2019/04/27 のログ
■竜胆 > 「ど れ に し よ う か な 。」
少女は沢山ある甘味のお店……ケーキ屋さんとか、パン屋などのお店に視線を這わせる。
このへんはどれも美味しいそれは先ほどの理由にもよるがもう一つ。
近くのお店にそういうのがあれば自然と競争が発生するものである。
あっちの店より美味しいから、あっちの店よりも美味しく。
それらの結果どんどんどんどん美味しくなっていくのだ。
たまに、そういったのと無縁で変なものを作りまくるのもあるし、味とは別のところで勝負をしようとするのもいる。
それはそれで、なのだが今日は甘くて美味しい生クリームな気分だ。
となると、いくつか店が絞られてくる。
右の店にしようか、左の店にしようか、それとも奥の店に。
目移りしてしまうわ、と少女は軽く笑ってみせた
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にルキオラさんが現れました。
■ルキオラ > 小人の錬金術師が鳥型のゴーレムに乗ってでふらりと街の上空を漂っていると、
眼下に雇い主だか飼い主だかの少女がいるのを見つけた。
なんだか楽しげにお店を物色している姿は、
自分に対する高圧的な態度とはぜんぜん違う。
ちょっとおもしろくなって、気づかれないままその様子を近くで観察しようと試みる。
近くの看板や街路樹の上に騎乗している鳥型ゴーレムを泊まらせる。
……別に気配を消したりはしていないので、気づこうと思えば気づけるだろう。
■竜胆 > 「ここにしようかしら。」
少女は一つのケーキ屋に視線を向けることにする。
それは、普段使ってはいないケーキ屋ではある、しかし、ここのケーキは絶品なのである。
なぜ普段使わないかというと……。
「店主の視線が気に食わないからなのよね。」
少女は人竜であり、人ではない、異種族はあまり好まない店主なのであろう。
少女が入るといつも嫌な視線で見てくるのだ。ムカムカするし、一度殴りかけたこともある。
ただ、ケーキの味は上々なのが、むかついてくるのだ。
今は気分がいい、そこに美味しいケーキがあるなら、今なら少しぐらいは許してもいいだろう。
そんな気分で、少女は普段はいらないその店に足を運ぶことにする。
―――――が、店の入口の前で足を止めた。
ぎゅるん、と勢いよく体ごと振り向いて視線を向けるのは。
とある看板の方角であり。
その奥に泊まるゴーレムの姿と、その上に乗っかるホムンクルス、で。
■ルキオラ > 「どうも~。お嬢様。
そこのケーキ屋入ったことないんですよね~。
あたしもご一緒していいですか?」
自分が観察していたことに気づく様子を見せたなら、屈託なく声をかけて
ぱたぱたと鳥を羽ばたかせて手の届きそうな距離まで近づく。
「るんるん気分でスキップ踏んでかわいいとこあるじゃないですか~。
あたくし全然知りませんでしたよ~そんなの~」
■竜胆 > 「…………」
すん、と鼻を動かせば、何やら、知らない匂いをまとわりつかせている。
自分の知らない女の匂いである。
そして、その首には、リボンがついているのが分かる。
飛んでくるその鳥型のゴーレム、その上に乗る(一応)錬金術師の師匠。
「ふぅん?
そのリボンの相手に買ってもらえばいいのではなくて?」
にこやかに、毒を吐く娘。
気分は、急降下、竜のプライドで凝り固まった傲慢娘、今日はストッパーであるグリムくんもいない。
手を出してないのは単に彼から錬金術を学んでいるというところがあるからである。
にこやかに笑っているように見えて視線は笑っていないのだ。
さあ、どうする? コマンド
→ たたかう
ぼうぎょ
せっとく
にげる
まほう
れんきんじゅつ
そのた
■ルキオラ > 「えっ?」
ただならぬ気配である。
自分を軽んじているのは知っているがさすがに何か空気が違う。
普段が100ポイズンぐらいだとしたら今日は1000ポイズンぐらいである。
だが全く心当たりがない。生理ですか? と思いついても聞かない分別はあった。
「ああ」
自分の首に手をやる。そういえば巻いたままだった。
つい先日王城で姫を名乗る女の子とお近づきになったその証だ。
「っていやいやいや……
あたしが他の女の子と仲良くしてちゃダメなんですか!?」
ぶんぶんと手を振り、唖然とした表情で叫んでしまう。
別に専属の何かになった覚えはないのだ。何も弁解するようなことはないはずだ。
■竜胆 > 「いいえ別に?
でも、せめて、シャワーだのなんだの浴びたり、してから来るべきだと思いませんこと?
別の女の匂いをプンプンさせて、女に会いに来るって、それは失礼だと思いませんこと?」
ミスリルで作り上げられてる扇子で口元を隠し、視線は半眼にして眺めて問いかける。
一応、彼の錬金術の知識や技術に敬意は払っている。
弟子としているのだからとはいえ。
女の子なのである。
「貴方が、誰と恋仲になろうが、交わろうが、私には関係ありませんし、そこに契約の内容に反したとか、そういう事を言うつもりはありませんわ。
でも、そのミニマム脳みそで考えても見てくださいな?」
唖然としている彼に、じっと半眼のままで見据える。
別に弁解を求めているわけでもない、もし彼が恋人であれば、今頃地面に叩き落とされて踏みつけられて、魔法を二三発はぶち込んでる。
この娘は、超面倒くさいお嬢様なのである。
■ルキオラ > 「え? する? そんなにするかなぁ~匂い」
びっくりして思わず自分の匂いを嗅いでしまう。別にあれから身体を洗わなかったわけではないが、
濃厚に交わったわけだし残ってしまってもおかしくはない。
まあしかし事実がどうだったとしても感情的になっている彼女に対しては意味のないことだろう。
「ええと……それはそれは申し訳ありませんでした、本当に」
自分に非がないわけでもないので、そう口にしてこうべを垂れて見るが
納得のいかなさがあからさまににじみ出ている。
「……それじゃ、あたしはこれで。失礼しました」
ちらと表情を伺ったあと、鳥を羽ばたかせて去っていこうとする。
かんしゃくにこれ以上付き合ってもろくなことはないだろう。そうルキオラは判断した。
■竜胆 > 「私の嗅覚を、馬鹿になさってますの?」
驚く彼に、少女は言葉を放つ、少女は人ではなく、人とのハーフの人竜、嗅覚だって人のそれよりも遥かにあるのだ。
唾液にだって匂いはあるし、汗の臭いだって、フェロモンの香りだってかぎわける。
水を浴びずに三〇分程度の時間であれば残るものであろう。
「…………」
彼の言葉を、少女はただ無言で眺めるものである。
「ケーキですわね、どれにするのです?
買って戻って差し上げますから、家で体を洗っておいてくださいまし。
……次は、ありませんわ。」
羽ばたき、飛び去ろうとするその背中に声をかける。
気分が悪くなったのは事実ではあるが、彼は知らなかったのだし、謝罪も受けた。
次から気をつければ、いいだろうと考えたのだ。
■ルキオラ > 「おっ、買っていただけるんですか~。恐れ多いなぁ。
じゃあロールケーキお願いします!」
くるっと振り向いた表情はすでに全然恐れ多くなさそうなえびす顔である。
「竜胆お嬢様ったら話がわかるところあるじゃないですか~。
怖いだけじゃ人はついてきませんよぉ~。
上に立つものは飴と鞭を使い分けないと!」
ケーキを買ってもらったことがうれしいというよりは、
出来の悪い生徒が思いの外いい成績を出したな、という喜び方である。
ルキオラは竜胆の人間性に、ほとんど期待を置いていなかったのである。
「それじゃまた~。しっかりお湯に浸かっておきますんで~」
ルキオラは去っていった。
■竜胆 > 「ロールケーキ、ですわね。………ええ、分かりましたわ。
後で、あの薬剤のことに関して聞きたいので、伺いますわ。」
えびす顔の彼に、少女は平然と言い切るのだ。
彼女は終わったことには執着しないのか、100ポイズンまでは薄まっている模様。
「でしたら、怖いままのほうがよろしいのかしらね?
竜として、舐められたままというのも考えものですから。」
人の上に立つとかそういうことは考えてない模様、だって、引きこもりの竜ですし。
とはいえ、自分から言い出したことを引っ込めるのは竜らしくはないので、引っ込めませんけれども。
そもそも、性格は竜に振れている娘だ、人間性は最低限というところ。
竜眼はじ、と飛び去っていくその背中を見てすぐに視線をケーキの……いや、ケーキ屋の方へと向ける。
「さて、私はどうしたものでしょうか。」
ケーキ屋に改めて向き直り、扉に手をかけて開くのだ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からルキオラさんが去りました。
■竜胆 > ―――扉を開き、少女はケーキ屋の中に入っていく。
店主のこちらに向ける視線は、可也不快なものであり、少女はそれを見てイラッとする。
ああ、ぶち飛ばしてやりたい、そう思うものの、ここはぐっと我慢である。
そして、売っているケーキに視線を向けるのだ。
生クリームたっぷりのショートケーキがそこにある。
そして、チョコレートケーキやアップルパイ、ショコラにプディング。
ラズベリータルトやロールケーキ、シュークリームも。
いろいろ迷うが今回の気分は生クリーム。
だからこの店にしたのだ、ほかのケーキはともかく、生クリームを使ったケーキは天下一品なのである。
なので、ショートケーキとロールケーキを一つずつ購入し。店から出ることにする。
これで売らないといった日にはこの店は潰れていただろう物理的に。
さて、と、ケーキは早めに食べないとまずいので、寄り道をせずに、家に帰ろうか―――
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 迎賓館」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ > 此の日、迎賓館を訪れる者達は何時もとは少々趣が異なるものだった。
来賓として訪れる貴族達はさして変りも無いが、迎え入れる従者や女中の中に帝国の公主やヤルダバオートの修道女の姿が見受けられる。
所謂【王国式】の礼儀作法をたどたどしくこなす公主と、それをサポートする修道女。
一見すると仲睦まじい様相ですらあるが。
「……此の後娼婦として抱かれるだけだというのに、健気なものだ」
或いは、それすらも知らされずに懸命に王国の貴族達を迎え入れているのか。
案内された大広間で用意された酒で喉を潤しつつ、入り口で客を出迎える女達を眺めていた。