2022/12/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアライダさんが現れました。
アライダ > 護衛の仕事を終え、報酬を受け取って帰宅する女が一人。今回の仕事はなかなかボロいもので、しめたものだと喜んだのも束の間。女もまた突然の雨に打たれ、小走りに雨を避けようと走り、男と同じよう軒先の下へ駆け込んで。

「少し邪魔するよ…。ひどい雨で困るね」

先客に軽く挨拶をし。濡れた服がぺったりと肌に張り付くのが気持ち悪くて仕方ない。雨はまだ止まないのかと、空を見上げて。

イグナス > この状況では、おひとりさまも仕方なくはあるが。
やれやれ、どうしたものかと一人陰鬱に呻いていると。

「お。」

ぱちくり、まさかのご同輩だ。
駆け込む姿に驚くけれど、すぐに目を細めて、く、と笑って。

「いや、ほんとに。……まだ止みそうもねェからなあ。どうしたもんか。」

空のご機嫌をうかがうが、まだ、いまいちって様子だった。

アライダ > 「もう少し走れば、宿があるはずなんだけど……」

少しの間雨上がりを待つつもりが、随分と雨足は強く。
貴族から教えてもらった、それなりにしっかりした宿を当てこんでいたのだが、と、ため息をこぼして。

「ちょっと雨宿りするだけのつもりが、しばらく足止め食いそうだなぁ、これは……」

相手の方をチラリと眺めて、通りの向こうを指差し。

「思い切って突っ走るか?お兄さん。宿に着けばこっちのもんだ」

イグナス > 「おれの予定の宿ァ、ちっと遠いが。」

いやしかし、ぜいたくを言っている場合でも、ないかも。
どうも天気は余計に悪い、ざあざあが、じゃあじゃあ、って具合にはひどくなってきた。
ぐ、と天をねめつける表情が険しくなる。
隣の女の提案、出会ったばかりだが、申し出には一理があった。

「ん、ぐ。……そう、するかァ。背に腹はなんとやら、ってより、これじゃあキリがねえやな。」

それなら、行こうかと。彼女に合わせて足を踏み出す。
とりあえず目指す先は宿屋、走っていけば…いやそれでも、びしょぬれにはなろうが。

アライダ > 「その宿の場所、後で教えてもらっても? こっちの宿は、貴族サマのオススメで……。その、察せるだろ?」

安物の甲冑に古ぼけた剣を引っ提げた自分の身なりを見れば、裕福でないのは伝わるだろう。

軽いため息をこぼしたのち、二人で一緒に走り出し。
相手の体躯を見れば、そうやわに息をあげるような鍛え方はしていないだろうと推測してそれなりの速度で賭ける。おそらく着いてこれるだろう。

そうして走り、宿に着いたものの。
濡れ鼠の安装備女を前に、フロントマンは少し嫌そうな顔をしたのち、あっさりとドアを閉ざした。

「……ちょっ、おい!」

慌ててドアをノックするも、開くことはなく。少しばかり広くなった軒先で、難しい顔をすることになり。

「……さっきの宿の話だが、少しは近づいたか?」

ため息混じりの声で相手に尋ねた。

イグナス > 「このあたりの宿だからな、そう安宿ってほどでもねェけども。」

はて、彼女が泊まれる程度であるか。
ともあれまずは強行軍、ひとつめの宿へとたどり着いたが――

「………、さて。もうちょっとだとは思うが。」

どうも、一件目は外れも外れ、大外れだったようだ。
横目で見やる女の姿が、なんとも気の毒にすら思えた。腕を組んで、心算。
ちょっとの間をおいて。

「ま、いいだろ。安い宿でもねえが、俺の部屋でよけりゃ泊めてやるよ。
 ほら、行くぞ。」

もうここまで来たら半分ヤケだ。次へと走り出す。
目的の宿は案外近くて……ぬれねずみには違いないが、たどり着けた。

アライダ > 貴族からの紹介状も、土砂降りの中でインクが滲み紙もふやけてしまっていた。フロントマンに出しても、変な顔をされただけだっただろう。蜜蝋を押してもらうんだったと悔やんでも時遅く。

全身完全に濡れ鼠になったが、男の目的の宿に辿り着く。
手持ちの金は、さっきもらったばかりの報酬だけだ。

「助かるよ……。こんな格好で一晩過ごしたらあっという間に身体を壊す……」

相手の申し出に、ありがたく乗らせてもらうことにして、相手の後ろについて宿に入り。

イグナス > とりあえずこちらの宿は大丈夫な様子だった。なにせ金はもう払ってある。
フロントマンからタオルを受け取って、彼女のほうにも、ほら、と。

「気持ちはわかるし、ここで放り投げるのも目覚めが悪ィからな。
 困ったときはお互い様だ。」

笑いながら部屋のほうへ。…やはりそれなりの宿のよう。
調度品は不足なく問題なく、どちらかといえばこの地区の富裕層の客人向けか。
そんな部屋を問題もなしに追加で泊まらせる心算で、でもにんまりと笑う。

「とはいえだ、親切心だけじゃつまらんだろ、なあ。」

なんて、問いかける。つまりは下心である。それもここまで来て隠すつもりもない様子で。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアライダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアライダさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイグナスさんが去りました。
アライダ > 相手の誘いに、断る理由もなければ同意して。
濡れた身体を乾かして温めることができるのであれば構わないと、部屋についていっただろうと——。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアライダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイナさんが現れました。
ロイナ > 「まぁ良くも悪くも、昔から変わらないよねぇ」

富裕地区、とある豪邸の塀に腰掛けて淫魔は夜空を眺めたり、辺りを見渡したり。
相変わらず今日も自由気ままに過ごしていた。

割と昔からこの王都をうろついていたけれど、人々の性質は良い意味でも悪い意味でも変化は無い。
勿論忙しなく移り変わるのもそれはそれで困りものだが…

「さてさて」

暇なこの身、何か興味を惹くものは周りになかろうか。
少女は塀の上で器用に立ち上がり、腰に手を当てて視線を彷徨わせる。
チューブトップに押し込められたはちきれそうな程豊満な乳房が存在を主張している…

ロイナ > 「う~ん………」

運が悪いのかそれとも。
特別変わった様子もなくて、淫魔は結局元の通り塀にまた腰掛けた。
両脚を暇そうにぶらぶらと揺らしながら、ひやりと冷たい夜風も厭わず鼻歌を口ずさむ。

傍から見れば、露出の高い恰好をした少女が一人過ごしているようにしか見えないだろう。
勿論、見るだけで魔族と喝破できる者であれば別だが…