2019/05/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは王都マグメール、富裕地区の大通り。
風呂敷包みを背負う少女が、のらりくらりと歩いていた。
耳と尻尾を隠していても、そもそも、着物姿と言う時点で少々目立つ。
特に今は、あれなのだ、耳と尻尾を隠している事が、逆に余計目立つ原因になっている。
それはそうだろう、ちょくちょくやって来ていた、着物姿の九尾、それが見た目は普通の人間になっているのだから。
うん、普段の行いの賜物である…賜物、ちょっと違うかもしれない。
「さて、次の店は…こっちか…」
そんな少女は、今、手にした地図に視線を落とし、移動中。
別に、大した理由でこうしている訳ではない。
前日手に入れたお宝を、捌いている途中なのだ。
本当は、式の一人に丸投げしようとしたのだが…
『たまには自分で行って来い』みたいな事を、笑顔で言われた。
…いや、まぁ、普段から笑顔か。
で、どれをどこで売る、みたいなのを書いた地図を手渡され…今に到る。
とりあえず、宝石類と鉱石類は売れた。
残すは魔導書と、なんか適当な魔法製の装備品だ。
■タマモ > 「ふむ…しかし、こうした物の価値と言うのは、どう決めるものなんじゃろうな?
妾には、どうもいまいち分からん」
ひょい、と風呂敷包みから、一冊の本を取り出す。
魔導書の一つだが、ぱらり、とそれを捲り、中身確認。
ぱらぱらと何頁か捲り、ぱたん、閉じた。
「………挿絵がない、却下じゃ」
そんな呟きを漏らし、本を戻した。
少女は、文字ばかりの書物はお好みではないのだ。
やっぱりあれだ、挿絵は多いに限る。
むしろ、絵ばかりで良い。
そんなこんなで、別の路地へと入り込む。
まぁ、より高値での買い取り場所とか、そんなものなのだろう、多分。
この王都を把握し切っている、そんな式のお勧めだ、自分で探すより確実だろう。
と言う訳で、後は目印のある店を探すだけである。
この付近である事は、一応は、間違いない…はず?
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」にフィルさんが現れました。
■フィル > どの地区でも人気の少ない時間というのはある。
慣れてない地区であれば、以前来たときと時間帯が違うだけでも、迷いやすくなるのは昼夜だけでなく人気もあるだろう。
地図を確かめて歩いても1度迷ったことがある人は、二度目はより注意深く地図を確認する。
それでも迷いそうなら、ちゃんと目印を見つけて、さらに詳細な地図を肌身は出さず持ち歩いたりするかもしれない。
人気は疎らになっている中、それを体現するかのように、地図をじっと片手に持ち。
時折地図へと視線を向けては、また少し進んでと繰り返す。目深にフードを被った少年。
以前に迷った時からまだ、そこまでこの地区を歩きなれてないのだろう。
周りへの用心より、地図への注意が行き過ぎている気がしないでもないが。
「この目印があったから…こっちが帰る道で…」
配達帰りの身軽な帰り道。
平民地区まで戻れたなら、何か夜食でも買って帰ろうか。
間違いなく道を進めているのもあり、大分気が緩んできているのだろう。
次の目印は、と地図へと視線を落としてから上げる瞳は、路地にある一つの店の並びへとむけられるが。
「あれ…あの姿…っ!」
その先に見えた一つのこちらへの進行方向に進んでくる人影。
目立つ衣服にどこか見覚えのある少女に、視線は止まること数秒。
ビクリと背筋を走る、何とも言えない感覚とともによみがえるのは一つの記憶。
見覚えのある姿に、耳と尻尾はない。
けれども、それがなければ完全にかさなるシルエットに、思わず身をこわばらせ。
並ぶ店の柱の影に少し身を隠しつつ、自らのいる方へ道を進んでくる少女の様子を伺ってしまう。
それは怖いもの見たさにも近い好奇心か、それとも以前のある意味身に刻まれた記憶からか。
しっかりと視線を向けているために、気配は駄々漏れであるが。
■タマモ > 「むむむ…」
改めて、地図に明記してある、店名を見る。
当然だが、その店名は洋風な名前だ。
だからこそ、少女にとっては今だに馴染み難い。
和風の名前にしろ、和風の名前に、そう心の中で呟く。
ちなみに、少女は地図があっても、迷う時は迷うのだが…そこは気にしない方向で。
「………うん?」
と、ぴくり、と少女が何やら反応する。
普段通りに、耳や尻尾を出していたら、耳が揺れていたのだが…それは見えない。
元々感覚の鋭い少女だ、向けられた視線は、どんなものであれ、多少の何かは感じるもの。
大体のそれは、物珍しさの含んだそれ、しかし、今感じたのは…
ぴたりと足を止めたと思えば、ぐるん、と少女の顔が、ある一点へと向けられた。
それはもちろん、少女へと、それ以外の感情で向けられた視線の主、そちらにだ。
さて、それで視線がかち合うだろうか、反射的に視線を逸らすだろうか、それは相手次第。
■フィル > 「…っ…!」
以前であった時の場所とイメージも、記憶には重なるもの。
危険な区域の路地裏ではなく、少女には耳も尻尾もない。
一見この辺りでは目立つ、変わった衣服を着ている少女である。
何かを探しているように、視線を地図へと落している様子へと、じっと向けていたが。
もう一つの証拠ともなる、声や香りを確かめようと、隠している耳を澄ませ。
少しだけ柱の影から身を乗り出すようにして、鼻を利かせようとするが。
気配を感じるのは数段少女の方が上のようである。
向けられる視線に反応しきれず、その視線はかっちりとかち合うことになり。
「え、あ…えっと…お、お久しぶりです…?」
急に視線を切る様に少し横を向くが、不自然過ぎる行動であり。
逆に怪しいというの自覚すれば、視線がかち合った少女へと改めて戻す視線。
少し距離はあるが、本能から感じる感覚に一つ身をブルリと震わせる少年。
恐らく人違いではないと確証を得たのだろう。
怯えている、とは少し違うドギマギとした様子で、ペコリと一つフードを目深に被ったまま頭を下げ。
逃げ出したりすることなく、挨拶を向ける少年。
覚えているかいないか、それは少女の記憶次第かもしれないが。
■タマモ > 相手が己に対し、何をどう思っているか、そんなものは解らない。
だが、こちらに対し、何らかの感情を抱いていたのは確か。
少女に理解出来るのは、実に、その程度のものだ。
だから、まず少女の頭に浮かんだのは、これだ。
うん、誰か居た、と。
向けた視線の先、そこにある姿に、うむ、と頷く。
…まぁ、視線は逸らされてしまったが。
しかし、掛けられた言葉は、明らかに顔見知りであるそれだ。
その声から、聞き覚えはあるな、と分かる。
それは分かったのだが…
「………うむ、久し振りじゃのぅ?」
少し間を開けて、言葉を返す。
同時に、ずかずかと、相手へと向かい歩み寄る。
「で、それはともあれ、顔を隠すでない。
さすがの妾とて、顔も見んで声だけでは、はっきり思い出せんじゃろうが?」
びし、真ん前まで来たところで、指差してそう続けた。
そして、続けざまに、その手で目深に被ったフードを上げようとしてみようか。
顔を見ても、分からない時は分からないだろうに。
■フィル > 「え、あ、は…はい!」
僅かに後ずさりかけたものの、踏みとどまる。
迫ってくる少女を、改めて確認するように、今度は視線をそらさず見据える少年。
挨拶をするなら、久しぶりというなら、顔を隠すのはよろしくない。
そんな少女の言葉に対して思うのは、心底からの納得であった。
それ故に、伸ばされる手に反応は遅れに遅れ。
いともたやすくまくり上げられるフードの下から覗く顔。
「耳や尻尾がなかったから…人違いかと思って。
タマモさん、ですよね…?」
阻害魔法は最低限のレベルと言える範囲の物。
阻害が意味をなさない相手の前では、少年の顔や姿は獣の本来の姿として映るであろうが。
少しだけまだ、落ち着かない様子を見せたまま、改めて少女へと一つ下げる頭。
此処まで面と向かって出会ったのだから、と改めて確かめる様に、少女の姿に思い浮かぶ名前を、窺うように零すだろうが。
■タマモ > まぁ、少女としては、声と顔で確認すれば名前が出るだろう。
礼儀云々ではなく、ただ、それだけの理由なのだが。
あれだ、知らぬが仏?多分、そんな感じ。
フードに隠れていた、相手の顔が見える。
あぁ、うん、これは知ってる顔だ。
ある意味助かった、獣っぽい顔の知人は、実は少ない。
………のだが、肝心なのは、これとは違う。
「む………そうか、そうじゃったな。
ちと訳ありでな、王都内では、耳と尻尾は隠す事となったのじゃ。
まったく、迷惑な話じゃのぅ…と、そうそう、覚えておったか、偉いぞ?」
今度は、こちらが納得。
説明は省き答えながら、はふん、と軽く溜息一つ。
ついでに、偉い偉い、とぽんぽん頭を撫でておいた。
何気に、己は名前までは、まだ思い出せないのを誤魔化すように。
………そう、少女は顔は忘れないが、名前は思い出し難いのだ。
■フィル > 「わ…ふっ…!あ、ありがとうござい、ます。
やっぱり…トラブルとか、あったんですか?」
どうやら人違いではなく、少女もまた覚えている様子の反応。
それを見れば間違えてはいなかったことに、安心感でも感じるのだろう。
安著の吐息でも一つ零してしまうが。
ごく自然に、頭に触れる手にピクリと跳ねる尻尾。
ある意味忘れられるはずもないといっても、可笑しくはない出来事だったのだ。
初めのおっかなびっくりといった様子はどこへやら。
偉いという言葉に、気が緩み、喜んでいるような気配を見せてしまうのは、あの一件で根付いたものか。
「今日は何か…探し物だったんですか?
地図か何か見てる様子でしたし」
何かあったのか、そう伺いながらも無理に聞き出すつもりはないのだろう。
ため息交じりの様子を見ながら、ふと、言葉を交わすまでの様子を思い浮かべれば、そんなことをポツリと。
どうやら少女が名前までしっかりと、思いだせていないことには気付いてはいないようであり。
どうやらしっかりと名前まで思い出してると思っているようである。
■タマモ > 「うむ、苦しゅうない。
あー…まぁ、そんなところじゃ」
うんうんと頷きながら、こう、偉そうな感じに。
続く問いには、僅かに視線を逸らし、そう答えておいた。
あれだ、詳しく説明すると長くなる、みたいな?
なんか嬉しそうな様子に、ぐりぐりと、頭は撫で続けておく。
「あぁ、何じゃったか…魔法屋?魔導屋?よく分からんが、そんな店を探しておったのじゃ。
遺跡で見付けたお宝は、そこで売れると言われてな?」
これだこれ、と言うように、背負った風呂敷包みを揺らす。
別に隠すような事でもないし、構わないだろうと。
名前に関しては、何ら追及の言葉もない。
よし、誤魔化せた!と、心の中でガッツポーズ…いや、聞いてやれよ、と突っ込まれそうだ。
■フィル > 「魔導…ですか!?
この辺のお店は…詳しくはないんですけど…。
持ち込みの魔法具等なら…僕のお店の店主も持ち込み買い取りしてますよ?」
少女の事である。何かしら目をつけられることをしたのだろうか。
そんな風にはぐらかし気味な様子であれば、思ってしまう少年。
初遭遇の状況が状況であり、其れからの事を思い出せば、そう思ってしまうのだろう。
とはいえ、その出会いでありながら、恐怖などを抱くことなく。
撫でられて嬉しそうな様子を見せているのだから、そこは少女の手腕の手練れぶりと言うべきだろうか。
そんな折、魔道具と言う単語が出れば、一つ目の色が変わる少年。
言われた場所では恐らく、いや、確実にないだろうが。
自らのお店もそういうのを、買い取っていると、言わずにいられるわけもなく。
「僕の名前を出せば…本当に少しは、買い取りにプラスしてもらえるかもしれないんですけど。あ、場所は平民地区です」
誤魔化せたと思った時にこそ、そういうものは巡ってくるのだろうか。
興味津々で風呂敷を見たり、少女の表情を撫でられながらも伺いながら、言葉を続けていく少年。
自身の興味だけではなく、親切心からの部分もしっかりとあるのだろうが。
■タマモ > 「ふむ…この辺どころか、そんな店自体、まったく分からん。
まぁ、知っておる者に地図を書かせ、こうして来ている訳じゃがのぅ?
………ほほぅ…?」
いや、こうした店どころか、気に入った店以外は覚える気のない少女。
ほとんどの店が、忘れ去られている事だろう。
面倒そうに、そんな事を言っているも…少年の言葉に、ぴくん、と眉が動く。
「そうかそうか、名前を出せば………名前…を…」
式よりも、知人を選ぶ、そんな主…うん、そんな感じか。
だがしかし、そんな少女の目の前に、高過ぎる壁が。
場所は平民地区、それは別に良い。
問題は、そう、少年の名前だ。
こう、たらりと冷や汗が一筋。
「………? 何じゃ、興味でもあるのか?」
背負った風呂敷包み、そこに向けられる視線に、かくん?と首を傾げる。
問題は後回しに、そう問うてみた。
■フィル > 「確かにこの辺りは分かりにくいですし…って、どうしたんですか…?
問題ないなら…僕の方のお店に案内もしますけど」
地図を書いてもらった手前、どうしても其処でなければいけない。
そういう理由でもないのなら、是非にということに偽りはないだろう。
名前を出せば多少は良い待遇を受けられるかも、というのも善意だったのだろうが。
何か詰まっているかのような様子に、流石に気づけば首を傾げ。
良ければこのまま店に、と問いかける少年。
逆に言えば、一緒に行けば名前を出さなくても済むと言えるかもしれないが。
「あ、はい!
まだ自分で探索とかはあまりできなくて…変わった道具…。
特に魔法道具とかに…興味があったので」
危険な物でも、怪しい物でも、少し不思議な物でも魔法道具であれば構わないのだろう。
雑貨屋で働いているのも、持ち込まれる魔法道具などを見たり、できれば暑かったりしたいからこその少年である。
興味があるかと問われれば、そこはもちろんといったところか。
ぶんぶんと縦に振られる頭が言葉以上にそれを物語。
■タマモ > 「いや、何でも無い。
あぁ、そうじゃのぅ…妾が下手に動くより、そっちのが確実か。
ならば、任せた方が良さそうじゃ、うむ」
ぱたぱたと、誤魔化すように手を振る少女。
色々と誤魔化し過ぎ?気にするな。
と、少年からの申し出には、助かった!とばかりに…
ではなく、適当な理由を述べ、その話に乗っかろう。
ほら、あれだ、少女にもプライドと言うものはあるのだ…小さなものだが。
「ほうほう、魔法の道具に興味をのぅ。
それっぽいのもあるらしいが、妾には、いまいち分からんのじゃ。
そもそも、魔力やら何やらと言うもの自体がな」
そう、少女には魔力を知覚したり、魔法を行使する術がない。
世界が違う故に、魔法に触れる機会が無かったからだ。
そして、ここに来ても、そんなものを覚える気もない、と言うのもある。
なのに、不思議と少女から魔力は感じる…不思議なもので。
「………ならば、その店に行く前に、いくつか見てみるか?
どうせ、それ以外の予定もない、お主次第じゃが」
そして、少年の反応に、そんな言葉を掛けてみる。
様子から、これ絶対に掛かるんじゃないか?と思いながら。
そうなるならば、もちろんあれだ、場所を変えて…以下略、との考えだ。
■フィル > 「はい!
平民地区に入っちゃえば…迷うこともないですし」
逆に言えば、平民地区以外では、地図を見てても迷う可能性があるということだ。
実際に貧民でも、富裕でも地図を持っていた時でも、帰り道に迷ったことがあるわけだが。
少女から任せられれば、多少なりともしっかりと案内しようという使命感にも似たものは湧くのだろう。
少なくとも嬉しそうに、案内にやる気を見せている以上、迷わずに案内できるだろうが。
「いいのでしたら、ぜひ見たいです!
でも、不思議ですね…。あんなに色々な魔法?使えたのに…」
見せてもらえるなら、考えることもなく飛びつく有様である。
とはいえ、少女が今一魔法は分からないといえば、むしろそれが不思議といった所か。
身をもってあれだけの、色々な魔法的なものを味わったのである。
あれは魔法ではないのか、また別の技術なのか。
そんなまた一つの興味と疑問が少女に対して湧くのは仕方ないかもしれないが。
それよりも今は見せてもらえるといった道具たちに、興味の割合がさかれていれば、直ぐに思考はまた魔法道具へと向けられていくことになり。
「どれから…あ、もちろん!
タマモさんの見せてくれる順番で大丈夫です!」
勝手に飛びついて漁らない。
どんなに興味があってもそこはわきまえられる範囲でわきまえる。
そんな様子であれば、逸る気持ちを抑えながらも、何度も首を縦に振って答え。
彼女の見せてくれるままに、彼女の導くままについていって魔道具を見せてもらおうとするだろうが。
■タマモ > 「………屋根伝いならば、迷う事もないんじゃがな。
さすがに、それは出来んじゃろうしのぅ。
では、任せても大丈夫じゃろう」
地図があれば行けるなら、少女より上だから大丈夫。
…なんて言われても、そう喜べない不思議。
ともあれ、やる気を見せているのだから、そうでなくとも任せるものだ。
それで迷ったら?それはそれで、色々とある。
「ふふんっ、好きなだけ見るも触れるも良かろうて。
いやいや、妾は魔法は使えん。
妾が使うのは、あー………まぁ、魔法っぽい何かであって、魔法ではないのじゃ」
えっへん、と自慢気に胸を張る。
で、不思議がる少年には、ないない、と手を振った。
そして、やはり説明は省いた、だって長くなるんだもの。
それに関してならば、適当な機会に見せても良いだろう。
…いや、すぐ見る事になるかもしれないが。
「よし、では………さすがに、ここで広げる訳には、な?
その店に行く道の途中で良い、どこか人の目に晒されぬ場所に案内を頼もうかのぅ」
まぁ、普通に考えても、この場で広げるのは…と考えられるだろう。
もっともな意見を述べ、好奇心旺盛な少年を、自身によって人気の無い場所へと案内させるのだ。
………ちゃんと、少年の見たいものは見せるつもりだ。
それを、いつ見せるのかは、少女次第となるのだろうが。
■フィル > 「それだと…迷わない代わりに、憲兵に人が…」
何者だ!と、見つけた人が憲兵に報告を入れたり。
巡回してるそういう職業の方々に追われたりと、色々ありそうなものである。
流石にできない、がどういう意味を指しているのか、と考えてしまうのは、相手が少女だからこそか。
「魔法であって魔法ではない…ですか?
魔道具をそんなに弄らせて貰えるうえに…そんな話聞くと、興味が尽きないんですけど」
色々とやはり不思議なことが尽きないのである。
魔法以外の理の魔法のような技。
魔道具とはまた別の意味でやはり、不思議が尽きない物であれば、少年にとっては興味を惹くものに違いなく。
それゆえに、色々なトラブルも非日常も良くも悪くも引き込みやすいわけであるが。
本人が興味のままに入り込んでいっているのだから、良い事なのだろう。
「お店の途中ですか…それなら…。
元々人気ない位置にありますから…途中の小道がいいかもです」
少年の働いている雑貨屋は、平民地区でも外れの人気のない場所にある。
人気のない場所というだけであれば、行く途中に十分あるのだろう。
魔道具を公衆の面前で、何かあっても困るというのは、十分に納得できるものであり。
それを疑うこともなければ、思い当たる場所がある。と少女を先導して案内していくであろうが。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」からフィルさんが去りました。