2023/07/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/料理店」にトロさんが現れました。
トロ > 貴族の邸宅が立ち並ぶ富裕地区には不釣り合いな、こじんまりとした建物がある。
こじんまり、と言っても平民地区ならば大きな酒場ほどの広さだ。

建物内の扉をいくつか抜けた先の部屋。円を描くように長椅子が6つ並べられている。同じ数だけ、小さな円を描く小さなテーブル達。
赤い服を纏った女は柔らかい長椅子に横たわり、枕を肘掛のようにして正面のテーブルに置かれたグラスを手に取った。
王国の南方、ロムルス地方ではこのように横たわって食事をするのだとか。
異なる点は長椅子と便宜上呼んだそれの大きさや素材が、この国ではベッドと称するものである、というところか。

こく、こくと喉を鳴らしてグラスを空にした女は目の焦点があっていないようだが、酩酊している様子はない。
女の後方に控えていた召使と思しき人間は一礼すると、グラスに酒精を注ぐ。
女――トロは退屈そうにしながら扉へと視線を向けた。

「……このままではまた、自家発電をしないといけませんね」

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/料理店」からトロさんが去りました。