2017/05/09 のログ
■ニコル > 「仲間と、ね……」
彼の言葉をなぞり、また目を細める。
彼にはそういう仲間が大勢いるのだろう。
いかにも若者らしいこの言葉に感心したように頷いて見せ。
自分には久しくそのような存在など居ないが故に、眩し気な目に笑みを描かせる。
「確かにそういうものかも知れないわね。
―――あら。若い人はみんな目当てがあればこそそういうお店にも足繁く通うものではないの?」
揶揄い交じり、いかにも可笑し気に響いた笑み孕む声は、続く彼の言葉に一瞬途切れ。
直ぐにまた、朗らかな笑い声が続く。
「……若いのに、お上手ね。
どこで覚えて来るのかまで、お話を伺いたいところだけれど。
流石にそこまで聞いていたら、夜が明けてしまうかしら?」
胸を預けるのではないかというくらいまで距離を詰め、上目遣いに彼の表情を覗き込む。
それが戯れであることは、いかにも悪戯気な瞳の動きからも知れることか。
その距離の侭、彼の耳元へと唇を寄せる。
「随分月が西へと傾いてしまいましたわ。
せめてこの館の門まででも、見送って下さる?」
囁く声の甘さは、勿論わざと。
彼が向けてくれた世事への礼のつもりで。
礼、にしては、悪戯さも揶揄いも、すぐにそれと知れるものだったやも知れないが。
■ガリア > ま、時々ウザイッスけどね。
……ンでも、遠慮無しってのが仲間なんだし、当然かなァと。
いや、ちょい待った、確かにまぁそう言う覚えが無い訳じゃねェっつーか…!
つーか、今はそう言うの無いんで、本当に…!
(――どうも調子が狂う。 笑い飛ばして堂々と肯定するのが普段だと言うのに、だ。
自分でも、何で否定するのかイマイチ判らずに、若干焦った様な表情浮かべては
朗らかに笑う相手の姿を、所在なさげに眺めるしかなかったのだけれど。
……相手が、距離を詰める。 悪戯げな瞳を隠そうともせずに、己を見上げるなら
紡がれた台詞と、耳元へと寄せられた唇に――細まる、双眸。)
―――……必要なら、喜んで何時まででも喋ってるッスけど、ね。
……お帰りなら、もちろん、当然。
(――けれど、と、小さく呟いた。 一度、テラスから室内の様子を伺い様に視線を投げれば
其の先には、もう、すっかりと酔い潰れて眠っている、己に声を掛けた貴族の姿
『此処について来い』と言う要望の元で共に訪れたが、彼を最後まで送り届けろという要望は受けていない
なら、この場で酔い潰れた時点で、殆ど己の役目は終了したも同然だろう
先刻目の前の相手が評していた、この館の主が其の通りの人物ならば、きっと悪くはしない筈
――故に、改めて、己を見上げる瞳に、此方から重ねる――金の瞳。)
―――……別に、門までじゃなくても。
(囁くかに告げる、己からの言葉。
同時に、片腕が、ゆうらりと舞い上がって、女の腰元に回されようとする、か
――悪戯であると、揶揄であると判っている。 判ってはいる、けれど。
――こんなにも、魅惑的な雌を目の前に、己の言葉が世辞だと思われるのは
如何したって、納得は行かなかったから。)
―――俺ァ、思いもしない事を言うのは苦手なんで。
好みッスよ、ホントに。 ……モノにしたいくらい。
(言葉は、今度は相手の耳元へと響く事に為るだろうか。
ふと、顔を寄せた。 もし、其の体躯を片腕が僅かでも捕える事叶っていたなら
其の唇、掠め取るようにして、一瞬、奪おうとするだろうか)。
■ニコル > 「有難う。」
いい子ね、とでも、その後に続きそうな声音と口調にて告げ、目を細める。
が、歳若い子を揶揄う大人、という構図はそこまでで、腰へと回された腕の力強さに身体が揺らいだ。
続く彼の言葉に軽く目を瞠り、……ゆっくりと笑む。
顔が寄せられ、吐息が掛かる程の距離となってから、漸くに片手が動いた。
触れようとするその唇を、指先だけでやんわりと止めて。
「家まで送って下さるなら、おイタはそのくらいで止めておかないと。
女主の家に手の早い男の子を伴う訳にはいかないでしょう?
……それに、私には愛する夫がおりますの」
既にこの世には居ないが。
喪に服し、操を貫いているのは事実。
近過ぎる距離の侭に彼の眸を見詰め、それから僅かに首を傾けた。
その頬へと、僅かに触れるのみの口付けを。
直ぐに距離をとると、悪戯が見付かった子供のような笑みを口元に浮かべる。
「―――有難う。
少しはマシな女に見てもらえたのなら嬉しいわ。
まだ捨てたもんじゃないってことでしょうし」
言って、其方へと片手を伸べた。
エスコートを依頼する貴婦人の仕種にて、けれども斜めに流すように見上げる眼差しには潤みを宿らせる。
「では、―――宜しく。」
優雅に軽く腰を屈める一礼を。
彼が頷いてくれるのなら、同じ地区の外れに位置する自宅まで、片手を彼に預けた侭に帰るのだろう。
自宅を彼へと教えたことを彼がどのように受け止めるのかは、彼へと任せて――。
■ガリア > (――唇へと触れる、指先。
其れ以上を留める様に、囁く女の瞳を今一度金の瞳が捕えたなら
きっと素直に、寄せた顔を離すのだろう。
未だ、腰元を抱く其の腕は離れて居なかっただろう、けれど。
女の言葉に、一度、大きく吐息を零しては。)
……自覚無しにやってるんなら、覚えとくと良いッス…ソートー、イイ女だって。
(――思う所は在る、言いたい事も在る。
けれど、其れも此れも全部、頬へと触れた唇のせいで
結局は何も告げる事が出来ないまま――盛大に、脱力と、溜息。
差し伸べられた掌に、自らの掌を重ね、そっと支えたなら
きっと其れは、見送り、と言うよりも寧ろ、エスコート、なのだろうか
騎士として、送り届ける者として、相手の礼に応え、整った礼を返しては
――宴は未だ続いている、暫くの間席を外していた二人が戻ったところで
最早殆どの者は、此方の事など眼中に無いのだろう
其の中を、彼女を伴って共に抜け。)
……それじゃ、安全な月夜の散歩を約束しますよ。
……歩くの、早かったら言って下さいッス。
(――共に向かう、彼女の住まう邸宅へ。
果たして、誘ったのはどちらで、誘われたのはどちらだろう
ただ、少なくとも、其の月夜のエスコートは
間違い無く平穏を、静かな帰路を、約束する筈で――)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 某貴族邸」からニコルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 某貴族邸」からガリアさんが去りました。