2018/04/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にリタさんが現れました。
リタ > とある大きな屋敷、その近く木の上で只今絶賛お仕事中。
勿論店員としてではない。こんな所で料理を振舞う人物が居たら、違う意味で絶賛されそうだ。
仕事前、それも己の店の前で巨躯の男と擦れ違い、肝を冷やしたが今は目の前に集中。

「…凄く大きい人だったな…」

…前言撤回。
あの目の前の屋敷の警備、その人数を調べるのが今の店員のお仕事なのだ。
店員は大きく首を振ると、その視線を屋敷へと戻した。

リタ > 「…11…か…夜は流石に多いな…」

昼間に見に来た時は4人かそこらだった警備の人数が、この時間では倍以上。
自分がこの邸に押し入るわけでは無いので心配する必要は無いが、
よほどの腕が必要なのだということは分かる。

「報告して終わり、かな…ご愁傷様だね」

この後依頼主がどうなろうと知ったこっちゃ無い。
店員は木の上から華麗に飛び降りると、その木を背にして凭れ掛かり、煙草に火をつけた。

リタ > 「ついでだし…買い物、していこうかな。」

遠くに見える華やかな明かり。中心部には露天が開かれている。貧民地区のそれとは全く違うその雰囲気は、
いかにも人を呼び寄せ、いかにも物を買いたくなる様なもの。
店員もまた、その明かりに目を奪われていた。
煙草を踏み火を消すと携帯している小さな袋にごみを入れ、露天の集まるその場所へと歩いていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にアリルネージュさんが現れました。
アリルネージュ > ざり、と女性の後ろから砂を噛む音がする。
黒いローブに身を覆った女が、先ほどまで見ていた邸宅から出てくる所であった。
屈強な男達のような仕事人の雰囲気は全くない。
ローブの裾からはちらちらと褐色の生足が覗く等、よくて愛人という雰囲気だろう。

露出の高い踊り子の服をローブですっぽり覆い隠した女は、
先ほどまで見ていた女性に気づく事なくそのまま露店の方へと歩みを進めている。
歩きながら、くぁ、とあくびのような吐息の音。
実の所、こんな時間だというのにさっき起きたばかりという妙なリズムになってしまっていた。

「……遠慮を知らないというのも。」

食事にはなったけど、と思いながらぽつり呟く。
先を行く女性にも聞こえてしまうかもしれない。

リタ > 雑踏が発する音は様々な音だった。注目を引こうと物や手を叩く音をバックに、笑い声や叫び声、妬む声まで多種多様。
そんな中、自分の後ろからの声に店員は耳を奪われた。

「(遠慮?なんだろう…)」

そこらの適当な露天で足を止め、商品を品定め…するふりをしながらちらりとその声の主を見る。

「(そういえばあの人…さっき…)」

店員は先程の自分の視界を思い起こす。あの邸…数人の警備の人…
…ああ、数人の黒服に丁重に囲まれて、邸の扉から出て来た姿に似ている。
その井出達から推測するに、邸の主お抱えの娼婦なのか、と想像。

「あの、ごめんなさい。さっきあの邸から…」

もしそうならば、中の警備の人数も把握できる。
仕事熱心(?)な店員は、意を決して彼女に声をかけた。

アリルネージュ > 大仰な警護は要らないと邸宅の主に言っているのだが、
大事にしたいか何かで常に出るまでは何かと男をつけられる女であった。
自分としては賃金などがいただけるならそれだけでいいのだが。
仕事は仕事、と考えるだけだ。
もちろん、調査されている事や、明日の主の命運などは知ったことではない。
露店の中から果汁を薄いアルコールで割ったものを売っている店舗を選べば、それを一つ購入する。
小さな木のカップに注がれたそれを受け取った辺りで声をかけられた。

「…はい? 何か?」

濡れたような甘い声。
フードの下から見上げるような視線が女性を見つめるだろう。
男装の麗人みたいね、という感想を抱く。

リタ > 店員は彼女の姿を見る。飲み物を買って受け取る姿はとても優雅で、女性らしさをこれでもかと醸し出していた。
自分も目の前、品定めをしているふりをしていた露天へ目を戻し、何かを頼もうと思ったが
…売られている商品が玩具である事に気づくと、そっと足を動かし彼女が飲み物を買った露天へと進む。

さて、声は掛けたもののどう話を切り出すか…
彼女と同様に飲み物を頼み、それを受け取りながら。

「あそこの主人、酷くありませんでした?私も仕事で行った事があるんですけれど…」

そこそこ悪名が高いその邸の主。良く言う人などそうそう居ないだろう、そう考えた店員は言葉を続ける。

「中、凄い警備の人で…私緊張しちゃって…貴女はどうでした?」

嘘八百を並び立てながら、彼女の返答でその内部、警備の数を知ろうという魂胆。

アリルネージュ > 女性の言葉に、ふぅん?という風に息を漏らす。
それから手に取った飲み物を一口。
ほう、と艶っぽい息を吐き出す唇はシルバーのルージュに彩られている。
褐色に良く映え、視線を惹くかもしれない。

「あぁ……まぁ、そうね。一般的には、人が良い、とは言わないでしょうね。」

とどこか他人事のように。
まぁ、それならそれで需要はあるのだが。

「ふふ。きっと肝が小さいのよ。私も1回ずつ相手はしてあげたけれど。
貴女は…娼婦という感じではないのね。メイドか料理人か…それとも警護で?」

しれっと全員と相手をした、と答える。
警護の人間の丁重な応対はそこに理由もあるのかもしれない。
それからやんわりと視線を向け、アルコールで唇を湿らしながら女性に訊いてみる。
同じ境遇?かもしれないと、少しは警戒心の和らいだ様子で。