2017/08/07 のログ
ご案内:「王都マグメール富裕地区/邸宅街の外れ」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (弱い猫はいったん家から離れると、行く先々で強い猫に脅かされ、
そのたびに逃げているうち、家に戻れなくなってしまう、と、
子供のころ、どこかで聞いたことがある。

今の己のようだ、と皮肉に思いつつ、どこぞの邸宅の裏手、
街灯の光が届かない暗がりで立ち止まり、肩で息をしながら背後の気配を窺う。
しつこく追いかけてきていた男は、ようやく諦めてくれたのか、見失ったのか。
駆け寄ってこようとする足音は、とりあえず聞こえなくなっていた。)

――――ったく、もう……欲望に忠実すぎるんだよな、あいつら。
この格好じゃ、話もロクにできやしない。

(ようやく王都へ戻ってきて、とんでもない軽装で実家へ戻るのは憚られる、と、
幼馴染の男の家へ、こっそり訪ねたのが間違いだった。
使用人のものではあるが服は貸してもらったし、風呂も使わせてくれたが、
風呂上がりの己を見る目が、明らかにおかしかった。

友人としては好意をもっているが、そういう対象としては考えられない。
絶対笑ってしまうというか、事後に絶対笑えなくなるというか。

咄嗟に蹴りを一撃お見舞いして、友人宅を飛び出してから、そろそろ1時間。
体力切れも甚だしく、ずるずると道端に座り込んで、膝の上へ伏せた頭を抱え)

あー……せめて、ご飯食べさせてほしかった、なぁ……。