2017/07/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貴族の屋敷」にルークさんが現れました。
ルーク > 煌びやかなシャンデリアの光、豪奢な飾り、豪華な食事や飲み物、と王城で開かれている祝賀会に勝るとも劣らぬ贅を極めた宴が富裕地区にあるとある貴族の屋敷でも開かれていた。
ただ、普通の宴と異なるのは参加者や使用人が皆仮面をつけているということ。
羽や金銀で装飾されたヴェネチアンマスクは、それぞれの素性や身分を表面的には覆い隠している。
カーニヴァルのような変わった趣向のそれは、身分や素性を隠したい理由があるということで――

「…………。」

ルークもまた、貴族たちの仮面に比べればシンプルな猫を模したアイマスクを着けてその宴の場にいた。
参加者としてではなく、使用人として。
空いたグラスを片付けながら、ちらりと仮面の奥の瞳が参加者の面々を確認する。
主の運営する九頭龍山脈の麓にある集落、ドラゴンフィート。
ミレー族も平等に扱われるそこは、治安もよく退廃的な王国の中で異彩を放つ。
しかしながら、そんな存在は一部の者にとっては目障りであったりするわけで――。
主が王族になったことで、手を出しづらくなっているはずだがどうやら不穏な動きがあるとの事で第零師団のバンシー部隊に調査命令が出たわけだが、一人欠員が出てしまいその欠員を埋めるべくルークが今回の調査に加わった。

(…王族も絡んでいる可能性は高い、か)

王族の所有する場所への動きとなれば、同じ王族が動いている可能性も高いだろうと考えながら参加者をそれとなく観察する。

ルーク > 不穏な動きが、杞憂で終わればよし。杞憂でなければ未然に防がなければならない。

(…咎められるだろうか…。)

一つ気がかりがあるとすれば、欠員が出たのが急であったため主に相談する暇がなかったことだ。
空いたグラスを下げてワゴンへと乗せながら、そのことを考える。
仕えている主が以前の主であったなら、バンシー部隊の欠員を埋める事は主の意思を遂行する事に繋がったと思われるが、今の主は以前の主と考え方も、ルークへの接し方も大きく異なる。
ただ、今回の件が杞憂でなかった場合この調査はとても重要なものになることも確かで…。
ならば、しっかりと調査を行い真相を明らかにするまで。
そう、迷いを振り切るように瞳を一度閉ざすと再び開いてワゴンを押して宴の場から廊下へと出る。
宴の場には、他の者が残り監視を続けている。
こちらは、参加者のリストや金の流れなどを洗うのが役目だ。
厨房へと汚れものを届けたあと、ルークは宴会場には戻らずにそっと気配を消して屋敷の書斎へと足を踏み入れた。

ルーク > 書斎に入ってすぐに壁に手を触れ、魔力を伝わせる。
魔術的な罠の類や細工の有無を確かめると、部屋自体に罠の類はなさそうだ。
そして、書斎の本棚の一部に不自然な箇所を見つけてそちらへと近づいていく。
いくつかの本の背表紙に触れ、その内の一つを引くとカコンと小さな音がする。
いくつかの仕掛けが作動して、本棚の一部がスライドすると金庫が姿を現した。
作り自体は単純なものなのを確認すると、右手に魔力を集中させる。
陽炎のように空間が歪むと、そこには魔力を凝縮した不可視のナイフが作り出され更に薄く薄く研ぎ澄ましていく。
それを、蓋との隙間に差込み鍵を壊すと金庫は簡単に開くことができた。
中から出てきたのは、今日の宴の参加者リストや帳簿の類。

ルーク > それらを確認すると、本棚を元の位置に戻し入手したものをもって書斎をあとにする。
あとは、持ち帰った情報から判断を仰ぐのを待つのみだ。
他の隊員に合図を送ると、ルークは一足先に屋敷を後にした。

ご案内:「王都マグメール 貴族の屋敷」からルークさんが去りました。