2023/02/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 とある邸宅の庭。パーティ会場。そこに男は紛れている。
 今回は仕事と言えば仕事だが、違うと言えば違う。今回の彼は知り合いの貴族との付き合いで参加している。
 とはいえ、目立たないように端の方にいる。積極的に真ん中に行かないのはある意味で貴族との付き合い方のひとつだった。

「……パーティ内容が内容だからな」

 ザックリと言えば今回のパーティ。表向きは普通のパーティだろう。だがよく見るとそれは表向きでしかないと知る。
 勿論、普通のパーティという側面もある。王族貴族は勿論、冒険者や普通の市民であっても参加できるのだから。
 しかしその一方で好色で有名な上級階級。場合によっては娼婦や高級娼婦まで紛れ込んでいる。中には明らかにそういう方法で取り入る為に送り込まれたであろう奴隷や姫まで見える。
 さらに言えばさっきから邸宅にペアで入っていく奴らが大勢いる。
 このパーティ。普通のパーティの皮を被っているがそういう相手を探す会場だ。
 こんな会場で真ん中で目立つ等魑魅魍魎の中に飛び込むのと同じだ。
 コネを繋ぐのは良いが政治競争に巻き込まれるのは御免な男は端で過ごす。

クレイ >  
 そもそも誘い文句の時点で少しだけ怪しいとは思っていた。
 なんでパーティに誘うのに”君みたいな野性的なタイプは少ないからね”なのだと思っていた。
 まぁ見栄え的な意味なのだろうかと軽く考えていたが、まさに文字通りの意味だったのだ。
 まさかの魑魅魍魎の坩堝にぶち込まれるとは誰が予想しただろうか。

「帰る……わけにはいかねぇよなぁ」

 一応は付き合いだ。そういう訳にもいかない。
 1番無難な逃げ方はそれこそ誰かを引っ掛けてさっさと部屋に逃げるだ。
 パーティの主旨からも外れていない、魑魅魍魎からも離れられる。それしかないと少し目を凝らす。
 目に付く人物はいるだろうか。

クレイ >  
「……」

 とはいえ、見た目では誰が蛇で誰が鬼かわからない。
 確実に安心できそうなのはそもそも部屋に連れ込むのが難しそう。
 こういう時、1番安全だと信頼出来る相手は今の所見えない。
 さて、どうしようか。
 いっその事知り合いの貴族にくっ付いていようか。
 そう思ってみれば。

「あの野郎……」

 一足先に相手捕まえて邸宅へ消えていく後ろ姿が見える。
 これで貴族にくっ付く作戦も失敗。
 難しい顔をして考えていた。