2023/07/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 薔薇園」にレディ・レッドさんが現れました。
■レディ・レッド > 王都マグメール 富裕地区
真夜中の薔薇園の月は、やや膨らんだ三日月
川べりで浮かぶ船のような幅を見上げながら、夜の生き物であるドラキュリーナは薔薇園の石畳みの路
カツ コツ カツ 、とヒールの踵が鳴らす音が、存在を知らせるような傲慢な機婦人とは違う
月を邪魔しないように、静々としたもので触れた程度の音で立てる。
両の手は胸下 レースのストールが両腕を潜り、手元で手繰られたそれのまま
銀色の髪 赤い瞳 白い肌 口元から覗く鬼の歯ですら月明りを吸うように映す。
「好い夜だ。」
薔薇の甘い香り 静けさばかりが目立つシンとした娯楽性のない薔薇園
昼の鑑賞とは違い、夜は求めるべきものが薄い庭園内 一人で歩く静かな月夜は笑みを浮かばせる。
馬車も供連れもいない 貴婦人が一人、夜の薔薇園で出歩く行為。
危険性を含めれば褒めれたものでもないものの、静かな夜でも、危険な夜でも
彼女の種で言えば楽しめるだろうか
同種の知人がもし、いたとしたら 自身も訪れていればよかったと笑っていたかもしれない。
「テラスからもこんな一面が覗ければいいのに。
酒も刺激もないと、物足りないな。」
吐息交じりの女の声 中性的な口調ではやや浮く印象。
薔薇を繋げたループが連なる石畳の路に差し掛かりながら、薔薇の甘い香り降りてくるのを感じ取る。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 薔薇園」からレディ・レッドさんが去りました。