2019/05/29 のログ
■フィル > 「そうですね…富裕の衛兵さんなら、次からはそうしてみます。」
平民、貧民地区に比べれば衛兵は十分普通に声をかけられる。
普段の地区のままの感覚であり、失念していたのだろう。
その手があったかと、ばかりに一つ目からうろこといった様子で頷く。
とはいえ衛兵を信用しすぎてもいけないのも、またこの町の気を付けるべきところだろうか。
「品揃え自体は普通の雑貨なんですけど、店主への持ち込みの魔道具とかの性かも…ですね。
って…料理人だったんですか!」
多分、表ルートでは出回らないような道具を、店主経由で頼んでいるのだろう。
平民地区以外では、店内の普通に並ぶ雑貨の注文配達が余りないから、恐らくといった様子で返していくが。
彼女が料理を提供しているといえば、ヒトではない耳が見えていれば、ピンっとフードの下で跳ねたのが見えたかもしれないだろう。
今日の彼女の仕事の流れ、ここへ来た理由を零されれば、しっかりと視線を向けたまま聞いていき。
「でも、食事って好みもあると思いますし…良かったら僕も、食べに行ってもいいですか?」
籠の中身を教えてもらえれば、彼女の料理に更に興味は湧いたのだろう。
元々、配達で遅くなった時に酒場などで食事だけとることも少なくはなく。
美味しい料理を食べられる場所、と言う事に特に気を惹かれたのだろう。
富裕地区への境目に、彼女と並んで足を進めながらそんなことを、少し声量の上がった声で紡ぐ。
もちろん、仕込などの準備があればすぐにでも、なんて無理は通そうとはしないだろうが。
■ソウレン > 「迷わない事が一番ではある。配達先に道を確認するなり…方法は色々という所かな。」
自分でどうにかできる、と思わない事が一番である。
空でも飛べれば話は別なのだろう、と思うが…。
そもそも街中で飛行などすればそれはそれで見咎められるだろう。騎士団とかに。
「料理人という程でもないが。道楽で店をやっている、という所かな。」
魔道具、と口の中で呟く。
危険だったり珍しかったりする…いかにも貴族が欲しがりそうなものだ。
それならば納得できる話ではある。
ふと視線を向ければ、フードの下でもぞっと動いたものが。
ふ、と小さく笑う。気になるのだろうな、と。
「構わないよ。…と言いたいが今日は難しいな。
夜は休業予定だったからまともに仕込みをしていない。」
そう言いながら、富裕区と平民区の境を抜ける。
衛兵には片手を上げて笑いかけておいた。然して警戒されずに抜ける事ができるだろう。
「さて、これで平民区だ。道案内はここまでで大丈夫かな?
…私の店は幽世という居酒屋。ソウレンという名前を尋ねるといい。
明日以降ならいつでもおいで。」
目印は平民区にある公園の一つだと話す。
味が気になるのか、食べる事が好きなのか。
まぁ、どちらにせよお客さんなら歓迎である。粗相さえしなければ。
…酒は…どうだろうな、と内心で思いながら、少年が構わなければそのまま背を向けるが…?
■フィル > 「それは…もっとも、です」
ぐうの音も出ない答えである。
地図を確認した上で、気を抜いたから帰り道で迷った、何て有様なのだから。
心の底から迷わないのが一番大事ということに、同意しているようであり。
「道楽…って言っても、富裕地区の人に呼ばれるくらいみたいですし。
いえ、そうじゃなくても…興味はありますし!」
余り他の地区でも見かけない服装、というのもあるのだろう。
見抜かれているとは気づいていないものの、その不思議な感覚を受けたのも尚更か。
自分が興味が合って、食べてみたいから。というお世辞でもなく本心を零せば、構わないという言葉に、ローブの下では尻尾が揺れているだろうが。
「あ、はい…でしたら後日に…。
幽世の…ソウレンさん、ですね。」
流石に今日は仕込がないし、営業はしていない。
そう聞けば少しだけ残念そうな様子をみせるが。
突然な訪れが無理なだけであり、後日来店することは出来るのだから、楽しみは寧ろ募るもの、といったところだろう。
彼女を見習うように、衛兵に続くように一つペコリと頭を下げてお辞儀路続けて送っていき。
「あ、はい!道はここで…って、すみません。名乗り返してませんでしたね。
僕はフィルっていいます。
…お礼はいいっていってましたけど…寄り道できるなら、寄っていきませんか?」
彼女のお店の名前と、彼女の名前を誰に言うでもなく数度反芻して刻み込む。
そうしながら、名乗り返してないのを思い出せば、自らの名前を彼女へと向き直り、頭を一つ下げてから名乗っていくが。
やはり、道は此処でもう充分一人で帰れるとはいえ、お礼の一つでもしたいというのはあるのだろう。
料理をしているお店なら、小物や少しは扱っている茶葉でも、心ばかりに、と思い。
背を向けかけた彼女を見て、言葉を続けて投げかけるが。
■ソウレン > 確かに呼ばれはしたが、気に入る人間もいるという事だろう。
尤も、少年がそうかどうかはわからないが…。
まぁ、そこはそれ。人となりが解れば好みのものを提供する事もできるだろう。
「あぁ、また明日以降に。寄り道か……ふむ。」
少しだけ考える。
「…そうだな。なら少しだけ寄らせてもらうとしようかな。」
礼はいらない、とは思っている。
が、少年の気が済まないという印象もある。無理に断る事もないだろう。
背を向けようとしたものの、思い直して少年と同道する事にする。
さて、たどり着いた雑貨屋で何を見せてくれるのだろうか、と少し楽しみを持ちながら、
ゆっくりと平民地区での道を歩いて行くだろう。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からソウレンさんが去りました。
■フィル > 「ありがとうございます…!
店内で何か…気にいるものがありましたらそれでも大丈夫ですから、言ってください」
どうしようか、と考えているように見える彼女を見ていたが。
寄り道をしてもらえる、と言われればパっと一際明るくなる表情。
ローブから覗いてる表情は完全に嬉しそうな笑みであり。
そうと決まれば、と平民地区へと入った後でも一応、とちゃんと道を確認して、前に立って先導していくように進める足。
「こっちです。
少し奥まったところなので、足元に気を付けてくださいね」
平民地区でもちょっと外れにある雑貨屋。
静かなのはいいものの、薄暗さがあり慣れないとちょっと迷いそうな小道の先にある場所である。
一応、とそんなことを零しながら、軽い足取りで案内していったか―
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からフィルさんが去りました。