2022/07/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 地下酒場 「隠れ家 夜の帳」」にアウル・リブライアンさんが現れました。
■アウル・リブライアン > 地下の酒場の一つ 隠れ家的な外観は店外の様子は伺えず
地下の中で形作られたバーカウンターといくつかのテーブル席のみ。
歌姫も、手品師もいない ゆっくりと酒精を手に夜を過ごす以外は、利用価値のない 夜の生き物たちにとっての場所。
店内も明りは強すぎず暗すぎずのもの。
魔女は、夜の暇を持て余す時間 書物とコーヒー以外の時間を求めて、ひっそりとやってきていた。
首にはかわいがっている、青い蛇の使い魔が主の首筋に一巻きし、残りの部位を体に巻き付けて体温を分けられている。
魔女はそんな使い魔が、首筋に埋もれていようと、顔を時折出してはÝ字の舌先をちろりとのぞかせ、匂いを嗅いで周囲を伺う。
そんな使い魔の好きにさせながら、林檎の蒸留酒である【赤いブランデー】を傍に置き、テーブルソファの一つを利用していた。
利用客は疎ら それぞれ思い思いに過ごす分、一人でソファにくつろいで本を広げていても何ら問題はない。
満席の人気な店に比べ、一人気ままに過ごせるのが、こういった店の類の利点だろうか。
唇と舌を湿らせる程度の赤いブランデーを傾けては、手元では書物のページを、その木の指先で器用に捲りあげている。
本の内容は、こういった場所なのだ なんということはない文庫本のようなもの。
今は書物が並ぶ空間とは、違った空気を吸いに来たことが分かる。
使い魔の蛇は、時折首を伸ばして赤いブランデーに舌先を浸したり、読んでいるのか、主足る魔女と同じ目線で書物の文字を追っている。
そんな様子とともに、グラスの置かれる音 小さな談笑 今が夜のどのあたりの時間か
昼と夜の空間を示す時刻版は時間は刻まれず、長針だけの張りがゆっくりと夜の半ばを指示していた。
魔女は、一度その秒針を半目の、閉じ切らない瞼で視線をやるとグラスの柄の部分を、器用に木製の削り取られたような手の形
指関節が存在しないそれで持ち上げ、ゆっくりゆっくり、グラスを傾けた。
「今日は、静かな夜ね。」
独り言か、使い魔に呟いたのか。
表の人通りも今夜は少なめだ。
故の空気を語るのか 魔女はグラスの中の赤い蒸留酒を眺めて。