2017/06/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/書店」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 金持ちエリアにある、普段はあまり近寄らないような豪華な書店の中で棚と睨めっこしていた。
ここの書店は富裕層が集まる地区に相応しく、如何わしい春本や怪しげなオカルトまがいの類は一冊も置いていない。
そういう店の姿勢が評価されたか、身なりの良い客が多いことで有名な店である。

「しかし、魔族の子供に読ませるような本は何がいいのだろうね。」
先日、待望の第一子が誕生した。
誕生に至るまでの経緯はとても口には出せないが、一応僕も人の親になったわけである。
魔族の成長は人間と違い、個体差などがあるとは言え、それでも一応の教育はしてあげる必要がある。

「いかがわしいことは放っておいても覚えるだろうし、最初は常識的なことを教えないとね。」

ウィルバー > 童話が載った本なんて、良いかもしれないが事はそう単純ではないのだ。
童話などのお話にはたまに吸血鬼が出てくる。
それも悪の親玉みたいな扱いでだ。

おまけに、大抵の場合吸血鬼は無駄に犠牲者を出すか、出す前に正義の味方に殺されてしまう。
人間との間に子を成したというような内容はほぼない。

「だから、童話もよくよく見て選ばないとダメなんだよね~~~。」
家では死人の家事手伝い達が交代で面倒を見てくれている。
人間と違い、母乳やミルクがなくてもどうにかなるのが救いか。

それでも泣き始めると、ものすごく煩い。

ウィルバー > 「昨日は酷かったよな~~、夜中の3時に泣き出すとか何事なんだって話だよ。」
僕は棚に載っている本を立ち読みしながら家で起こった不満を愚痴っていた。

「大体さ、せめてオムツ変えて欲しいとか、腹減った位そろそろ言えるようになってくれよ。
一生懸命頑張ってオムツ外したら汚れてませんでした、とかもう嫌になるよ。」
産まれてすぐの息子に無理難題を言っているのは自覚していても、愚痴がグチグチと山のように出てくる。
面倒は見るが、それでも疲れるものは疲れてしまう。

ウィルバー > 愚痴を吐くだけ吐いた後、数冊の本を持って会計に。
さて、戻ったら何から読み聞かせようか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/書店」からウィルバーさんが去りました。