2018/04/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にルミナリエさんが現れました。
ルミナリエ > 「お待たせいたしました。ギムレットです。」

富裕地区の一角にあるこじんまりとし落ち着いた雰囲気を醸し出した酒場のカウンターには明らかに若すぎる少年の姿。店の雰囲気にあわせ落ち着いた様子でカクテルをカウンターの客に振る舞う姿はなかなか様になっているのか酒を嗜む客たちから不満が上がることはない。
オーダーが止まるとそのままグラスを洗い始める少年の本業は旅人であるが、どうも資金が尽きてしまったらしい。たまたまマスターが体調不良で休業していた酒場の代役の仕事を見つけ、しばらく腰を据えているところだ。

ルミナリエ > 少年にとっても居心地のいい酒場である。このまましばらく資金繰りには苦労しないだろうな。などと考えながら、オーダーのカクテルをこなれた手つきで作り始める。と、奥の席の方で飲んでいた貴婦人が寄ってきて一人のウェイターを指さして少年に囁く

「少し酒に当たってしまって…奥で休みたいのだけど、あの子に開放してもらって構わないかしら?」

返事を待たずにウェイターを半ば強引に引き連れると、貴婦人は奥へと消える。ただの健全な酒場でないことは理解していたが改めて見ると思春期の少年には若干刺激が強い場面である。その先で行われるであろう情事を思い浮かべると、少年は少しだけ耳を赤くしてしまう。もちろん表情には出さないが。

「…モヒートです。」

ルミナリエ > そうしているうちに客足は途絶え始めてきた。カウンターで飲んでいた常連らしい客は帰り、または奥間へと客同士で、あるいはウェイターとともに消えていき店内には少年が一人である。少し気が抜けたのか、それまで落ち着いた表情でグラスを磨いていた少年は顔をカァッと赤らめて休憩所につながる廊下を眺める

「覗いたら…さすがにまずい、よね…」

少年も年頃である。視線の先で行われる情事には本当は興味津々の様子。思わぬ出来心が頭をかすめ、それを理性で押さえつけている状態だ。いったん頭を冷やして落ち着こうとグラスに水を注ぎ、一気に飲み干すと頬を三回平手でたたきグラス磨きに戻る。すでに数回繰り返しているのだが

ルミナリエ > 「そろそろお店閉めないとだね…」

休憩所への廊下はそのまま店の裏側にある路地裏へ抜ける非常口とつながっている。休憩所に連れていかれたウェイターに非常口の戸締りは任せるとして、酒場は店仕舞いにしよう。少年は磨き終えたグラスを片付けると、廊下の入口の戸にカギをかける。そして売り上げを手にすると酒場の明かりを消し、マスターの家へと歩き始める

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からルミナリエさんが去りました。