2017/04/28 のログ
ティネ > ぎこちない表情でじっと凝視してくる少年を前に、手のひらサイズの少女は腰に手を当てて首を傾げる。

「なーに、そんな目して。ボクは幻でも人形でもないよ。
 いわゆる妖精、ってやつ? 触ってもいいよ」

ニコと笑う少女はいきいきとしていて、少なくとも人形ではないようだ。
手を伸ばしたぐらいでは逃げたりはしないだろう。

「ボクはティネ、っていうんだけどキミは? ねえねえー」

浮かんだまま、小さな体を正面からずいと眼前に近づける。
人懐っこく、初対面の相手を警戒しているそぶりはない。

ゼノビア > 急に触ると言っても正直壊してしまいそうで……困る。
言葉に表わすのは難しいのだが、視線の先の少女は否定はするが、その愛らしさ姿に人形かな?と思ってしまいそうになるが、その唇から妖精だと聞くと妙に納得をしてしまった。

本当に僅かに一瞬だけそれでも触りたくなり、指先がヒクっとするが、それを堪えるだけの理性はあるのと、流石に異性に失礼かと思ってその手を自らの腰に後ろに隠すと、もう片方の手を自らの胸元に添えて、深々と頭を垂れる。

「これは失礼致しました小さなお嬢様。私の名前はゼノビアと申します。本来ならもう少しだけお話をして紅茶でもご馳走したいのですが、今宵はもう帰らないと……申し訳有りません。」
小さすぎる少女を口説く、何てもってのほかである。
それに帰宅しなければいけない時間であるのも懐中時計よりも正確と自負する体内時計で確認済みで、一先ず丁寧に名前を名乗ってから顔を上げると、普段のようにニコリと笑みを浮べて、それから静かに背中を向けて歩き出す事にする。

流石に失礼なのは承知ではあるが、時間と仕事先の怖い店主には敵わない…ごめんなさい、と呟きながらは夜の大通りへ消えていくのであった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からゼノビアさんが去りました。
ティネ > 「あはは、そんなに気を使わなくてもいいのに」

得体の知れない相手という自覚はあるらしく、
ばかに丁寧な物腰で喋る少年の様子に苦笑を浮かべる。

「あらら、ふられちゃったかなぁ?」

ほとんど会話もせず速やかに背を向けて去っていく彼に、消沈しないといえば嘘になるが
危なげのない足取りに、拐かされたりする心配はなさそうだと判断すると
けろりとした様子で建物の陰へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からティネさんが去りました。