2019/01/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にリスさんが現れました。
リス > 珍しく、少女は富裕地区の道を歩いていた。
 仕事を終えた帰り道、今日は温泉に寄ることもなく、寒い冬の道を歩くのだ。
 寒い冬の道をこういうふうに歩くのはそういえば珍しいかなと、少女は思う。
 普段は誰かしら護衛などを頼んで一人で歩くこともない。
 最近は護衛を雇うにしても一人か二人くらいである。
 理由は、嫁の加護というもので、体が人間じゃなくなっているから、である。
 それでも襲われたらチンピラとかでも泣いて動けなくなるので、護衛は必要なのです。
 そんな少女、本当に珍しくひとりきりで家路に向かって歩いていたりする。
 理由は―――護衛を頼むのを忘れてしまっていた、というだけだが。

リス > 「―――。」

 夜もそれなりに遅い今の時間帯、人の行き来はなくて富裕地区の家や通りは静まり返っている。
 今いる場所が住宅街というのもあるのだろう、酒場とか盛り場とかであればもう少し賑わっているのかもしれない。
 それはともかく、少女は街並みを眺めて歩く。
 本当に静かなのである、静かすぎる気もしなくもないが、気のせいだと思うのだ。
 とことこと、と石畳の中を進み息を吐き出せば白く広がりそれが消えていく。

「―――やっぱり、温泉入ってからの方が良かったかしら。」

 体が冷えるので、そんなふうな後悔を今更。