2017/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にシュカさんが現れました。
■シュカ > 富裕地区は、やはりどこか空気が違う、と異邦人ならではの感想を抱きながら、
街並みを眺めながら大通りを散策中の赤毛の男。
さほどこのあたりの地理に詳しくはないし、そもそもギルドの依頼で護衛をする以外に足を向けたこともないから、
その整然とした区画の街並みと、手入れされた街路樹、綺麗に掃かれた通りは、
同じ王都であっても、なじみのある平民地区や貧民地区とは、まさしく別世界のようであった。
大通りには、きちんとした軒を構える店が多く、露店の数も少なかったし、
早い・安い・ウマい、みたいな飯屋もなかったから、
昼前だというのに、昼食よりも散策がメインにならざるを得なかった。
「……これで、この値段って…おいおい、こいつはナマクラだろーが」
豪奢な店が立ち並ぶ中にあった一軒の武具屋。
それこそ白金仕様の美しく煌びやかで、繊細な飾り彫りが施された女性用と思しき鎧と、
そして同じく白金仕様の鞘に収まる長剣が、武具屋の入り口に飾られていたが、その価格に、二度ほど桁を確認したほどだ。
■シュカ > 店の前に佇んでいる赤毛の男の姿は、初めこそ客に見えたのかもしれなかったが、
何しろこの界隈の店に来るような客層の風貌でもないから、
店の中からこちらを見ている店主は…それこそその客層に見合う紳士然とした…怪訝な視線を送ってくる。
「飾りで命が護れるかっつーの」
無名のカタナ二口を持つ己にとっては、決して僻みではない。…たぶん。
それに、道具の良し悪しが人の能力に影響与えるとも思わない。…それも僻みじゃない、経験からくる結論で、ある。
ともかく、そろそろ店主の視線も痛くなってきたから、ひょい、と片手を上げて、これ見よがしに店主に挨拶を残し、
店の前を退いて、のらりくらりと歩み出す。
富裕地区なら、相応の鍛冶屋がいるかも、と期待したのは間違いだったかもしれず、
ため息交じりに周囲の店構えを見る。
貴族サマ相手の店が多いためか、敷居は高そうだ。
「やっぱ平民風情はそっち方面が似合うかねえ。腹も減ったし」
腹の虫の機嫌がそろそろ悪くなりそうだ。
となれば富裕地区を散策するより、財布に優しい平民地区で腹ごしらえ、が最善だろう。
そのままのんびりとした足取りで、時に目が飛び出しそうな価格のアイテムを平然と陳列する店を冷かしつつ富裕地区を後にして………。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からシュカさんが去りました。