2015/10/30 のログ
ご案内:「王都マグメール リンクス家」にオリエさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール リンクス家」にローラさんが現れました。
■オリエ > アドラー家は元々、リンクス家と同じように貴族の中でも没落貴族と呼ばれた部類にある。
親同士が傷を舐め合う様な交流を続けていたし、事実娘である私達もそれなりの交流を深めていた。
とはいえ、それも幼いころのこと。記憶には殆ど残っていない。
真っ赤な絨毯やテーブルクロス、豪華な嗜好品で取り繕ったオリエの部屋は、一見貴族らしいものではあれど、
その下地となる机や床は古い傷を残し、改修した跡は見られない。
壁一面に並ぶ本棚には使い古した古書や魔術書の類が鎮座し、少女の部屋と言うには少々堅い。
「……歌姫、ですか」
父の代から使われていたという、古傷が目に余る机。豪華な装飾も剥がれ落ち、
庶民の物と代わり映えのない天板の上には一枚の新聞記事が置かれていた。
可憐な歌姫だのなんだの、聞こえのいい言葉が並んだ紙面に、オリエは憎らしげな表情を彼女には見えないように浮かべ、
近くの椅子に腰掛けたまま、短くぼやいた。
没落貴族の娘という同じ立場ではあり、オリエ自身人並みならぬ努力をして、今の地位を向上させることに努めてはいるが、
こうしたお遊戯に似たやり方で人気を博している相手が気に食わなかった。
そんな相手と、親同士が勝手に決めた交流で自らの部屋に上げているのが余り気に食わない様子。
勿論相手にはそれを伺わせないように、逸らした顔を向ける頃には、取り繕った柔和な笑みを浮かべていて。
「随分苦労なさっているみたいですね、ローラさん」
■ローラ > 「ん……そんな事は……苦労と言う程の事もしていないわ」
今日は親しい筈の彼女の家にお呼ばれ。
「筈」と言うのは記憶が曖昧であるからで、確かそうであっただろうという記憶からであった。
通された彼女の部屋は少し前までの私の部屋のようで、他人の部屋のような気がしない。
椅子に腰掛け辺りを見回せば、時折目に入るそのアンティークな雰囲気に何だか居心地の良さすら感じてしまった。
机の傷を懐かしむように人差し指でつう……となぞって、小さく微笑む。
ふと彼女が話し掛けてくるならば、その思い出に浸る温かな雰囲気を忘れ去り、彼女との会話を楽しもうか。
首を左右に振ってはその言葉を静かに否定する。
事実、苦労や努力と言う程の事でも無かった。
好きな事を好きなだけ続ける。その結果が今の地位である。
今になって思えば辛いと感じる事の方が少なかったかもしれない。
彼女の笑みに合わせるよう、此方も柔らかく表情を崩しながら笑顔を見せれば自信に満ちた声色でそう言の葉を紡いでいく。
言葉の端にも表情にも、堂々たる感情が込められており……裏表ない心情をただ口にした。
■オリエ > 「ふふ……またまたご謙遜を。いいんですよ、一つのことに熱中するというのは並々ならぬ努力だったのでしょうし」
そうやって堂々と、答える彼女がやはりオリエには気に食わない。
地位を得たものというのは等しく傲慢であり、自分を誇示するものだというのが彼女の考え方だった。
しかし、ローラの言葉はまるで自己を否定されたような言葉。自身に満ちた声音がよりオリエの劣等感を強くさせる。
オリエ自身も、決して努力をしていないわけではない。
勉学に努め、古くから伝わる魔術書を読み漁り、その手の専門家を除けば他人の追随を許さない程卓越した物を手に入れている。
しかし、その努力むなしく特別な地位は手に入れられていない。
ちやほやされているであろう相手に対する嫉妬は、過去の記憶を忘れさせるほど大きなものだった。
「しかし、羨ましいですね。好きなものに没頭して、庶民や上流貴族にも媚を売れるんですもの。本当、羨ましい」
それでも取り繕う笑顔は貴族である故の虚勢。
そこから出る言葉はやや棘を含んでいたものの、この場で口論するつもりは勿論今のオリエは望んでいることでもなかった。
■ローラ > 「媚……!?」
思わず声に出してしまわずにはいられなかった。
媚を売っているつもり等毛頭無く、寧ろ自らの事を正当に評価して貰っているものだと理解していた。
それだけにその棘のある言葉は鋭く胸に刺さり、笑顔すら自らを馬鹿にしているようにすら思えてしまう。
目を大きく見開いて、突然何を言い出すのだとでも言うような表情。
久しくこんな表情を見せた事は無かったかもしれない。
何より自らの家の為に貢献もせず、ただ無為に時間を貪る彼女に言われる筋合いは無いと感じた。
売り言葉に買い言葉。反射的に棘を投げ返してしまう。
「ふふ。好きな事も無く、努力もせずに媚すら売れないような人間にはなりたくなかったから……ね?」
机に肘を掛け、頬杖をついて彼女をそっと見遣る。
相変わらず浮かべたままの笑顔。けれど瞳には一切の笑み無く……彼女の真意を読み取るようにその顔を見つめる。
彼女が今、何をしているのかは知らない。
けれど現状を見るに、きっと私とは違う存在なのだろう。
成功した相手に劣等感を抱き、努力もせずに妬み、その炎を胸の内に燃やす矮小な存在。
……来るんじゃなかった。そう思った。
小さな仕返しもしたし、面倒な事になる前に帰ってしまおう。
家に帰れば温かな家族と料理。そしてベッドが私を包み込んでくれる。
一晩経って、仕事に没頭すれば今日の出来事などすぐに忘れてしまうだろう。
そんな事を考えていれば、わざわざ仕返しの言葉を口にしたのも馬鹿らしくなって……少しだけ後悔した。
■オリエ > 「……へぇ」
どうやらオリエは、ローラを随分と高く評価しすぎていたらしい。
自身に溢れながらも、謙虚さを忘れない文字通り皆から愛される歌姫なのだと。
どうやら、勝ち気な性格までは治らなかったのか、此方を見遣る彼女に対し、浮かべた笑みを潜め、顔を俯けた。
ローラの評価は概ね正しく、妬みと劣等感に彼女の内心は染まっていた。
「貴女はいいですわよね。評価してくれる方が居るんですから」
「民衆が貴女の歌に釘付けになって、声援をもらえて……その成功に増長してしまうのも無理は無いかもしれません」
オリエが俯いた顔を上げる。彼女の望み通り、妬みと、劣等感を抱いた憎悪の表情。
眉根を潜め、血に染まったような紅色の瞳はその燃え上がる感情とは対照的に異様なまでの冷たさがあった。
椅子から立ち上がり、彼女の前へと緩い歩幅で詰め寄れば、値踏みする視線が彼女を見下ろした。
「貴女は、私のことを何も知らないんですね。ーーだからそんな態度が取れるんです」
「せっかくの御茶会も、どうやらここまでのよう……ですね」
白魚のような指先を伸ばせば、なんら躊躇をすること無く彼女の額へ宛てがった。
友人を笑いながら咎めるような軽い動作で額を小突く。ただ、それだけ。
それだけで、オリエにとっては十分だった。
人知れずに、彼女が学んできた魔術。その中で最も得意とする束縛の魔法。
触れた相手の身動きを封じる毒針でローラを穿つ。直ぐにでも全身を巡り硬直させる毒を盛ってやる。
口の過ぎたじゃじゃ馬にはお仕置きが必要だ、と。
■ローラ > 「そうやって卑屈になっていても何も始まらないじゃない……環境を変えたいなら自分から変わらないと…………っ!?」
僅かながらも、まだ包に隠されていた温かな声色も何処へやら。
繰り返し紡がれる言葉は酷く冷たく、まるで刃物のような印象すら覚える。
ふ……と面を上げた彼女の表情を見れば、背筋すら凍るような冷ややかな表情。
凍った炎のように、明らかな敵愾心を燃え上がらせる表情。
流石に言い過ぎてしまったかと、言葉の端を引き攣らせながら宥めようとするけれど……既に時は遅かった。
ゆっくりと静かに忍び寄る死神の足取り。
こつん。と小さく額を小突かれ、小さな衝撃に瞼を閉じ……開く。
その瞬間、世界が変わる。自分だけ空間に取り残されるような感覚。
時間が止まってしまったかのように、身体が動かない。
まるで彼女の冷炎に凍りづけられたかのように、身動きだけが取れないのだ。
……けれど、まだ身体の動きを封じられただけ。
仮にも彼女とは親しい間柄であった筈……命を取られるような事も無いだろう。
これは彼女なりの私へ対する仕返しなのかもしれない。
そう思えば心に余裕が生まれ、冷静に状況を見つめる事が出来た。
「も……もう。冗談は止めて頂戴?私も言い過ぎた。魔法の勉学を積んでいたのかしら……それなら直ぐに評価されるのは難しいわよね。ごめんなさい。」
彼女は彼女なりの努力をしていたのだ。
それなら私が発した言葉は彼女を傷つけたであろう。間違いなく。
自らの過ちを訂正し、関係の改善を図ろうとする。
一瞬は焦りを見せた表情にも再び笑顔を浮かべ、そう語りかける。
それでも未だ、額から滑り落ちる冷や汗は留まる事無く……。
違和感……そう。これが冗談では無いと言う事を、直感的に、本能的に理解してしまっている。
それを認めたくないだけだと言う事まで……思考は追いついてしまって……。
■オリエ > 「ええ…そうよね。自分から変わらないと。 ーーーわかってるわよ、そんなこと」
この期に及んで冷静な態度を浮かべるローラの余裕に嘲笑い、そして嫉妬に満ちた低い声色と共に態度が豹変する。
過ぎたことを水に流す、という精神を彼女は持ち合わせていない。
たった一度の小さなことでもオリエにとっては我慢のならぬこと。
その証拠に凍りついた表情も、火を見るより明らかな憎しみの様相に変わっていた。
優しく小突いた指は、身動きの取れない人形を相手にするかのように、柔らかな銀色の前髪を手櫛で梳いて、その根本から掴み掛かる。
無理矢理顔を上げさせ、嫉妬の篭った冷たい紅色が、怯えた碧色に迫る。
「これが冗談に見えますか…? 温室で育つと危機感も薄れてしまうのね……」
「いい勉強になりました。でも、だからといって…その過ぎた口には調教が必要…ですよね?」
前髪を持ち上げたまま、もう一方の掌が彼女の衣服越しに主張した女性の象徴を乱暴に掴んだ。
決して愛玩するわけでもなく、痛みを与える目的の五指は、豊かなその質量へ目いっぱいに沈め、形を拉げさせる。
一度も耳にしたことのない彼女の歌声を悲鳴という形で聞いてみたかったのだ。
どうせ、悲鳴の一つを上げた所で誰の助けも来やしない。
父は外出中。頼みの綱であるリンクス家の侍女も、既にオリエの手によって調教を加えた後。
態度は気に食わないが、歌姫という名の通り、彼女は素敵な美貌を持っている。
憎たらしいほどに。
だから、歪めてしまおうと、憎しみに篭った表情は恍惚に変わった。
■ローラ > 「ぁ゛……っ゛!?痛、ぁ……っ!」
ふと伸ばされたままのその指先。額から流れるように自らの髪を根本まで滑り、そのまま握られ、引き上げられれば痛みを伴いながら顔を上げさせられる。
味わった事の無いような苦痛に表情を歪めながら、突然の行為に動揺し、未だ何が起きているのか理解出来ないとでも言うように鈍い反応を見せる。
段々と現実を理解し、神経を痛みが支配すれば怯えた表情を彼女に向けてしまう。
しかし抵抗しようにも、手も足も動かす事が出来ない今の私は、彼女の人形として弄ばれる他無く。
ただ只管に痛みで頭の中を支配されながら、その行為が続けられるなら頭痛すら感じて。
続け様に今度は空いていたもう片方の手が、自らの胸元へと伸びた。
今度は何をするつもりなのだと、歪ませた表情。視線だけをその手の動きへと向けていれば、自らの丘を一分の優しさも無く掴まれて。
性的な目的として触れられるのでは無い、乱暴なその行為は苦痛を更に増し、瞳の端に光るものすら溜めてしまう。
けれど自ら許しを乞おうとはしない。
何故ならそれこそ彼女の求める事であろうと、そう考えているからだった。
「っ……ぅ、ぐ……ッ!ぁ……は……、……っ!」
きゅ……と口を真一文字に結ぶ。声を漏らさないよう、彼女の思惑に逆らうように反応を最小限に留めてみせる。
それでも耐え難い痛みに、吐息と共に苦悶の声を漏らしながら。
軽蔑し、侮蔑するような視線を彼女の顔に向ける。
言葉に想いを込め歌い、気持ちを伝える私にとって、暴力とは正反対の行為。
力で相手を屈服させるなど、絶対に認めてはいけない行為であるから。
拷問のような行為を加え、自らの反応を楽しもうとする彼女に対抗するよう……愉しげな表情を浮かべる彼女の顔。
それを不愉快なものにさせようとするのはせめてもの抵抗。
それでもつぅ……と、頬を伝って雫が顎先まで流れ落ち、もう何時までも耐えられるものでは無い事は自分も、そして何より彼女も理解してしまっているかもしれない。
■オリエ > 「あら……? 今度はごめんなさいって言わないんですね。ーー本当に強情……」
痛みを訴え、苦悶に歪んだ表情と言葉で愉悦に浸るのも最初だけ。
すぐに彼女が抵抗をしているとわかれば囁く甘い声色がまた、憎しみの篭った低いものに変わる。
鷲掴みにした胸を潰すように力を込め、引き千切ってしまうほどに乱暴に捏ね回す。
その弾力や柔らかさを愉しもうと言う余地は一切ない、自身へ対する態度を改めさせるための調教。
然しこれでは面白みにかけると、掴んだ髪を振り回すようにして、椅子から転がして絨毯の敷かれた床に彼女を組み伏せた。
背中から落ちる衝撃は、絨毯が敷いてあるとはいえ、鍛えていない彼女には十分な痛みになるだろう。
彼女の腹の上へ跨がり、冷たい視線が見下ろした。
掌には彼女の艶めかしい銀髪が数本絡みつき、それを払う間もなく、綺麗な歌声を作るその喉元を軽く締め付けた。
「知ってますか、ローラさん? 声帯って潰れてしまうと、変えは効かないとのことです」
「この首を締め付けて力を加えたら……だぁい好きな歌も、歌えなくなってしまうかもしれませんね?」
可哀想にと猫なで声を上げ、苦しむその様に喜悦の色を浮かべる。
徐々に、綺麗な首へと力を込め、指を喉へと沈めていく。
ローラの命乞いを待つように加減した力は、しかし返答をしなければ確実な力を加えていくだろう。
その暴力性を、躊躇の無さを、彼女はこの短い時間で実感している筈だ。
「ほら、命乞いするんですよ。できるでしょう、ローラ?」
嘲笑う表情に、似つかわしくない憎悪の篭った低い声。
勝ち気な態度を取るローラを屈服させようと凍った紅色には確かな熱が篭っていた。
■ローラ > 「……ッぅ、ぅ゛ぅ……あッ!かは、っ……げほ、げほッけほ!」
彼女の表情から仄かな笑みが消えるなら、良い気味だと言うように口端を釣り上げ無理矢理笑って見せる。
けれど、自らの膨らみを潰すような勢いで込められた力で伝えられる痛みは先程よりも強く、鈍い声を漏らして再び表情を曇らせた。
そのまま力任せに床へ叩き付けられれば、背中から伝わる圧迫感が肺を押し潰し、濁った咳を漏らして苦しそうな表情を見せながら悶える。
戦う為の鍛錬などした事も無い私は芋虫のように丸まって、床を転げればお腹の上へ馬乗りになる彼女。
それはまるで私を組み敷く事で優越感に浸っているように思えて、どれだけ小さな人間なのだと冷笑してしまう。
直後。私の首に絡み付く……蛇のように細い指先。
吊り下げられた縄のように、徐々に肌へ食い込むその指が、生と死の境を曖昧にしていく。
「誰……っが、ぁ……ぐ……かひゅ……ッ」
「ぁ……ひ、ッぅ……ひ……ッ苦……っおぇ゛っ……死……っ」
私が反抗的な態度を取り続けるなら、彼女は確実に制裁を加えるだろう。
間違いない、そう確信させるだけの凄みがあった。
呼吸が困難になり、意識が薄れていく。血流も鈍くなり、動かない手足に痺れと冷気を感じる。
反射的に身体が痙攣し、彼女の下で壊れかけの玩具のようにびく、びくっと小刻みに蠢く。
屈辱的ではあるが、歌を奪われるより。死ぬよりは良い。
歌を失った私など、死んだも同然なのだから。
そう決断しては、瞳の端に溜まった玉粒。更に膨れ上がらせて零しながら、搾り出すように彼女に乞う。
「けほ……っ!止、ぇ……っ゛ご、め……っ許……ッ!ごほ、っ゛!ごほ、げほっ!」
■オリエ > 「ーーふふ……あはは……ッ♪ そうそう、私が見たかったのは、貴女のそういう態度」
「ええ、勿論そこまで言われれば、私も許してあげなくもありません……しかし」
許すだなんて口にしては見せるものの、その表情は冷笑に混じり、冷めることのない憎悪に燃え盛っていた。
しかし、折角の声色を潰すのはオリエにとっても惜しいものだった。
このまま潰してしまい壊してしまうのも悪くはないと思案したものの、
より彼女に見合った調教をするために残してあげようと言うあまりにも利己的な慈愛。
喉を潰そうとした力を緩めて、死神の鎌は慈愛の女神のような指先で、頬を伝う涙を優しく拭う。
「ーーしかし、許してあげるには……今からすることに耐えてもらわないと。本当に謝りたいと、思うのなら」
「これくらい、簡単でしょう?」
女性一人の体重とはいえ、決して重くない重心を彼女の腹部へ預け、
涙を拭った指先をおとがいへ、赤く痕を残した喉元へ。
逆らえば、どうなるのか。それを意識させるように、奥に潜んだしこりを軽く押し込んでから、再び彼女の膨らみへ。
先ほど加えた力よりも緩い、愛玩する手つきで彼女の膨らみを拉げさせた。
小麦の生地を捏ね回す力加減で押し潰し、まずは具合を確かめる。
「お歌一筋だったんでしょう? ああ、でも…貴族様や王族様に媚びを売るときは、ここも…使ったのかしら?」
嘲笑する表情を浮かべ、指を膨らみへと食い込ませていく
。掌と指の間で、異質な気配を見せる彼女の先端を探りだすと、服越しに抓りあげて痛みを与えてしまおうか。
■ローラ > 「か、は……っけほッ、けほ……っぐ……ふー……っふー……」
漸く緩められた圧力から解放され、堰を切ったように乾いた咳を繰り返す。
それが収まれば深い呼吸を繰り返し、全身に生きる感触を取り戻していく。
生きる事に縋って繰り返し膨らむ胸部と腹部に、確かな圧力を未だに感じながらも当面の危機は脱して。
青ざめかけていた顔色にも赤みが戻り始めれば、未だ苦悶の表情は浮かべつつも少しは余裕も帰り始める。
しかし突如、今までとは違った感触。快感に近い感覚を胸から伝えられる。
抵抗しようにも、未だに動かぬ手足。加えて片手はまだ喉元に残され、生殺与奪権を握りしめたままの彼女に逆らう事など出来ず。
「ん……っ、ん……ッ!な……何の、つもり……?まさかそういう趣味が……ぁ゛ッ痛ッ!痛い痛いっ!」
苦痛に晒されるだけであったのに、不意に与えられた感覚に動揺を隠せない。
ひく、ひく……っと身体の端々を震わせながら、甘味混じりの声を漏らす。
羞恥に染まる自らの表情、隠すように背けながら……余裕が戻ったせいか、同性愛的な嗜好があるのかと半ば挑発気味に尋ねる。
けれど確実に与えられる快感に、身体の反応は隠せず彼女の手元に胸の先端まで熱っぽさと硬さを返してしまい。
しかしそれも束の間。その突起を潰すように抓り上げられるなら、感覚の激しい変化に表情歪ませて先程よりも強い拒否反応を見せる。
生死だけでなく、感覚まで彼女に都合良く操られ、悔しさに歯噛みして小刻みに震えて。
■オリエ > 「貴女に口答えする権利が…あると思っているんですか?」
「ーーまぁ、それもいいです。そっちの方が、調教のしがいがあるというもの」
反抗的な言葉遣いにより強く先端に与える痛みを強いものへと変えていく。
次第に余裕を失っていく様相が堪らなく心地の良いものだった。
気丈な相手の精神を揺さぶり屈服させていくのは甘美の至福。その興奮は織り柄へ変化を齎した。
高燃え上がるような金色の頭部から猫のような耳が生え、ローラの腿を擽る細かな毛髪が蛇のようにのたうち回った。
オリエの姿は見紛うことないミレー族の姿に変貌していた。
其れに気づいていないのか、ますます喜悦の桜色に染まるオリエの表情は、胸を捏ね回す掌をそのままに、互いの距離を縮め、後の残った首元へと唇を這わす。
ぬらりとした舌先が、彼女の喉元を擽り、艶めかしい色を灯した。
「けれどそう…ね。私は、汚らわしい男なんかよりも…貴女のような可愛らしい子の方が好きよ?」
「こんなにいい声で、啼いてくれるのですから」
胸の先端に与える力を緩め、どれだけの有様になってしまったかと、細い指がその円周をなぞり、尖ってしまった形を弛緩した指使いで刺激する。
耳元で甘く囁き、彼女の腹部へ載せた体重を浮かし、下腹部へと移動させ、もう一度密着させた。
そこに先とは違う違和感。
硬く滾った存在感を、ぐりっ…、と押し付ける。
凹凸のある歪な形。重たげな脈を打ち、それを伝えよう。
■ローラ > 「な……ッ!?その、耳……っ!?ひ、ぅ……っ!」
胸先から伝わる痛みを感じつつも、目の前に見せつけられた動物の耳。
瞬きをしても消える事の無いそれは、見間違いなどではない。現実である事を告げてくる。
それがミレー族のものである事は容易に理解出来、動揺を隠せない。
一体、何故。そんな事を考えていれば、首元へ迫る彼女の唇。
柔らかな感触に身を震わせ、細やかな快感味わってしまえばそれを引き延ばされるように、舌が喉元を這いまわる。
動揺している所に足元を掬われたような刺激。甘味混じりの声を溢れさせ、彼女から与えられる快感に逆らえない。
更に締め付けられていた胸の突起も、緩急を付けるように優しく刺激され……続け様に与えられる快感に強い快感を味わって、隠せない。
甘い声を更に漏らし、悶えるように身体の至る所を震わせながら彼女の都合の良いように遊ばれてしまう。
「な……これ、っ……!貴方……男……!?」
耳元で囁かれる言葉。その吐息すらも火照り始めた身体を刺激し、熱っぽさを増していく。
そんな状態で腹部へと押し付けられた違和感。
それが何であるかを理解するのに、そう時間は要さなかった。
怯えるように、震える声で恐る恐る尋ねる。
それを脈打つモノが応えるように震え、更にその存在感を確かなものへと変えていき。
ならばこの先の自分の運命まで理解してしまい、恐怖に顔を引き攣らせて。
「嫌……っ!や……ッ!やめ、て……っ!初めて……だから……っ!やだ、や……っ!」
一刻も早くこの場から逃げ去ろうとする。
しかし身動きも取れない今の状態。仮に動けたとしても、彼女に勝てるとは思えない。
度重なる行為に疲弊した心は脆くなり始め、貞操の危機に酷く怯えた反応を見せる。
表情を崩し、再び涙を零しかけながら懇願する。
どうかそれだけは許して欲しいとでも言うように、必死に抵抗を試みて。
■オリエ > (中断です)
ご案内:「王都マグメール リンクス家」からオリエさんが去りました。
■ローラ > (おやすみなさいっ)
ご案内:「王都マグメール リンクス家」からローラさんが去りました。