉快、というのはきっと怒ってるんだ、と
だったら、怒らないように頑張ろうという感じだ
背中の羽根を見つめながら、竜胆が消えるまで、うしろをついてきて
■竜胆 > 「―――――。」
砂糖の蜂蜜漬け、お花畑を添えて、とそんな風に思うのだ、そんな世界に居たら人は思考することを放棄するのではないだろうか、とも。
頭を下げ、謝罪の言葉。
確かに、下の下、そもそも続く言葉がすべてを台無しにしている、相手の事が判っていないけど、怒ってるから謝る。
それは、怒りに火を注ぐだけの行為でしかないのだ。
「貴方が、マナーも礼儀もわきまえずに、声をかけているから怒っているの。」
質問に答えるのは、下の下であろうとも、彼は謝罪し、頭を下げたのだ。それは礼儀に当たる行為と言える。
それであれば、礼儀を見せた相手の疑問に応えるのは躾をすると言った此方の責務。
足を止め、少年の方に視線を向ける。
「友人同士であれば、貴方の行動でも良いでしょう。
私は、貴方を知ろうと思いません、知りたくもありません。
そんな相手に対して、貴方の行動は、只々怒りを、不愉快を募らせるものでしかありません。
先程も言いました、礼儀を……マナーを覚えてきなさい。
正しくマナーにのっとって、声をかけるのであれば、ええ、対応して差し上げましょう。
ただし。
―――喜ぶかどうかは別の話です。」
少女は、彼にそういうのだ。
彼が学ぶのであれば、ちゃんと思考をして会話をするのならば対応をしようと。
青の目は、少年をじっと見る。
「ああ、約束なんてしなくていいですから。」
貴方と、約束するほど興味があるわけでもないです。
そう、言い切るのだった。
■シャルティア > 少年の考えは、とてつもなく、甘い
砂糖のはちみつ漬けなんてとんでもない。天界の蜜、アダムの林檎よりも甘さだけなら上かもしれない
「マナー?礼儀? …むぅ」
首を傾げ、考える。
人と喋るのにそんなものが必要なんて初めて知った
今まで、普通に声をかけて、仲良くなって、お喋りをして――
だから、このように言われるのは初めてである
でも、少年は白痴ではない。だから
礼儀とマナーを覚えたらきっと、お喋りできると思った。
だったら、礼儀とマナーというのを覚えよう、とこくこくうなずいて
「じゃあ、ボクはお姉ちゃんのこともっともっと知りたいから
一生懸命、マナーと礼儀覚える!」
した、と元気よく手を挙げる。つまり、自分は至らないのだとちゃんと理解してるようで
「でも、お姉ちゃんは喜ばないの?だったら、どうしたら喜んでくれるんだろう…」
むぅ、と考えるしぐさ、でも、何よりこっちを向いてくれたことが嬉しい。だから、あはー♪と嬉しそうに顔を崩して
自分に興味がない、という相手に、手をあげたまま
「じゃあ、興味もってお喋りしてもらえるように頑張るね!」
と、気合を入れてる表情になる。むふー、と鼻息も荒く
■竜胆 > 「――――………。」
考え始める彼の姿を見て、少女は視線を外す、幼い、無垢と言うのは別に馬鹿だと言う訳ではない事を知っている。
知らないだけなのである、其れならば、知る為の取っ掛かりが有れば良いので、その取っ掛かりに触れてどうするかその相手次第。
取っ掛かりが有るにもかかわらず思考を放棄するならば、会話する値すらないが、自分で自分を見返し、思考するならば、会話する位ならいいのだろう。
ただ、その会話が楽しいものでなければ早々に席を立つ程度はする娘だが。
「ああ、そう。」
彼の言葉に関しては、淡々とした返事、ある意味なれているというか、対応し疲れているともいえるような返答である。
種族としての興味、は無いわけではないが―――。
今の彼と話をし、有益な情報が得られるかどうか、それは甚だ怪しい。
改めて少女は背を向けて、歩き始めるのだ。
一歩、二歩、三歩目で、一度留まる。
「トゥルネソル。よ。」
唐突な一言。
それは一つのヒントとも、答えともいえるもの。
彼がそれに気が付けば、又話す事も叶おう。
そして、改めて、歩き出すのである。
■シャルティア > 少年は、考え出す、むむむ…と難しい顔
どうしよう、マナーとか礼儀って難しいのかなと
どこで覚えるのがいいのかなと
一生懸命に考える
その間に、距離が離れて、呟かれた言葉
「…?」
さて、少年がその意味に気づいたかどうかはわからない
今は、お喋りが出来ないなら、今度までに、マナーとか礼儀とか覚えてお喋りしよう
少年は、いつもどおり元気よく手をふって
「ばいばい!」
と挨拶するのだった
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