2018/04/11 のログ
リタ > ぞく、と店員の背筋を悪寒が走る。目の前の女性はとても美しく、その声は甘く蕩けるよう。
今までは自分の発言を色々と考えていた為気づかなかったが、
そのルージュが動くのを見れば否が応にも目に、耳に突き刺さる。

「相手…って…え、1回づつ?…凄…」

少なくとも自分の言葉を否定しなかった彼女。ということは凄い警備の人、は肯定された事になる。
その情報さえ手に入ればもう彼女と話す必要など無かった。

「あ…料理を…その…呼ばれて…えっと…」

心の中では「はい。料理人として呼ばれた事があって。」と話しているつもりだった。
それが出来なかったのは、彼女の視線を自分の瞳に受けたから。彼女の湿った銀の唇を見てしまったから。
頬が勝手に赤くなる。店員はそっと目線を外し、自分の掌の中にある飲み物をぐっと呷った。

アリルネージュ > 女性の様子に、初心なのかしら、と小さく微笑む。
すっと視線を外して照れたように口ごもる様子はとても可愛らしい。
尤も、自らの視線や、肌を彩るメイクが心を惑わす事は勿論承知の上である。

「そう。あれに呼ばれるくらいだもの、きっと美味しい料理を作れるのね。」

会話をしてるのだからと一歩女性に近寄る。
はら、とわずかにローブの裾が揺れて褐色の生足が一瞬覗く。

「貴女には少し刺激的な話だったかしら。……想像しちゃった?」

踊り子がそう言えば、銀の唇が動く。
その言葉は先を想像させるもの。
屈強な男性達を見ていたのだから、目の前の踊り子とあれらとの交わりを連想してしまう…かもしれない。

リタ > 人と呼ばずにあれと呼ぶ、あからさまにぞんざいに扱われている邸の主。
警備をしている輩にもそんな考えを持っている人がいるかもしれない。とお仕事の考えをしていたのはそこまで。

「そんな事、無いですよ。え…あの…普通…です…」

彼女が一歩近づけばそれに合わせて小さくなる声。
視線を逸らして居た為、細くしなやかな脚が店員の目を襲えば、堪えきれなくなったのか地面を見つめる店員。

「…いや、その…刺激的ですね、確かに…」

客観的に見て凄く馬鹿な返答なのは分かっている。しかしどうにも頭が働かない。
その頭が想像したのは彼女に篭絡され情けなく悦びの声を上げている屈強な男たちだった。
どうにもこの女性は扇情的すぎる。怪しすぎる。危ない。
――しかし、どうしても会話を止められない。

アリルネージュ > くすくすと笑う。
自分より身長が高い女性が、視線を向ける所が無いとばかりに地面を見つめている。
ずいぶんと可愛らしい事、と心の中で舌なめずりをする。
あの邸宅ではずいぶんと啼かせていたし、犯されたけれど…勝手なセックスだけであった。
たまにはこんな子としっとりとするのも悪くない。そう思えば、きちんと篭絡してあげよう、と。

「…ふふ。肌をすり合わせて、じっくり、長い時間、ね…?
そういえば、給仕さんもいたわね。あの屋敷…。」

少し背伸びし、可愛い耳元に甘い囁きを零す。
視界から避けるならば、頭の中をとろとろにしてあげよう。
屈強な男から、たおやかな女性へと。
交わりを想像させ、そのうちに自分とこの踊り子の交わりを連想させようとする手管。

「貴女の料理、少し興味あるわ…。ね、よかったら食べさせてくれない…?
これからでもいいし…朝でもいいわ。」

とろとろと流し込まれる言葉の蜜。
朝でもいい、とこれからの楽しみをくすぐるように。

リタ > 彼女の言葉はエスカレートする一方。しかし店員は耳を塞ぐことができない。
続けられる彼女の言葉を聞けば、ぞく、ぞくと体が震え、勝手に悦ぶ。
耳元に告げられる言葉が店員の頭の中を駆け巡ると、
名も知れぬ給仕が篭絡され、溶かされ、喜んで彼女と交わっている姿が浮かんでくる。
まずい、ヤバい。とりあえず拒否しないと。それが精一杯。

「あ…えっと…お店、まだ準備できてないから…あ、朝?!」

セックスの経験だってある。女性相手だって一度ある。そこまで初心じゃないと自覚だってしている。
だからこそ想像するのは、彼女と自分の一夜。そして迎える朝。
――とうとう想像してしまった。ぶる、と大きく一度震える店員。その脚は内股になっていた。

アリルネージュ > 言葉の蜜に性感を感じて、徐々に足を震わせる女性。
とってもいい子、と思いながら女性の手に手を伸ばして。
抵抗されなければその手をやんわりと取って、自分の肌の滑らかさを触感で伝えるだろう。

「大丈夫、優しくしてあげる。…屋敷では激しいものが多かったから…。
貴女となら、とろとろに…溶けあうようにしたいわ…?」

とーろとろ…と耳元で重ねて囁かれる言葉。
思考を昂らせ、停止させ、情欲の虜へと導くように。

「ふふ。貴女のお部屋でもいいのよ。
ね、どう…? 別にお金もとらないわ…。」

手を取った別の手が女性の足に伸びる。
それも抵抗されなければ、ゆっくり、じっくりと太ももを撫で擦るように。

リタ > 手を触れられればまたもやびくりと震える店員。しかしその絹の様な滑らかな肌の感触を味わえば、
その感触を楽しむかのように自分の掌に包む始末。
この手に触れられたらどうなってしまうのだろう。

「優しく…とろとろに…溶け合う…?」

彼女の言葉に復唱してしまう唇は、こっそりと小さな弧を描いていた。
それが当たり前かのように勝手に行為を想像してしまう。
繰り返される彼女の、耳元へ落とされる言葉で思考はすっかりと鈍っていた。

「え、部屋って…待って、ちょ…――くぅ…ッ…!」

太腿を撫でられれば店員の最後の抵抗。それが与えてくれる刺激にぎゅっと脚を閉じ、
彼女を軽く睨み付けるも、
馬鹿みたいにくすぐったくて、馬鹿みたいにぞくぞくして、馬鹿みたいに…心地いい。
そんな刺激に絆され、小さな溜息にも似た声と共に睨み顔は顰められた。

アリルネージュ > すりすり、さわさわ。
掌と太ももに触れる感触。
手を両手で包まれると、くすっと笑う。身体は正直ね、と。

「そう、溶けあうの。肌をくっつけて…。
長いキスをして。ゆっくり二人で高まりあっていくの…。
そうすれば…ほら、頭が真っ白に…。」

想像の延長。言葉に導かれるままに想像していけば…。
ふわりと頭が真っ白になる感覚を味わえるかもしれない。
女性がにらむように見て来れば、ぺろり、と紅い舌が白銀の唇から覗く。
その瞳を射抜くように、赤く濡れた色が。

「そんな感覚…欲しくない? ふふ…ほら、行きましょ?
どっちに行けばいいの…?」

そして、女性をヘロヘロにしてしまえばあとは少々強引に。
手を握ったまま、身体を寄せ合うようにして歩き始めようとするだろう。
その耳元に家への道の囁き問いかけつつ……夢のような一晩へと向かう為に。

なお、全てが終わった後、邸宅に関しての質問には全て答えてあげただろう。

リタ > 「肌をくっつけて…長いキス…んッ…――はぁ…」

店員の吐く息はとても熱く、震えていた。
店員の頭の中は、もう彼女の事で一杯になっており、彼女との情事を楽しんでいる。
彼女の言葉通りに高まりあい、そして絶頂を迎える自分を想像する。
見える紅の舌を見れば、それが自分に這い回る時を想像する。

――たまらない…

店員は無言で彼女の傍に足を運び、その顔をちらちらと見ながら自分の店へと足を運ぶだろう。
繋がれた手をぎゅっと握り締めながら。

警備の人数なんてすっかり忘れてしまった店員は、後日またあの邸に足を運ぶ事になる。
その時彼女との一晩を思い出さなければ良いが…。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からアリルネージュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からリタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にルーシェさんが現れました。
ルーシェ > 富裕地区にある飲食店の並びは、夜が深まっても賑わいを衰えさせない。
酒場でも酒の肴に振る舞われる一品も、そこらのレストランでは口にできないような絶品料理だとか。

「どっこにしようかな~?」

今日の美味しいご飯を求めてふらふらとやって来たはいいものの、仄かに感じる料理の匂いに迷うばかり。
何処にしようかと目移りならぬ鼻移りを繰り返しながら、締まりのない幸せそうな笑みを浮かべていた。
それでも、時折兵士の姿が目に入ると、悪戯猫の様にビクッと跳ね上がりそうになるのは、先日目にした調書のせいだろう。
そこらに、師団の長やら副官がウロウロしているかも知れない、と。
目に入った兵士二人ははただの巡回兵らしく、互いに言葉を交わしながら自身の隣をすり抜けていった。

(あんなの見なきゃよかったよぉ)

戦って負ける気はしないと、いけしゃあしゃあと豪語できる実力はあるが、そんな面倒なことはしたくない。
ご飯を食べに来ただけの無害な魔王なのだと、自ら思いつつも、気疲れに軽く肩を落とす。
それは顔にも浮かび、ぐったりと様子で眉を潜めれば、小さく溜息を零した。
だが、そんな事で気落ちしていてはご飯がまずくなると思い直せば軽く被りを振って空色の髪を揺らす。
飽くなき美味の探究心を取り戻し、気合を入れ直すように胸元に寄せた両手をぐっと握りこぶしにして、表情も無駄に引き締まった。
驚いたり、くたびれたり、奮起したりと、忙しない様子を隠すこともない。

ルーシェ > ふらふらと物思いに耽るようにしながら歩いていくと、丁度飲食店の途切れ目へと辿り着く。
料理の匂いは交じるものの、それより濃厚になるのは娼婦が纏う男を惑わす香り。
そして肌に嫌でも馴染んでいく欲望の気配。

「……そっちもあんまり食べてなかったなぁ」

ぼそっと呟いた声は、雑踏に紛れて消えていくだろうか。
思い出にひたるようなボンヤリとした表情のまま口にする言葉は、久しく口にしていない料理でもあるかのように紡がれる。
実際は先程までと違い、魔族らしい欲望の一面を宿した音。
異性との交わり、それも自身に流れる魔の血潮を満たすほどの激しい重なり合い。
窓を震わせ、僅かに外に溢れた嬌声を辿るように宿の一つを見上げると、カーテンの向こうで影が踊っていた。
不規則に揺れるランプの明かりに影は歪むものの、線の細い少女がその倍はあろう醜く肥えた男に背後から抱きしめられ、欲望を注がれる姿。
普段ならあまりいい顔をしないところだが、奥底に溜まっていた欲に火が付けば思わず頬を緩ませ、少し恍惚とした笑みを浮かべてしまう。

「いい音……男の方は雑音だけど、ね」

蕩けていく少女の嬌声を歌のように耳にしながら、心地よさすら覚える。
もっとと喘ぎながら、掠れた声を重ねるうちに下品なくぐもった声も交じっていく。
ゆっくりと瞳を閉ざしながら、少女の歌声だけに耳を傾ける。
もっと聞きたい、もっと熱を感じたいと。
音だけの世界になれば、男女の交わりだけが脳裏を埋め尽くす。
雑踏も何も、匂いすら気にせずに道の真ん中で音に酔いしれていく。
ゆっくりと深呼吸をしながら再び瞳を開いていくと、紫色は薄っすらと濡れていき、熱っぽい吐息を溢しながら僅かに頬に朱色を差す。

ルーシェ > 違う食欲をそそられつつ、その姿はふらふらと通りを離れていった…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルーシェさんが去りました。