2023/06/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイナさんが現れました。
■ロイナ > 「うーん……相変わらずだなぁ」
富裕地区の路地裏。夜でも表に比べると更に薄暗い所で、2人の少女が密かに話をしている。
淫魔の少女と、その僕──ではないが、情報提供者としてこの辺りに潜む魔族。
報告を終えると、ロイナは少女を抱き寄せる。
お礼かのように暫し濃厚な口づけを交わした後、2人の影は離れた。
去っていく背を見送りながら、晴れた夜空を見上げ溜息をつくロイナ。
「ま、暇ではあるけど……ほんとにやることなくなったら国に帰ればいいし」
いいか。そんな緩い独り言をつぶやくと、のんびり歩き出す。
路地裏を出、表通りを平民地区の方角に向けて方向転換。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にイノンさんが現れました。
■イノン > ツヤツヤに輝く高そうな靴をコツコツと鳴らし、富裕地区を歩く少女。
ハンドバッグの取っ手を両手で掴んだまま上品な所作で歩いて行く。
王都に忍ばせた配下と連絡を取る手筈になっている。
城での任務を一通り終えたのでコンタクトを取ろうとしていたが。
「……もしもし、そちらの美しいお方。ロイナ様?ロイナ様ですか?」
どこか見覚えのあるシルエット、そして”同胞”の放つ香り。
貴女が方向転換した向きと逆方向から、若く澄んだ少女の声が貴女を呼ぶ。
貴女もまた、能力を発揮するまでもなく気づく事だろう。”同胞”である事へ。
「わたくしです。イノンでございます。夜分遅くまでお疲れ様でございます。
ロイナ様も本日は王都にいらっしゃったなんて、お会いできて嬉しいです」
■ロイナ > 王都で声をかけられることは珍しくもない。
その都度あしらったり、相手が素敵な女性であれば相手したりしていたのだが──
「……はい?」
名を呼ばれれば流石に立ち止まらざるを得ない。
振り返ると、ロングコートを身に着けた銀髪の女性が佇んでいる。
映える紫の瞳に視線が吸い寄せられる。見た顔だと気づき、ロイナは意外そうに瞬いた。
「イノン。あれ、こうして会って話すのは久々じゃない?」
笑いながら踵を返し、そのまま歩み寄っていく。
クラルエトルの現当主。彼女もまた王都で主に活動している──というだけあって、流石にロイナもよく知っているのだ。
■イノン > 少女が声をかけたのは、似たような手口で人間の領域を侵略する同胞。
同じく魔族である少女は淫魔に近しい性質の魔族に位置する。
お互いの領分は違いがあれども、共に魔族の国の為に日夜奮闘する存在だ。
そんな同胞に名を呼んでもらえたならば、少女はぱぁっと明るく笑って嬉しそうに頭を下げる。
「ああ、ロイナ様!ご無沙汰しております。
変わらずお元気で、そして以前お会いした時より更に美しくなられました。」
こちらを向き、近づいて来る美女は己よりも遥かに性的な魅力を放つセクシーな身体つきをしている。
少女は女の身ながらも、貴女には憧れを抱いていた。
「わたくしも、本国に籠もり切りでは部下にも示しがつきませんので。
ささやかながら、ロイナ様と同じくこうして人間の領域へ馳せ参じております」
丁寧な態度は決して崩さず。まるで貴女が憧れの大先輩であるような低身長な振る舞いを続ける。
お互いのターゲットは男と女と、まるで食い違っているのだがそれ故に食い合う事もない。
■ロイナ > 厳密に言えば、ロイナは特別意図して魔族の国の為に動いているわけでもないのだが……それはさておき。
ぺこぺこと頭を下げ、丁寧な態度を決して崩さない彼女に苦笑して片手を揺らす。
「堅っ苦しいな~。別にそこまで畏まる必要も無いのに。でもイノンも元気そうで良かった」
相手が主に男性を対象として活動していることはよく知っている。
故に手を出したり口を出したり、そういったことは今まで一切していない。
ある種、魔族の友人めいた形で関係を保っていた。
「部下にまかせっきりじゃ、収穫にも限りあるだろうからね。
あたしはまぁ、好き勝手ぶらついてるだけだけど」
■イノン > 親の厳しい躾けが災いしたか、かえって困惑させる結果となってしまったようだ。
相手がそのような振る舞いや堅苦しい関係を好んでいない事はもちろん理解はしている。
「これは申し訳ございません。魔王様にもお仕えする為、いかなる方にも失礼のないよう……。
ゴホン、ゴホン」
咳払いし、いったん堅苦しくなりすぎた自分の雰囲気をほぐし。
再びキラキラした目で貴女をまっすぐ見つめる。
「はい。仰る通りでございます。わたくしの調査が甘かったばかりに、派遣した配下がそのまま
帰らぬ者となる事さえありました。しばらく、情勢を直に把握出来ておりませんでしたので」
貴女が好き勝手ぶらついてる と本当に思った事を口にすれば「ご謙遜を」と。
愛想よくしていた少女は、不意にある事を思いつく。
「ロイナ様。突然で申し訳がないのですが。ロイナ様は人間の女性のストック……と申し上げましょうか。
捕まえたり、飼われている女性の方はいらっしゃいませんか?」
不意に、そんな事を聞いてみる。少女の役割を把握している貴女なら、恐らく
「余ってる女がいれば譲って」なんて話を持ち掛けられることは容易に想像がつくかもしれない。
何に使われるのかは、もちろん繁殖である。
渡してしまえば、たとえ返してもらったとしてもその頃には貴女と言えども愛でる気にもならない
壊れものになること必至だが……
「もちろん、ロイナ様の御気に入りをただの善意でお譲りいただきたいなどと申し上げるつもりは。
わたくしに出来る御礼でしたらなんなりと……」
■ロイナ > 「まぁ、それ自体は悪いことじゃないけど。あたしは魔王でもなんでもないし、もっと楽に振る舞ってくれていいよ」
いつも言ってるけど、なんて冗談めかし付け足すロイナ。
咳払いのち、輝くような瞳で此方を見つめてくるイノンの言葉に小さく頷いて…
「ふぅん。ま、王都も王都で危険なところは多いからな~。大丈夫だとは思うけど……イノンも無理はしないようにね」
さて、不意に問われた内容にロイナは瞬き、首を傾ぐ。
譲った女性がどんな目に遭うかは容易に想像できるし、此方としてはストックさえあれば何も問題なく差し出すことができるのだが──
誰かいただろうか。顎を撫でながら考える仕草。
「……魔族の国に、捕まえた人間の女性を繋いでおく場所はあるね。
あたしだけの所有じゃなくて、淫魔が共有する土地、みたいなところ。
そこに最近押し込んだ子が2、3人くらいいるから……1人取ってっていいよ」
だがお礼…と言われると迷ってしまう。ちらりとイノンの方を一瞥し、肩を竦めて。
「そうだな~……イノンの配下から、誰か可愛い女の子をひとりうちにくれたりしない?
最近、情報収集の仲間が一人減っちゃってどうしようか~なんて思ってたんだよね」
とまで言ったところで、にやり、と悪戯な微笑を浮かべる。
「あたしとしては、イノンと一晩ベッドで過ごしたいなーなんて望みでもいいけど…
ま、無理強いはするつもりないしね」
■イノン > 堅苦しさは承知の上だが、生来の言葉遣いともなれば今更砕けるのも難しく。
貴女の思っているような振る舞いが見られるとすれば、この女にも確実にあるであろう淫らなひと時か。
言い換えれば、そこまで行かない限りはきっとこのままなのだろう。
「わたくしはロイナ様とお話が出来て、とても気楽でございますよ。
人間たちよりも…………、美しくて……素敵な香りがいたします♪」
言葉遣いの話をされてるのだが、それは今更治せないことを自覚して、あえてズレた返事を行う。
にこやかに微笑んで、さらに一歩分の距離を詰めて愛想のよい笑顔を振りまく。
自らの身を案じる同胞には、そっと肩が触れる距離まで近づき「はい。お優しいロイナ様♪」と甘い声で応える。
―――肝心の取引。少女はこの答えがとても聞きたかった。
しばらく考える貴女に、ワクワクとした視線を向けていると、ついに口を開く。
一人とっていってかまわない。流石に人様の好みを何人もくれと食らい付く訳にはいかず、はにかんで喜ぶ。
一方で求められるものは…―――
「わたくしの……ですか?可愛い か否かは、ロイナ様の御眼鏡にかなうかは……。
この場で生返事をするのは容易ですが、ロイナ様を騙すような事はしたくありません。
……そうですね……」
ハンドバッグを片手にかけ、うーん… とその場で少し悩む。
貴女が考え込んでいたのとは違う要因だが。イノンは能力重視採用なので、貴女を満足させる娘がいるかはやや自信がない。
不意に、己の名を口にする貴女に「え…?」と思わず驚く。
その際、ちらちらと貴女の顔や豊満な乳房と尻、よく締まったウエストなどを眺めてじーっと考えに耽る。
「…………」
少女の中で、ある考えが浮かぶ。
この方は思えば純血の淫魔。精は流石に搾りようはないが、搾精の為に必要な道具の「源」としては申し分ない相手ではないか。
「……ああああああぁぁ……!!」
少女は不意に閃き、声をあげるとガバっと貴女の腕を掴み
「ロイナ様っ!わたくしでよろしければ、是非とも床を共にいたしましょう!!
さぞやお疲れと思われます、わたくしがマッサージでお身体をほぐして差し上げますので!ぜひっ!!」
急激に態度を変えた少女。
まさか、物々交換のつもりが自分を一晩売るだけで繁殖用の母体にくわえてもっと素敵なおつりがくるなどとは思いもよらず。
■ロイナ > 一歩距離を詰められた。にこやかに、何なら甘い声を出す彼女を見やり、ロイナもまたゆるゆると微笑む。
「そう? ま、淫魔として人間に美しさで負けるわけにいかないからなぁ」
稀に淫魔などの性を主食とする魔族をも超越する、淫らな人間を見かけることもあるのだが…
それは恐らくこのマグメール王国周辺だからこそ、だろう。
──取引の話を続けながら、此方の要求に対し考え込んでいる彼女の答えをじっと待つロイナ。
取り立てて色好い答えを期待していたわけではない。
イノンの配下には、この王都で活動する腕の良い諜報が多くいるのだろう。
うち1人でも頂けるのなら、かわいいか否かは二の次だった。
だが──冗談でつい口にした言葉に、少しの間をおいて激しく反応する彼女にびくっと肩が揺れる。
「ど、どうしたの…急に」
問うや否や手を掴まれる。
それなりの剣幕で己の冗談めいたお願いを了承し、あまつさえマッサージさえ提案してきたので面食らったように瞬いた。
「え、いいの?? マッサージはともかく……まぁ嬉しいけど。あたし遠慮しないよ??」
■イノン > 「わたくしもロイナ様のような美貌があれば、殿方を身一つで魅了出来たのですが。かないません」
貴女とさらに距離を近づけば、鼻腔を心地よい香りが刺激する。
魔族である己には呪いにも等しい魅了は効かないのだが、少女が自ら貴女に親しみを感じている故。
だが、頭の中は常に冴え渡っている。
現に、貴女との取引でも常に計算高さを発揮していたのだから。
「うーん……。一度ご覧に……」
少女の一方的な解釈としては、「可愛い子」という言葉から恐らく実務よりも性の御供としての
面を重視しているのだろうとばかり思い。
正直、貴女に差し出してもなんら失礼にあたらない者ばかりなのだが変に生真面目な少女は悩みこむ。
だが、斜め上の発想に辿り着くと、自ら同衾を積極的に願い出る。
「ええ、構いません!!ロイナ様、今夜わたくしはロイナ様の女となります……」
ぎゅ と貴女に抱き着き、その意気込みを身体で示して。
そして、耳元で真意を囁く。
「……ロイナ様。……畏れ多いのですが……”ロイナ様のおつゆ”、ほしいです……♡
たくさんください……♡わたくしも相当欲しがりですので、お覚悟を……♡」
貴女の愛液。それは今ある仕事道具や自らが使役する魔物に革命をもたらすかもしれない。
専門外ではあるが、貴女から「搾る」べく少女は目の色を変えて貴女を見つめる。
■ロイナ > 「ご謙遜を。イノンは十分可愛いよ」
先程の彼女の言い方をそのまま真似してみせ、ロイナは楽しそうに笑う。
魅了が効かないのはお互い様…というところだ。
流石に頭の中は覗きようもないので、彼女が何を考えているかはわからないものの…
「真面目だねぇ…相変わらず」
生真面目に考え込んでしまう様をにこにこと眺める。
聞きようによっては嫌味にも捉えられてしまう言葉だが、ロイナは純粋に感心する意で口にしていた。
さて。女性を相手にしているイメージが全くないイノン自らが同衾を願い出たことについては、
少々意外そうに首を傾いでいたロイナ。
だが抱きつかれ、囁かれる内容からその真意を理解すればニヤリと笑う。
「……成る程ねぇ。それなら納得…♡
望むなら、あたしのをいっぱいあげるよ。その代わり……イノンのもあたしにいっぱいちょうだい♡」
彼女とは目的こそ別だが、此方もまた淫魔。お互いの愛液を搾り合うという名目ならば、win-winと言えよう。
しっかり抱きしめ合って了解を得られたならば、約束というようにイノンの首筋にキスを一つ落とそうと。
■イノン > 「ああ、なんて嬉しいお言葉…!わたくし、自分を好きになります……」
かなりオーバーに喜びを見せる。それでも、少女は貴女には到底敵うまいと、
やはり貴女の豊満な身体には羨望の眼差しを向け続ける。
魅了抜きにしても、互いに「美しい」「可愛い」という言葉が出る辺り、淫魔の中でも
かなりの魅力を誇るのは間違いないだろう。
「いざ、逆に問われてみれば人を選ぶとなれば、かなり難しいものがあります」
苦笑いするのは、相手の立場然り、自分の優秀な部下を一人明け渡す事であったり、引き渡す者の思惑など。
魔族の世界なら上下関係や実力主義が徹底してるので命令一つで済むが、部下に対しても生真面目さは
例外でない故に、繁殖プラントの管理を若くして担っているのだろう。
そして、自らの思惑を明け透けに話せば、向こうも合点がいったようで双方の利害は一致。
淫魔らしい妖しい笑みが二つ揃う。
「ええ、ご理解いただけますと信じておりました……♡
もちろん、ロイナ様とのお約束ですので……♡」
夜明かりの下、ぎゅっと抱き着いて互いの温もりを堪能すれば、首筋に与えられる甘美な口づけに甘えた声をあげる。
「ロイナ様……♡ああ、早くロイナ様と一つになりたいです……♡
このような人間に溢れ返ったところ、早く立ち去って二人きりに……♡」
まるで性行為を執拗にせがむ恋人のようにねだる。
互いに意気投合したところで、転移術を発動すれば情交にうってつけの妖しい空間へと二人して消え、濃密で淫らな時間が始まるだろう。
■ロイナ > 「確かに難しいよね。知り合いの魔王とか、魔族の誰かとか。
部下配下の使い方を端から見てても、なかなか勉強になるなぁなんて思う」
魔族の国には多種多様な者がいる故に、配下や魔物の扱いもそれぞれだ。
物のように粗雑に扱う魔王いれば、まるで子供のように大切に扱う魔族もいる。
その中でも、生真面目に部下を扱っているイノンは相当マシな方なのだろう。
「あは♡ 甘えるイノンも可愛いよ…♡
行こ、早く。あたしも早くイノンと……♡」
恋人のようにねだってくる彼女が可愛らしく、ロイナの笑みも嬉しそうに蕩けていた。
転移術が発動し、2人の少女は固く抱き合ったまま妖しい空間に消えていく。
そこから先のことは、この2人のみぞ知ること───
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイノンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロイナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヨハンナさんが現れました。
■ヨハンナ > 夜の富裕地区。日が沈んだ後でも、街路には明かりが灯り、人々と馬車は行き交う。
そんな大通りをヨハンナは従者も付けず一人歩いていた。
「流石に…疲れましたね」
王城にて軍議を終えた帰り道である。
会議というのは、戦場とはまた違った気苦労が多い。
正直、身体を動かしているほうが自由を感じるかもしれない。
「馬車でも呼ぶべきでしたか…」
多くの貴族と同様、ヨハンナも富裕地区に、王都滞在の際に使う屋敷を持っている。
そう距離も離れていないため、馬車を用意するより己の足で歩こうかと思ったのだが…。
「…まぁ、王都の見回りとでも思いましょう」
見回りが必要なほど富裕地区に危険もなかろうが。