2018/04/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「ふぃー……――」

裕福地区を歩く警備服姿の男。
しかし、襟を開けてすっかり着崩し、警備帽は指先にひっかけクルクル回す。
今し方まで貴族たちの「とある集まり」に警備員として雇われていたが――
そこをそろりと抜け出して、ぼちぼちとあたりを散策しているのである。

「あの様子じゃ――オレ一人抜けたところで誰も気付くめぇ」

後日、この警備服を返却するついでに、しれっと仕事の報酬を頂いてやろう――
そんなことを考えながら、月光の照らす並木道を歩く。
美しく整備されたその道は、貧民街のそれとは天地――

エズラ > しばらく歩いていると、裕福な者達が軒を連ねている場に似つかわしくない、古ぼけた煉瓦造りの建物を見つける。
こぢんまりとしており、周囲の豪奢な建造物の中に埋まっているような印象だ。

「お……――」

オーク材の扉には、開店中とだけ書かれた札。
さらに小さく酒瓶の絵――

「なんだ、良さそうな店があるじゃねぇか――」

その、あまりに質素な――恐らくはバーであろう――店構えに興味を引かれる。
男は店に足を踏み入れ――己の予測が正しかったことを知るのであった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にカサンドラさんが現れました。
カサンドラ >  
「ふぅ…せっかく騎士になれたというのに……」

夜の街を、桜色の髪を揺らして小柄な少女が歩く
グリーブの音は甲高く、長剣をその腰に携えて、
しかしその足取りはどこか重い

「街の警邏。重要な仕事なのはわかりますけれど」

こんなことをしていても手柄など舞い込んではこない
平民からの出自、大きな野望を持って騎士へと成り上がった少女は与えられた任務に不満たらたらだった

カサンドラ >  
「噂に聞いた第七師団といっても流石に入団直後に戦場に出してはもらえませんのね」

直前になにかごたごたがあったらしい、という話は聞いた
もしかしたらそれで団内がもたついていたのかもしれないが……

───ちらりちらり、辺りを見渡す
別の区域を担当する騎士と別れた後はただただ誰もいない通りを歩くのみ
賑やかな通りならばまだ人も歩いているのだろうけれど、
この時間の公園に向かうこの通りはいまいち閑散としている

「(将来有望な貴族が危険な目に遭っているところを颯爽と助ける…なんてハプニングがあったら最高なのですけど)」

そんな都合の良いことも当然なく、ついつい不満げに口を尖らせてしまう

「王城のお膝元ですもの。そうそう事件なんて起こるはずもありませんわ」

カサンドラ >  
そう割り切ってしまえば重かった足取りも軽く、予定していた時間よりも早く半分以上の見回りを済ませてしまった
我ながら有能……と内心思いつつ、公園の石造りのベンチへと腰をかける

予定よりも早い時間でまわっているのだし小休止くらいはいいだろう

「はぁ、騎士になれたと勇んでダンジョンに潜って入手したこの剣も、しばらくはお役立ちできそうにありませんわね」

溜息をつきつつ、腰元の剣を見やる
伝説の武器!とは言わないまでも中々良い剣を見つけることができた
武器屋に見せたら渋い顔をしていたが、アレは目が悪いに違いない
なにせなかなか苦労しつつ手に入れた剣なのだから

カサンドラ >  
「───平和な街」

こうやっていても何も起こらない
そう思って月夜を見上げる

「………」

いや、解っている
仮初めだということ
この治安のよい街ですら裏は腐敗した貴族達の堕落に染まっている
一つ、夜の店を覗けば
一つ、地下へと足を運べば…
平和な皮などすぐに剥がれてしまう

「……まぁ、その皮が剥がれないようにするのも、騎士のお務めの一つですわ」

よいしょ、と立ち上がる

カサンドラ >  
ぱんぱん、とスカートのお尻を払い、帯剣のズレを直す

「(そう、お務めの一つ)」

そう理解はしておく
無論自らの野心を成就させるためにはもっともっと、重要な位置へと足を進める必要がある

この国で、こんな国で女が平民から成り上がるには
国の兵隊となり、そこで手柄を立てるのが最短距離だ

貴族の女となって成り上がるのは簡単だがそこで終わり、それ以上がない
それでは成り上がりではない、気に入った女として飼われているだけである

「(勿論、利用できるものは全て利用しますけれど)」

あくまでも自らを主体としてのし上がる
騎士の少女は野望に燃えていた

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からカサンドラさんが去りました。