2017/04/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にゼノビアさんが現れました。
ゼノビア > ――夜更けと呼ぶには少し早い時間帯。

今宵は主に相応しい人間を若しくは縁に繋がる出会いを探し、眠らぬ賑やかな大通りを散歩している。
平民地区の同様の通りと比べて賑やかさの種類が少し違っていて、平民地区のように酔っ払いが暴れているとか娼婦が客引きをしているとか、そんな賑やかさではなく、立ち並ぶ施設や店には明かりが溢れて通りまで明るく照らしている。
洋服を売る店や宝飾品を扱う店だって元気に営業しているし、貴族と思わしき品の良さそうな人達が異性を供に店に入ったり、店から出てきたり、と……少し羨ましい。

自分だって素敵な異性と一緒に宝飾品を漁ったり、主を店に案内したりとこの地区に相応しい立場と職を手にしたいものだと、羨望の眼差しを右に左に向けながら、一先ず普段と違うジャケットを脱いでいる軽装で舗装された通りを人にぶつからないように気を使いながら進んでいく。

「……酒場や施設に立ち寄るべきだろうけど、コネがない。仕事を紹介してもらうには実績が足りない……かな?」
一際目立つ酒場の前を通り過ぎる時、ふと現状に溜息をつく。
まだ顔が売れていない状況では何処の馬の骨かわからない人間に仕事などやれない、と門前払いを受けるだろうし、ヘタをすると衛兵などに通報されかねない、ので此処は慎重にしかしチャンスには目聡く周囲に眼を向ける。

ゼノビア > 当て所なく歩くのは慣れているし、人を見る眼はある筈である。
通り過ぎる人、邪魔そうに此方を睨みつける人、富裕地区である筈なのに……いやだからか財布を狙うスリと思わしき人等、ありとあらゆる通りすがりの人間たちを観察したが、主に相応しいような人間は全く持って見当たらないし、清い縁を持つ人間にも見えない。

しかし、それでも出会いを願わずには居られないのは執事として心と身体と魂に刻まれた奉仕精神を全うするためである。
多少問題ありでも執事として真っ直ぐに鍛え上げれば良い筈だ。
とは思って矢張り、こう……色々ある。

「……今夜も空振りかな?うー……仮契約だけでは生活不安だしなぁ……せめて食いつなぐ為のお仕事の方も紹介してくれる人がいいなぁ……なんて?」
言葉の締めくくりは盛大な溜息、はぁ~~と深く吐き出すと一度足を止めて、人目の少ない裏路地に目を向けると、一先ず其処で休憩してから今夜のこれからを考えようと、小走りで路地に入り込み、其処に転がっていた木箱に腰をかける。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にティネさんが現れました。
ティネ > 薄暗がりの中をぼんやりと淡く光りながら、なにかが空中を蛇行して
木箱に腰掛ける少年の頭上に舞い降りてくる。

「やあやあどうしたの少年? 恋かなにかの悩み~?
 それとも裏商売の待ち合わせ?」

からかうような声を発しながら、頭上をちょろちょろと浮遊するそれは
よく見ればワンピースのようなものを着た手のひらサイズの少女だ。
落ち込んでいるように見えたのかもしれない。

ゼノビア > 人気の無い場所であまり周囲に好ましくない姿を見せないために路地に入り込んだ筈なのに、気配を感じないから選んだ筈なのに唐突に聞こえる少し甘く響き聞こえる声に流石に驚きは隠せず、本当に思わず木箱から立ち上がると、視線の先に掌サイズの何かがいた……。

――人形?それとも……
と露骨に何とも言えない普段浮べている執事としての穏やかな笑みも浮べられず、かと言って素の表情を浮かべる事は執事として出来ず、どちらとも言えない頬をほんの僅か引き攣りあがらせた笑みを浮べて、ジィ、と小さな掌サイズの症状を無言で見つめてしまう。