2023/07/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にレベリオさんが現れました。
■レベリオ > その貴族の邸宅を後にした時には、既に深夜を回っていた。
まだ話したりないという風情の老貴族に失礼にならない程度に挨拶をし、屋敷を出る。
いくら隠居している――ということになっていても、断り切れない誘いはある。
むしろ、隠居の身であるからこそ、定期的な招待は断らないようにしていた。
爪や牙で引き裂く以外にも、人のつながりというのは力だ。
それを望むと、望まざると。
「――話が長いものだな。ご老人は。」
独りごちながら、自分の邸宅に向けての路を歩く。
魔力で稼働する街灯があるが故に、灯りは必要ないのは助かる。
ランタンを持って歩くのは好きではない。
闇夜だろうとなんだろうと、見通せる目を持っているのならば尚更。
それにしても――と、先程まで参加していた“読書会”と称する自慢話の集まりを思い出す。
結局のところ、ホストである老貴族をおだてる会。
振る舞われる酒に酔う振りしかできない者ならば、尚更。
だから、一度、吐息を吐き出す。
次回の誘いが来たら、なんという口実で断ろうか、などと益体のない思考。
それだけを共に、たった独り、深夜の富裕地区を平民地区の方へ向けて歩いて。
■レベリオ > 街灯の下を歩く足音のない足取り。
それが闇色に溶け込むまではそれほど時間はかからなかっただろう。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からレベリオさんが去りました。