2016/12/13 のログ
■ホウセン > 危うげに見える、然し欠片も危険ではない妖仙による夜間散歩。上等な呉服は、作りが開放的であるにも拘らず高い保温効果を持ち合わせているのか、子供じみた体が子供と同様の高い体温をしているのか、はたまた符術の類で暖を取っているのか。ともあれ、石造りの街路が底冷えをする真夜中となっても、足取りは快活そのもの。己の唇から吐いた紫煙を肩で切り、さっさと歩み進む。――一応は迷い人だというのに。
「ほれ、見た事か。儂の勘も上々じゃろう。」
放浪する事、四半時。一度詰め替えた煙草が殆ど終わりに差しかかった頃に、見覚えのある四つ角に辿り付く。此処まで来れば、逗留した宿は目と鼻の先。今宵は久方振りの一人寝になるかどうかの瀬戸際だが、試みに宿の従業員に見目麗しい女が居たのなら口説く位の抵抗はするだろう。果たして成果があったかは、未だ神のみぞ知る所…
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からホウセンさんが去りました。