2017/04/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 森林公園」にノエル・ベネトーさんが現れました。
ノエル・ベネトー > 最近行動範囲が広がってきた。
この場所を教えてくれた人は、故郷が恋しくなった時、
少しでも慰められるようにと教えてくれたようだった。
ありがたいのは、そんな心優しい人しか知らない今の状況だろう。
奴隷の存在や、人を人と思わぬ振る舞いをする者がいることを知らないわけではないが、現実感は薄い。

故郷を思い出さないでもないが、十分ここで生きていきたいと思える日々だった。

などと死に際のモノローグのような言葉が思い浮かぶのは、
今まさに死にそうだからだ。(ただの体感として)
噴水の囲いの縁で、ぐたっと横になっているエルフの姿。
この場所を気に入ってもう1度訪れたのはいいが、その直前に
知らない男に誘われて飲んだ、たった1杯の酒が悪酔いしやすい安酒だったようで。
ここに着く頃には頭ぐるぐる。
男に何かされなかっただけマシではあるけれど、当人は必死。

「み……水ぅ…。水くださぁい…。」

月夜の晩。
干からびたエルフの声が虚しく響く。
いっそ噴水に飛び込んでみようか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 森林公園」にアッシェさんが現れました。
アッシェ > 遂に此処まで来てしまった。
とある高貴な方の護衛の一環として地理にも疎くない様に、と
散策を兼ねてこんな場所まで足を踏み入れてしまった。事前に頭に入れた地図によれば 森林の如き広い公園らしいのだが。

(…やや、広いわ…飛んだ方が早い方ような…なぁ)

竜の姿で木々の間を飛べば公園の中の様子は大体読めそうだが、
小さくても竜は竜、騒ぎにもなりそうな有らぬ争い要らぬ揉め事は己から招きたくない。
だが、すぐに木々の生い茂る、月夜という時間もあってか 小娘の姿は瞬く間に小さな竜の姿に変貌し
キィキィと鳴きながら 翼をパタパタと動かしてツィーツィーと飛び回り始め移動を開始。

飛ぶ速度が速く、程無くして 木々の間 時間的に妙なエルフの小声に気づくのには然程かからないかもしれない。

『キィ キィ   …キ?』(なんなん。エルフがおる。)

公園に小さい竜があらわれた。
エルフの頭上でぱたぱた翼音を出して浮いている そんな感じ。

ノエル・ベネトー > 森には様々な動物がいる。――――ものの、
なかなかに珍しい、聞いたことのない鳴き声であった。
翼のはためく音が、鳥にしては大きい気がする。

ぼんやり、寝返りを打つようにして仰向けに空を見上げたエルフは空に影を見つける。

「…………天に召される時が来ましたかあ…。」

天の御使いの姿は月光を浴びて逆光にもなり、明確にはわからず、
何となくその輪郭が辿れるかといった具合だった。
時折、月光を反射してなのか鱗が神々しく光る。

召される気満々のエルフは、弱々しく片腕を空に向け―――

「でも死ぬ前に水だけはください…ほんと…。」

執念で最期の一言。

アッシェ > いや、炎竜は森にはいないと思うのだが。
いるとしたら火山とか火口とか暑苦しい場所にこそいてもおかしくない。
鱗が常時燃え盛りいるだけで暑苦しい筆頭?、それが炎竜と言う類。
大型の鳥の様な大きさで角が生えている小さな外見の竜は、見た目は兎も角中身は困っていた。

『キィキィ…キュイ? キッキィキィキィ』(天!? いや、なにゆうとんの??何か 酒臭い…)

(もしかして …)

竜の嗅覚が何かを エルフさんから発せられる独特の香りを捉える。
何と勘違いしているかは分からないが、エルフさんは水だけは欲しいらしいので、天は解らないけど、
竜は水魔法を竜の姿のままで出してみようと―然しついうっかりその量を間違え――

≪  ドプン  ≫

エルフの頭上に 大きい盥満載の様な量をなみなみと用意を仕出かし
ぐるぐると水球と化して宙に浮かせて具現化して見せた。が、エルフさんにどう渡すかは考えていなかった。

『キィ』(ほれ)

ノエル・ベネトー > 言ってみるものだ。
天の御使いが用意してくれた水が今、目の前にある。
あるにはあるけれど―――

「……うーん…素敵。
 でもこれ…頭突っ込んで飲む仕様ですかねえ…。」

すぐ傍にある噴水とどう違うのだろうか。
いや、きっと噴水は飲料水ではないから頭上の水球のほうがいいのだろう。
くらくらしているので、起き上がる所作もややぎこちない。
少し難儀して起きると、なぜか口より先に頭から入れてみようとトライしてみるのである。

頭の先を水球に触れさせた途端、水が頭頂部より流れて、頬を伝い、顎を滴る。
悪酔いしているので冷たさは気持ちいい。が。

「あ、これ飲むより先に溺死しますね…。」

ぽてり。今度はうつ伏せに倒れる。
だが命尽きたわけではなかった。
よりにもよって天の御使い(仮)に文句をば。

「ひどいですよ~!もっと飲みやすいやつくださいよ~…!」

アッシェ > 天の御使いではない ただの小さな竜(炎竜)。
用意したのが純硬水の…具現化したモデルの水が霊峰で取れるという水だった―味は保証する。多分。
噴水の水は色々と劣化しているだろう、飲むのには少々腹下しは覚悟しないとならない気がする。
その分 今しがた用意した急ごしらえの水球の水の方がまだマシ。

起き上がったエルフさん多少フラツイテいるが呑み始めたと。
うん、悪酔いしている気がする、水は多少飲んでいるようだが
其の内うつ伏せに倒れて転がった、文句が何とも。

『キィ…ええい。』

…鳴き声終了、あっさりと人の言葉を喋り始めて、
水球をそのままに、その場で水球の一部を冷やして固めて氷の器を作り
水球から水をその器に入れて うつ伏せに倒れたエルフさんの前に置いてみた。

『飲め。悪酔いエルフさんめ』

残りの水球は 噴水に投げ込んでなくしてしまおうと。
飛び散る水球 水滴 噴水がちょっとだけの間 荒れ狂う。

ノエル・ベネトー > どこかの宗教では崇め奉られているはずの種族、
竜に酔っ払いの世話をさせることになった。
――――といっても本人、頭上の影が竜であると気づいていない様子。

目の前で行われる魔法はおそらく高等なものなのだろう。
人間の言葉に再び顔を上げたエルフは、氷の器を受け取り、口をつける。
これでようやく気分がよくなってきた。
質の悪いアルコールに渇いていた喉が潤い、視界も安定してくる。

「―――――ぷは!
 ふい~……ごちそうさまです。」

一気飲み。
そして、改めて頭上を見上げた。

「………。」

そういえばさっき言葉を話していた気がする。
目を細めて、どんな生物か見極めようとした。
降りてくればわかるだろうが、そのまま飛び去ればその姿を目で追うしかない。

アッシェ > 何しにここに来たのだっけ???
…散策ですね確か。それが出会ったのが悪酔いのエルフさんだった。
その酔いを醒まさせるまでの世話をやってしまった。何の経験値が入ったのか。

(―――分からん…わぁ…!)

普通の魔法とは一寸手順を一括にして凝縮の高難度の術式をやったもの。
竜の姿できちんとできたのだから ヒトの姿ではもっと技巧の極みも出来た筈。
悪酔いエルフさんの様子が落ち着いてきた様だ。

頭上にぱたぱたと―丁度頭上―10m付近の所を飛んでいたが、
小さくても燃え盛る竜だった、それは くるくると旋回する様に飛んでいたが、
降りる事もなく ツィーっと翼を動かして 公園から飛び去って行った―

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 森林公園」からアッシェさんが去りました。
ノエル・ベネトー > 「………空飛ぶ…火?蛇?」

全て天の御使い―――ならぬ、竜のおかげだ。
意識と視覚がはっきりしてきたおかげで、その姿が何となく見えた。
しかしこれまで竜というものを見た経験がないので、それが鳥ではなく
何か出会ったこともない生き物だということしか――わからなかったが。

飛び去る竜の姿を、見えなくなるまで見送ったエルフは、帰り道かなりぼんやりしていたという。
もともと好奇心が強い性格。
アレが何だったのか、しばらく頭はそのことでいっぱいであった―――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 森林公園」からノエル・ベネトーさんが去りました。