2019/06/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】 パブ」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 夜半の王都、富裕地区の中でも、中規模程度の邸宅が多い閑静な住宅街。
その一角、住宅に混じるようにひっそりとある一軒のパブ。
元は邸宅だったものを改造したような中は広々として、カウンター、テーブル席の他にソファ席もあり、客層は比較的若者が多い様子だ。
夜半の今、客の入りは7割程度。
その7割の客の中に、カウンターの端に陣取る見るからにシェンヤン出身の女がひとり。
頬杖を付いて退屈そうにグラスを口に運び、時折つまみのナッツを口に放り込んで、溜息めいたものを漏らしている。
富裕地区の中では珍しい、賑やかな場所があると聞いて来てみたのに…
大声で喋る客もいなければ、注文を取る声さえひそやかだ。
時折ワッと笑い声が弾けることもあるが、それもすぐに仲間内の囁き声に戻ってしまう。
大方、店側としては平民地区や貧民地区にある『大衆酒場』めいたものを模したつもりなのだろう。
生憎客層がおしとやかすぎて、見事に失敗している様に思える…。
■ホアジャオ > (……おまけに)
女の細い目がちらりと客たちを見回す。
(どいつもこいつも青瓢箪ばッかり……)
流石に喧嘩相手に恵まれることはなかろうと覚悟はしていたが。
それどころが店の雰囲気も空振りも良い所。
唯一、良かった事といえば、酒も肴も一級品なところか。
「…まあ、値段だけの価値はあるってェとこかなァ…」
きれいに盛られた鮮魚のサラダの皿を前に、そんな失礼な一言を零して。
カウンタ―の奥に居る、マスターらしい男がじろりと剣呑な視線を投げて来る。
■ホアジャオ > 女はマスターの視線に気づくと、にっと笑って見せてグラスを傾ける。
その視線を受けたマスターの方は、一瞬ぎくりとしてから慌てたように手元に視線を戻し、グラスを熱心に磨き始めた。
(好吧(おやまあ)…)
育ちの悪さが、にじみ出ちゃったかしらん…
そんな事を思いながら、グラスを置くと目の前の皿をフォークで以てざくざくと平らげていく。
ここはもう、ぼやっと待っていても獲物は来なさそうだ。
「…ごちそうさま!」
皿と、グラスを空にして。
言い終えるとまた、にっとマスターに笑いかける。
代金は注文と同時だった。
スツールからぽんと飛び降りると、未練のない足取りで店の外へと…
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】 パブ」からホアジャオさんが去りました。