2019/03/24 のログ
■竜胆 > 不機嫌なといっても、自分の失態にある程度頭が冷えてきた状態。
少女はそろそろ、状況を平穏にシフトし始めていたところで、そんな折に、誰かがやって来る。
「――――。」
視えた瞬間、それがひとりの人間だということがわかった。
そして、視えた瞬間、鼻がヒク、と動いて匂いを捉える。
嗅ぎなれた匂いが交じるその人物。
初めて見る相手ではあるが、初めてではない匂いが付いているのだ。
母親の匂い。だ
「ええ、少しばかり勉強にて惑いまして、頭を冷やしに来ていますの。」
周囲を見回し、自分の心配をしているであろう女性。
純粋な善意に当り散らすのは竜としてのプライドが許さないので、にこやかに返答を返すことにした。
■リタ > 彼女の丁寧な言葉遣いに思ったよりも子供じゃないのかな?とほんの少し目を丸くする店員。
よくよく見ればその少女は、人間ではない装い…いや、人間には無い部位が存在しており。
竜…なのだろうか。
店員は内心、ちょっと危険な子に声をかけてしまったかと後悔しつつも、
流石にもう引けない所まで踏み込んでしまった為、当たり障りの無い言葉を彼女に向けた。
「――あー、ごめんね。遠くからだったから、よく見分けが付かなくて。
お勉強中だったんだ?気分転換も必要だし、ね。
何に惑わされたんだか気になるんだけど…聞いちゃっていい?」
食材の詰まった荷物を彼女の座るベンチの横、空いた場所へと置き、ふう、と一呼吸。
そのまま彼女の傍に立ち、小首を傾げて彼女の返答を待っていた。
■竜胆 > 「―――あら?そうですの?
別に、構いませんわ?親の交尾が煩くて仕方がないというだけですもの。
―――大したことでは、ないかもですが、毎日ですとうんざりします。」
隣に荷物を置いて問いかける相手、懐から扇子を取り出して、口元を隠し、ふふ、と笑ってみせる。
相手の警戒が目に見えてとれる、闇の中でも見える竜の目は、彼女の表情とかもしっかりと見えたのだった。
「勉強は、今はしておりませんので大丈夫ですわ、道具も家にありますし。
お姉様こそ、このへんの人ではなさそうですが、迷ってこられたのです?」
富裕地区の住人にしてはみすぼらしい服装である。
ここで、わざとでもそんな服装すれば侮られるのだ、害しかない格好を思えば、変人というよりも、たまたまこちらに来たと考えて問いかけてみるのだ。
■リタ > 店員は彼女の返答に、営業スマイルのままぶふぅと噴出した。
「彼女の両親何やってんの娘さんにバレバレじゃんしかも毎日だなんて少しは遠慮しなよ」
以上、その時の心の声である。その心の押し殺しての言葉は
「…――あー…それはそれは…えーと…ご両親、激しいんだね…」
だった。不躾すぎる。
言いながらも笑った顔を隠す彼女の上品な仕草。良い所のお嬢様の雰囲気がだだ漏れである。
ふと、自分の友人であるとあるお嬢様を思い浮かべ、
そういえば彼女は竜だったっけ、と共通点を見出して、くすりと笑ってしまった。
そして彼女からの返答に対して、
「ん、アッチで小さなお店、してるんだけど…食材を求めてコッチに。
この時間、開いてる所少ないんだよね。24時間開いてるお店、こっちしかないから。」
あっちの言葉の時に貧民地区を指差し、こっちの言葉の時に富裕地区の商店街を指差して。
■竜胆 > 「ほんと、激しいったらありませんわ。
イマゴロ誰を抱いているのかでしょうね」
両親のことはいつもこんなものだし、今更治るわけではないのだしと少女は軽く息を吐き出した。
自分を見る彼女、何か面白いことがあったのだろうか。
そこで、扇子の下でにやりと、笑いをこぼすのだった。
「しかし、お姉さま。私の姿に随分慣れていらっしゃるようですわね?
普通は、もっと私の姿に興味を向けると思うのですが。」
共通点もなにも娘なのだから、似ていて当然なのである。
ちゃんと顔を見れば、髪の毛の色とか、以外は似ているのである。
匂いで、わかっていていうのは意地悪でもあった。
「……あら?
トゥルネソル商会も、24時間やっているはずですわ?
あそこは、平民地区との境目ですし、コチラよりも近いと思いますけれど。」
指さされる方面は商店街。
あの母親が自分の家のアピールを忘れるとは思えなくて。
思わず問いかけてしまうのはボロというやつかもしれなかった。
■リタ > 誰を抱いているか、しかもいつもこんな、の言葉に店員は引き攣った営業スマイルを向けた。
それに慣れているらしい少女の言葉は、もはや店員の言葉を失わせる。
なんて言葉をかけていいのか…そんな時に彼女の質問が。助けに船とばかりに返答する。
「ん、知り合いに…竜人…っていうのかな、居てね。慣れてる…訳じゃないけれど。
今もホントはちょっとおっかなびっくりなんだよね…でも、繁々と見ても失礼でしょ?」
じっと彼女の顔を見れば、どことなく友人に似ている様な気がする。
そして思考が先ほどまでの彼女の言葉を思い出し、関連付けていく。
もし彼女が友人の娘であるのなら…彼女の親とは友人であり…
誰を抱いているのか分からない、激しい、と言った言葉にも頷けてしまって。
「トゥルネソル商会、知ってるよ。でも…ちょっと行き辛くて。
あそこの店長さんと知り合いでね、まぁ…色々とあって、ね。顔を見せ辛いっていうか…」
勿論悪い意味ではなく、単純に恥ずかしいだけなのだが。
先日一緒にゆっくりと長い時間、彼女と食事をした店員は、
とてもとても美味しかったその味を思い出してしまい、顔を赤らめてしまう。
■竜胆 > 「人竜と、呼んであげると、喜びますわ。
そうでですわね、私、怒りを顕にしますがでしたら」
母親であれば―――多分もっとよく見て、とか言いつつこすりつけるのであろう。
母親はそういう人物である。こすりつけて、匂いをつけるのだろう、無意識的に。
「気にしなくてもいいと思いますわ。
あの人はむしろ来て欲しいというでしょうから。
デートの好日が増える、とも言うでしょうね。」
顔を見せづらいという相手に、気にしなくてもいいと伝えよう。
売上が自分の生活費になると思えば、それはそれで、と。
「ふふ、それなりの関係になっているようですわね?
私は、竜胆・トゥルネソルと言いますが、お姉様のお名前は?」
皆まで言わなくても解るであろうから。
少女は自分の名前を伝えて、彼女に問いかけるのだ。
ちょっと意地悪言い方かも知れない。
■リタ > 「…ん、あんまり見ないようにする…あはは。」
彼女の言葉に少々、人外故の恐怖を感じるもそれを口にする事は無く、
寧ろ人竜とはこんな感じなのだろう、
竜から見た人間は恐らく、人間から見た犬や猫と同じ様な感覚なのだろうか、
と考え、納得をする店員。
そして続けられる彼女の言葉から、先程の自分の考えが正しい方向だった事を認識する。
彼女は間違いなく、友人の娘である。…正直、彼女の顔を直視できない。
「あー…そゆこと…えっと、私はリタ。それなりの関係…なんだろうね、きっと。うん。
あんまり激しくするなって言っておく。」
自分の名と冗談めいた言葉を彼女に投げかけて、店員はベンチに置いた荷物を持ち上げ、
彼女に向かってまたね、と微笑み、別れを告げる。
向かう先は貧民地区…では無く、トゥルネソル商会。
この時間に働いているかどうかは分からないが、今から彼女に忠告しに行く気なのは間違いない。
■竜胆 > 「お母様のを見るなら、ベッドの中にしてあげてくださいませね。」
そのほうが喜びますから、と少女は、くすりと笑ってみせる。
扇子の下で笑い視線は彼女を見るのだ。
そして、パチン、と扇子を閉じて懐へ。
「言っても無駄でしてよ?
だって激しいのが好きな女ですし、その愛人も、結局は激しいのがお好きなのですから。
そして、いまお仕事場に行ってもいませんわ。」
だって、今はおうちで激しくしてる真っ最中ですもの。
持ち上げる彼女に、娘は言葉を放って。
娘も、立ち上がる。
「人と話して、少しは気が晴れましたわ。
どうもありがとうございます。」
歩き始める相手に、少女は見送りの視線を。
そして、少女も家に戻るのであった―――。
まあ、まだまだ母親はハッスルしてるだろうけれど。
仕方がないので、音を遮断する結界でも開発しますか、と。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」からリタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」から竜胆さんが去りました。