2018/05/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 富裕地区の噴水前広場。
色々な商店が見渡せるここは、若い男女の人気の場所となっている。
女は、噴水を囲むように備え付けられているベンチに気だるそうに座り、紙袋に入った干し棗を摘んでいた。

「――あそこからは無理…あそこも…難しいかしら…」

行き交う雑踏の隙間から一点をじっと見つめながらの一言。
その瞳の向かっている先は一軒の酒場。
煌びやかな装飾を纏った、富裕地区に相応しいいかにもな酒場で、
どうやら女はそこに忍び込む算段を考えている様子だった。時折見せる下卑た微笑がそれを物語っている。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「ふぅ、やれやれだ」

ちょっとした仕事を終え、軽く胃袋にメシでも詰め込むか、と。
男はそう考えながら富裕地区を歩いていた。
懐は暖かくなくもない。ちょっとは豪勢なメシを……。
そう思っていた男の視界に、知人の姿。その笑顔のろくでもなさは、男が事情を察するのには十分なもので。

「……おいフロー。な~に悪巧みしてんだ?」

往来なので、以前本名を呼ぶな、と言われたことを思い出し、短縮名で呼びかける。
ちなみに男の顔は微妙に怒り気味。その理由は……。

「つかお前。貧民地区の酒場でアレコレろくでもねーこと吹聴してるだろ。
 な~にが、からかうとかわいい、だ。ふざけんな」

腰に手を当て、相手が値踏みしている酒場のシルエットを遮るように立つ男。
どうやら相手の邪魔をすることに決めたようだ。

フラニエータ > あの場所から進入すれば気づかれないか…そう考えている所、視線を遮って来る意地悪い人物が一人居た。
己をフローと呼んだその知人を、邪魔と言わんばかりに顎で退けと促した。

「悪巧みなんて人聞き悪いわね…今日の夕食は何にしようか、考えていただけよ…
――ああ、行ったの…事実でしょ?ほら、今も凄く可愛い顔、してるわよ?」

見れば彼は少し怒っている様子だが、そんなことはお構いなしの女。
視線を遮られ続けた女は少し不服そうな顔をしていた。

「…貴方を見る為にここに座ってるんじゃないの…。…邪魔よ、座りなさいな。」

己の横を手のひらで指し示し、座れと命令する女。眉間には微かに皺がよっていた。

セイン=ディバン > そも同業と言ってもスタイルとスタンスの違う二人だ。
相手が何を悪巧みしようが、ボランティア活動について考えようが知ったことではないのだが。

「夕飯、ね。お前さんだったらつまみ食いじゃなくてガッツリ食らう、とかになりそうだ。
 ……あのなぁ。もうちっと年上の男を立てることを覚えやがれっての」

可愛い、と言われれば更に不服そうにする男。だが、相手の不満隠さぬ訴えには、男は黙って隣に座り。
そこで、懐から一枚の紙片を取り出し、相手にひらひらと見せる。

「……あの店の見取り図。それと、警備員の巡回コースのメモ。
 欲しいか? 欲しいならやるぞ?」

無論タダではないがな、と嘯きつつ、にやり、と笑う男。
さぁどうする、と。実に意地の悪い笑みを浮かべている。

フラニエータ > ぶつぶつ文句を言いながらも大人しく己の横に座る彼。それが可愛らしいと言うのだと漏らしそうになる女。

「年齢に関係なくイイ男は立てるわよ?貴方がそれに相応しくな…
――へぇ…本物なら欲しいわね…幾ら?」

彼が取り出した紙が、彼をイイ男に昇進させた様だ。
彼の肩にしなだれかかり、その頬を擦り付けて甘えて見せる女。
視線はずっと紙片に向けられているのが女らしいが、どうやら真偽を確かめているようで…。

セイン=ディバン > 「てっめ、ついに本音を漏らしそうになりやがったな?
 ……見分はお好きなように。そうさなぁ。
 ……高いぜ? つっても、あの店裏でそうとうあくどい事してるみてーでなぁ」

いい男の定義にふさわしくな、まで言われれば、男は噛み付くような声と表情になるが。
相手の温度が変わったのを見れば、ふ、と鼻で笑う。
現金な女だ、とも思うし。だからこそいい女だ、とも思う。
そうして、男は相手の頭を抱き寄せ、その耳元でささやく。

「ここらで盗賊に痛い目見せられるのもいい薬かもなぁ。
 ……例えば、そうだな。お前の体、とかは釣り合うかね?」

傍から見れば恋人がいちゃついているようにも見えるか。
だがその実、盗賊同士のビジネストーク。よほど底冷えする内容。
男は相手の耳に代価をささやきながら、その美しい外耳へと舌を伸ばし……。

フラニエータ > 店の裏での話も、女が調べた限りは本当の事だ。
どうやらその紙に書かれている内容も、信用するに値すると判断した。
頭を抱き寄せられても嫌な顔一つせず、仲睦まじく笑顔を向ける。素振り。

「あン…私の体?…そうね、そろそろご褒美をあげてもいいかしら…
――何処で…シましょうか?」

女は伸ばされた舌から逃げるようにベンチから立ち上がり、彼に熱の篭った視線を一度投げると、
噴水前から路地裏へと姿を消していった。
彼がついて来れる程の歩幅で、揺れる尻を見せつけながら。

セイン=ディバン > 相手に紙片を確認させつつ、まるで前払い、とでも言うかのように舌を耳へと伸ばしていた男。
だが、すんでのところで逃げられ、ベンチに頭をぶつけることになる。

「あだっ!? ……ご褒美、てなぁ……。
 ……あぁ、じゃあまぁ、そうさなぁ」

形はどうあれ、商談は成立。
男は先に進む相手の後を追いながら、どうしたものかと考えるそぶり。
そうしている間も、相手の魅力的な肉体に視線を奪われているのだが……。
表面上は、クールな演技を続けていたとか何とか……。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からフラニエータさんが去りました。