2018/09/09 のログ
ご案内:「夜の富裕地区・路上」にロザリアさんが現れました。
ロザリア >  
特に重要な用事があったわけではない
ただ、偶には冒険者や魔族以外の血が飲みたくなったというだけだった

自身の城へ招かれる客は自然と冒険者の類が多いが、
そういった輩は往々にして粗野に生きていることも多く、処女・童貞などは稀である

王国軍の魔族の国への攻勢から幾ばくかが過ぎ、ほとぼりも冷めたことだろう──

「──と、足を伸ばしてみたは良いが」

右手を胸元へと持ち上げる、ただそれだけでも重さを感じる
今は信仰を失われた、かつてのこの地の神の加護……

「忘れられて尚この地を守ろうとは酔狂な神であるな」

やれやれ、と小さく溜息をついて、
それでも闇の堕ちたこの身が普通人以下であることはありえない
月明かりに照らされた富裕地区の街中へ、黒朱のドレスを揺らし踏み出してゆく

ロザリア >  
…さて、王都に踏み込んだのは良いがどうするか
せっかく貴族達の多い場所を選んだのだ
汚れ一つない令嬢を噛むのもよし
器量が良ければそれに越したことはないが、そういう娘はこの国では処女を散らしてしまっていることも多い
以前に訪れた時に血を飲んだ娘も、それだけが実に残念だった

「…ふむ、王城にでも足を運んだほうがまだ良かったであろうか」

ロザリア >  
ふと歩みを止め、僅かに細めた眼を一つの大きな屋敷へと向ける
屋敷からはランプの光か、灯りが漏れる

芳醇に香る…という程でもないが、
吸血鬼は鼻も良い

「──今宵の朝餉はあそこで頂くとしよう」

くす、と口元に小さな笑みを浮かべるとまるでその身を霧のように変え、
屋敷を取り囲む塀へ吸い込まれるようにして消えてゆく

後日、貴族の住んでいた屋敷は無人の洋館となり
町ではちょっとした騒ぎとなるのだった

ご案内:「夜の富裕地区・路上」からロザリアさんが去りました。