2017/06/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある一軒家」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある一軒家」にルインさんが現れました。
セイン=ディバン > なかなかの暑さになってきたマグメール。その富裕地区にある一軒の家。
その中、書庫にて一人の少女が書物や巻物を読みながらぶつぶつと何かを呟いている。

「……結局、この国の歴史においてミレー族の主権の確立の問題点は……。
 奴隷を奴隷としか見てないのが問題か。奴隷を立場ではなく、職業として考えて……。そこからの脱却に関して、何を持って身を立てるべきか」

呟きの内容は、少女らしからぬ難しい物。もともと学の無い少女ではあるが。
妻との出会いのおかげで、物事を学ぶ喜びに目覚めたらしい。
山積みの書物を横に避け、溜息を一つ。

「……ふむ? おい、ルイン!! いないのか!!
 オレが用意したテストは終わったのか!! ルイン!!」

そこで何かに気づき、声を張り上げる少女。書庫は案外広く、さながらダンジョンの様ですらある。
その中から、探し人を探すため少女は立ち上がり、ゆったりと書庫を歩き始める。

ルイン > 世間様 暑いらしいですよ。その一角の富裕地区にある一軒家。
少女から離れた書庫の隅っこに書物と怪しげな実験機器(フラスコとか)に囲まれ
巻物が適度に自動的に?広がったり縮まったりとする中を小さなテーブルに座った一人の幼女。

「おお…飲みたくない色 失敗」

ごそごそもそもそちゅんちゅん ぎゅるるるぎょぎょぎょげげげげ

何か 書庫の中にいるらしい。それも幼女のすぐ横に。
大方幼女が呼び出してしまった魔族の国のモンスター(大抵スライムとか)。
それも二体ほどいるらしい。妙な鳴き声を発して蠢いているのは、鶏の様な体の…いや、それ小さなキマイラだった!
もう一体は可愛らしいサルのような…サルの尻尾にドラゴンの頭は生えていない!なんだそれはとツッコミされるようなもの。

おとう…おねえさんが呼んでいるらしい。
此方が声を上げる前に 妙な気配を漂わせるモンスター(笑)の鳴き声がセインの耳元に届くだろう。

テスト? 全部埋めましたが??ただ 埋めた言語が…此方の公用語ではなく、魔族の国の言語。
彼がどんな反応するかを確かめる為に敢てやってみた事。

セイン=ディバン > なんでも世の中には魔術により空気を冷やすシステムが構築されたとか。
まぁ、金はあるが貴族ではない少女の家にはそんな高級システムは未だ実装されていない。

「んあ? なんだ、この鳴き声。
 ……おおおおおおおおおいルインちゃあああああああん!?
 なに召喚してくれてやがりますか!! それ戻しなさい!! 元の居場所に!! ハウス!!」

なにやら変な音がする方に向かって歩けば、そこにはちんまい娘と、謎の生命体Xが二体。思わず驚き叫び。そのモンスター二体を返還するように言う父親だった。
しかし、その二体のモンスター。なんと変な鳴き声のまま、少女を見上げる。目がウルウルしてた。思わず少女、呻く。

「……なんでそんな奇妙な見た目なのにカワイイ系反応なんだよ……。
 お、テスト発見。解けてるのか? って、魔界言語……!!
 ……えぇい、採点するから待ってろ。次からは共用人間語、しかもマグメール主流言語で回答しろよな!! ったく……。
 いや、しかし、共用言語の教育は教育水準の引き上げを果たさねば難しい問題か。ミレー族や魔族を人間側で働かせるとすればその水準向上は課題だな」

モンスターの愛嬌? ある? 様子に溜息を吐きつつ。魔族言語で書かれたテストを採点し始める少女。
内容は、人間界の常識や、冒険者として生活するうえで必要な手続きや法の問題だ。
慣れぬ言語を紐解きつつ、更に何かを呟きつつ。少女はスラスラと採点する。

ルイン > 魔術は便利らしい。然し この家にはそんな魔術で冷やす超高級システムがない!
魔王の夫にして我が父上なのに!?え、魔王様に作ってもらえばいいじゃない その高級何とか。

無理か…

「おともだち よんだの。
 だいじょうぶ いいこだから るいんのおきにいりなのに?? …ぐす」

泣き真似の様な悲しげな顔で上目遣いにお出迎え。
其の上 モンスター?は少女にお向かって うるうるとした瞳で見つめるのだ。何と言う精神攻撃 何と言う情に訴えた攻撃!
しかし おと…おねえさんに謂われれば致し方なしに 本日のご飯代…何か得体の知れない肉をそれぞれに手渡し
魔族の国に通じる召喚陣に入れさせて 帰すことにする。これで後顧の憂いはなくなっただろう。

「…はぁ。
 まだ こっちのげんごおぼえてない。かけ…るけど。
 なんのことかわからにゃいけど まぞくとひととみれーぞくは
 ちしきのりょうがちがうから びょうどーにしないとむずかしいよ おとうさん」

採点してもらっている間 先ほど作った妖しい薬が入ったフレスコを片付け始めた。
巻物の中身は くすりの成分表らしい。その原材料名が不穏極まりないもので占められている…。

セイン=ディバン > 一応、擬似的な再現は出来なくもない。というか、季節柄外に出かける時はやっている。
そこらの小石に、氷結爆弾をぶつけ、一瞬で冷やして布で包む。
簡易式冷却装置、である。なんでも噂の冷却システムは、そういったひんやりしたものを並べ、奥から風を発生させるらしい。

「お友達、ね。まぁ、確かに敵意や害意は無いみたいだけど。
 ……ふむ。今日は帰ってもらいなさい。また今度、ね?」

正直、カワイイとは思わないが。敵意無く佇むミニチュアモンスターというのは、悪し様に扱う気が失せる相手であった。
しかし、今は勉強中。甘やかすのはよくない、と思い。帰ってもらうことにした。まぁ、また今度呼ばれたときには多少は目をつぶろう、と。結局甘いのであった。

「んむ。そこも勉強する必要があるな?
 基本ギルドに舞い込む依頼は共用言語だ。依頼内容も把握できなきゃ、達成なぞできないぞ。
 ……うん? なるほど、流石にルインは賢いな。
 問題は、勉学とは押し付けるものにあらず。学ぶ意欲が問題なのだ。学ぼうにも基礎学力が無くては学べん。なら、種族問わず一定の基礎学力を習熟させる仕組みが必要、ということだ。それが安定して供給されているのが、教育水準の向上、というわけだな」

採点しつつ、相手の言葉に返答する。その途中、鋭い切り口の意見が聞こえれば、饒舌に持論を語る少女。
まったくもってらしくないが。ここ数ヶ月で、随分と弁が立つようにはなったらしい。同時に……。
娘の知識量や、その習得っぷりに舌を巻く。

「うむ。採点終わり。満点、だな。
 ルイン。お前さん頭良いんだな。というか、オレより良いんじゃないか?
 よしよし、ご褒美にケーキを持ってこさせよう」

採点したテストは、言語こそ魔界言語だが見事な満点。しかも、記述論述にいたっては並みの学者よりも素晴らしい物すら見えた。
問題は、その記述の言葉が少し幼すぎることだが。それは止むなしか、と思いつつ。念話でメイドにケーキを持ってくるように伝える。
その間。娘が片付けた薬やらなんやらは少女の視界の外だ。もしもそれに気づいていたなら、没収していたのかもしれないが。

ルイン > 魔術の魔の字の手解きは…魔王直々に仕込まれましたが何か。
おとうさんとの違いは恐らく基礎から違う事だろう。意識をする様に魔術を使うそれが魔族!
高級なんとかは難しいらしい、金と言うのを貯えればあるいは??

無事に得体の知れない魔物X(複数)は帰宅してもらった。
ただでは呼んでいないのだ 呼び出す やってもらう その代わりにご飯代を此方は用意する 以上。
得体の知れない肉も魔族の国では食べられているものであるが 此方では流通していない。
色々と問題はあるが …こんな事はこれから日常的に行われ…おとうさんおつかれさまです。

「……。」

ギルドに一応所属はしているがランクはまだ見習いだ。
見た目が見た目である、幼女にお外に出るお仕事が割り振られないのだ!
そして 喋る必要性が無いと喋らないというある種の隠れシノビ的な行動をし始める。
聞いてはいる 聞いては。ただ黙々と掃除をしているのだ。一寸異空間にぽいぽい…終了。

「ん。けーき。まだまだ るいんはちえとけいけんと…たりない。
 はやく おおきくならないと むいむいできない。…むいむい。」

ムイムイとは何だ。胸の事か それとも色気を出す事か。
まだ見た目と中身が一致している幼女なので 記述式や普段の生活が幼女っぽいのは致し方なし。
ケーキが来るまでの間 個人的な片付けが終わったので 大人しく?椅子に腰かけよう。

セイン=ディバン > そも。人間の言う魔術と、魔族の言う魔術とは、まったく違うものだ。
魔族が魔術を使うのは、呼吸するが如き、当然のこと。これは天使もだが。
大気に満ちるマナ、精霊たちの声。死霊などの怨嗟の声。意志なき力。
そういった物を自在に操り、形にする。
それを、詠唱やスクロールなどを使い、「それっぽく真似た」のが人間の魔術。桁、というより。そもそものステージが違うのだ。

モンスターが帰宅したのを見て、やれやれ、と苦笑する少女。
そもそも、娘と同居、などということは経験が無いし。
ましてやその娘が魔王との子供、となれば。少女の苦労もなかなかのものにもなる。
しかし……それも、どこか楽しんでいるのも事実なのだ。

「しかし、この国の状況では種族・身分を問わぬ教育など難しいだろうな。身分ある者の腐敗、いや、そんな問題ではない。
 国自体が腐敗している。しかもそれを目を逸らし続ける様に、人々は飼いならされている。
 かといって革命など起こせば無辜の民が傷つくのみ。うむ、悩ましい。しかしこのままでは国は長くは持たぬ。
 やはり魔族や亜人と手を取り、国を豊かにせねば列強各国に侵略されるは必定……」

娘が片づけをしている間、採点をし、更に散らかった書物を片付けながら少女は更に語る語る。どうやら興が乗ってしまったようだ。
無論、娘がその声を聞きつつ、聞き流しつつ、反応が無いのには気づいていない。とりあえず、思いついたことを口から垂れ流しているだけらしい。

「むいむい、はよく分からんが。知識と経験は、慌てずに積む物だ。
 素養・素質はなかなかだがな。まぁ、将来に期待だろう」

むいむいとは何ぞ? と思いつつ。娘が大人しくイスに座ったのを見て、微笑む少女。そこに近づき、頭を撫でてやる。そのまま、額へと口付けを。ちょうどそこで、少女が雇っている犬のミレー族のメイドがやって来た。

『おまたせしました、ご主人様、ルイン様。ケーキとお飲み物をお持ちしました。
 ケーキは、チョコ、イチゴ、レアチーズ、フルーツタルト、ティラミス。
 お飲み物は果実水、紅茶、コーヒー、ミルク、麦酒、モルト、エール、ワインがありますが』

恭しい態度のメイドに、うむ、と頷き、少女は娘を見る。その視線は慈愛に満ちていた。恐らく、少女が男の身体だったときの知り合いが見たら、笑うか、肝を冷やすような目だ。
そのまま少女は視線だけで、娘に、『どれでも好きなものを選べ』と促す。

ルイン > 考えたら 詠唱してませんわ。 呼吸をする様にほぼ無意識に使ってしまっている。
この分では 中継機器…例えば 杖 指輪 等人間なら必要な代物が不要。
そもそもの生まれの環境が違い過ぎた。こればかりはどうしようもない。

母が魔王にして 父が人間で別魔王の夫。今は性別が母がやらかした事としておねえさんになっている。
そしてそのおねえさんとメイドさん二人と同居。何だろうこの複雑な家庭生活は!
見た目は可愛らしいが まだ 魔王の子供だ、そう まだ。

反応はない ただ 聞いてはいる。
(手を結ぶ??難しいっしょ…根本的にお互いが嫌って見下しているのに??)
この時のおとうさんはよっているので放置する事にしたのだ。数日一緒にいて
学んだこと そう 興に乗ったお父さんは放置する、と。

「むいむいはむいむい。おとうさん おとこのこだからむりかも。
 しょうらい、しょうらいは がくしになりたいな!なれるといいなぁ。」

撫でられて 額にキスを受けて うにょうにょ嬉しがる幼女。
犬のメイドさんがケーキ持ってきてくれた 視線がぎゅんとそちらを向く。
自ずと視線がメイドさんとおと…にむき、少し考えた挙句 一寸上品に振舞てみるのだ。

「そうね、わたくし きょうのきぶんがよいので、
 てぃらみす と こうちゃ をいただきますわ。
 おねえさまはいかがいたします? ……どうでしょ??」

一瞬 誰だ!?と思わせる位に 優美に振舞ってみる大人びた幼女。
書庫なのに 深窓のお嬢様の様に口調と振舞を正して見せた。 
で終わるとすぐにへにょっといつもの幼女になるわけだ。

セイン=ディバン > もっと悪辣に言うのであれば。そもそもレベルが違うのだから、戦うとか、対抗するなど考えるだけ無駄無理無謀なのだ。
しかして、人はその運命に抗い、戦い続けている。正直アホちゃうか、の世界だが。世の中には『勇者』だとか『英雄』という存在もいて、魔王を滅ぼしたりもするらしい。末恐ろしい話だ。

よし、と一息つく少女。ある程度片づけの済んだ空間は、丁度ケーキを食べる分には余裕のある広さ。
ちら、と見た娘は。まぁ。親の贔屓目を抜きにしてもカワイイ。間違いなく。
何か、不穏な物が片付けられた様に見えたが、ソレはもはや時空の彼方。没収は叶わない。
そして、少女は娘の横顔を見て、言葉を変えた。

「難しい、と思うのは大事だ。先々見通さずに突貫するは阿呆の業。課題難題の難しさを正確に把握するのは才覚の顕れに違いない。
 しかしなルイン。難しい、と判った上で諦めるは阿呆以下。弱者の戯言よ。難儀なことに直面し、その上で牙を突き立てる。これが人間や亜人の素晴らしく愚かな点よな。
 そして、その愚かさはとても美しい。……結果それが全くもって無駄極まりない徒労だとしても、だ。現に魔王を討つ勇者もいる。
 手を結ぶのが無理なら、互いに傷つかぬ共存を目指せば良い。そういうことだ。
 ポーカーフェイスは勉強しておけ。思考が漏れる様では一流は名乗れんぞ」

横顔。その表情だけで娘の思考を読むは、冒険者としての経験と、父としての勘のなせる業か。とはいえ、嗜めるようなその言葉は、むしろ優しく暖かく。

「むいむい……何だ。むいむいって……難しいな。
 ふむ? 魔王を継いで人間を滅ぼす、ではなく『がくし』?
 『学士』か? それとも、『楽師』?」

娘の言葉に悩む少女。ジェネレーションギャップ、という物ではないのだろう。子供特有の、大人に判らない言語体系、というやつだ。
そして将来の夢を語る娘に、興味心身に聞く親。将来の娘。どうなっているのだろうか。想像するに夢があった。自身の子が、夢をかなえる。そのなんと素晴らしきことか!!

「……クハハ。まぁまぁ合格だ。だが、エレガントさが足りんな。
 気取った高貴さは嫌味を混じらせる。背伸びなどせんでも、お前は十分に愛らしく、美しい。
 そのまま素直に育てば自ずと気品は宿るだろうよ。そうだな、イヌ? 注文どおりに出してやれ」
『かしこまりました。はい、おっしゃる通りでございます。
 ルイン様。幼少期は、奔放に育つ、で良いのですよ。
 ルイン様の聡明さならば、品格など後から十分に追いついてまいりますゆえ』

娘の大人びた言葉に笑う少女とメイド。しかして、それはとてもほほえましい。
娘なりに、自身の立場を理解しているのだろうな、ということは察することが出来た。
イヌと呼ばれたメイドは、そっと娘の前にケーキと飲み物を置き。
少女の前には、チョコケーキとモルトが置かれた。ぷかり。いつの間にか細巻きを吹かす少女。
複雑な人間関係とは裏腹に、のどかな空気が場に満ちる。

ルイン > 魔族の貴族種だったか、それらからすると 争い?
低俗の輩が何を羽虫如く喚いておるか 向かうなら来い適当に相手をしてやろう的な対応らしい。
人がいかに抗ってこようが 基本が これでは 手を出すだけしっぺ返しが来るのだが何時気づくのだろうか 人は。

見られている事に気づくと 特に何もしなかった。
恥ずかしがったり、微笑んだり髪を整えたりする仕草はもうちょっと成長してからだろう。
そんなおしとやかさと優雅さはまだ足りていなかった。仕方ない。

其の不穏なものは 超絶敏感になっちゃうくすり、動物に成っちゃうくすり
嘘がつけなくなり真実しか語れないくすり…ろくでもない。
しかも 止めればよかったものを 其の不穏な物体はしまわれた。
おお、なんということだ …何かフラグが立った気がする。

「まだ こどもだからね、むう」

まだ6歳です!おとうさん!!

「むいむいは、むいむいです。
 がくしはがくし。んんー がっきのほう。
 ん。 けーきとこうちゃ たべる。いただきます」

難しい事は解らない で 通してしまった。
そして 鮮麗された振舞とがつがつではなくゆっくりと時折紅茶を飲みながらケーキを食し始めるのだ。
…ん、目を細めて 嫌そうな顔をお父さんに向け始めた。それは細巻きの火と煙だった!!

「 おとうさん ほそまき きらい。においもきらい」

セイン=ディバン > 同居している中思う。この子は、まだまだ幼いが。それでも素質や、王としての気構えは既に出来ている。
なればこそ。争いに関わらず生きていて欲しい。叶うのならば、人の世の中で、普通の幸せを。そう願ってしまうのは、親ならではなのだろうか。

ゆったりと床に座り。娘を見る。人形のような美しさ。触れれば簡単に手折られそうな、その姿。
愛おしいと思うし、守りたいと思う。それは……たとえ、父たる少女が望んで孕ませた訳でなくとも、そうなのだ。
一度生を受けたのならば。それはもう、愛おしくて愛おしくて。出自などどうでもいいとすら思えた。

「それはそうだ。だがな。それを言い訳にするのはよくない。
 子供という立場に甘んじるのは良いがな。向上心は持ち続けろ?」

実に子供らしくない子供の反論に、これまた大人気ない大人の反論、であった。
どうにも、親バカが過ぎて教育パパとなったようだ。

「むいむい……調べたらわかる言葉かな。
 ふむ。楽師、か。それはいい。ルインの演奏、聴いてみたいものだな。
 はい、召し上がれ、だ」

我が子の言葉に眉を顰めつつ、その夢を笑いながら聞く。いつの日か。どこか、日の当たる場所で、娘の演奏を聞きながらのんびりと過ごす。
それも悪くないかな、などと思いつつ。細巻きを吸えば、娘からの急なクレーム。

「あん? あぁ、スマンな。だが我慢してくれ。
 コレがなくてはオレの生きがいは半分ほどなくなるも同然でな」
『しかしご主人様。お子様の前では吸わないほうがよろしいかと……』

娘の訴えを気にもしないような言葉で、変わらず煙を吐く少女だったが、メイドにたしなめられ、仕方無しに火を消す。細巻きの健康被害について、少しは考えてのことだろう。こう見えても、娘想いなのだ。

ルイン > まだ精神と外見は年相応。だが時折覗く気品はまさに貴族そのもの。
いや、王として出来つつあるが致命傷もちらり覗く。ある部分がないのだ。
それが何なのかは今後の成長次第と言ったところ。

父親に何と見られているか読めないし分らない。
ケーキを食べてもそもそもきゅもきゅしている状態は本当に幼女。
父親は目の前の少女、母親はその父親が復讐を目標にする魔王。
その娘は何の因果か 其の復讐の魔王の元から離れて父のもとに。

「むう ん。わかった。」

子供は成長が早い。こんな無垢で大人しくて素直な時代はあっという間に過ぎる。
丸めこまれて むすうとなったりすぐにケーキを食べて嬉しそうにしたり。
せいちょうしたら どうなるのだろうか!?

「むいむい でるかな。
 このからだじゃまだむり。もうちょっとおおきくならないと。
 ん、んまい。あまりたべすぎるとごはんむずかしいから これでがまんする」

「そのいきがいは すてて。わたしのまえではすってはだめ。
 からだにわるいから。なにより おとうさん のからだ こわれる」

お父さんは人間の筈。不老不死とかならいいけど、体の不調は蓄積すると病気になる。
そんなたわいのない会話を楽しみつつ 暫くは 父と娘とメイドさんの会話は続いたという。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある一軒家」からセイン=ディバンさんが去りました。
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