2022/07/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 富裕地区のとある喫茶店のテラス席に。
一人腰かけて紅茶を飲んでいる太った男がいる。
照らすと言っても、此処は中庭の様になっており、外からは見えない。
席は幾つもあるが、今、此処にいるのは彼のみだった。

「さて……久々にこの"顔"にコンタクトを取る者が現れるとはな」

彼には、複数の顔がある。
貴族、奴隷商人、美術商、行商人、魔王、コレクターなどなど。
そして、その中の一つに、情報屋というものがある。
複数の顔を持つ中で得た情報を、有効活用するために生み出した"顔"だったが――あまり熱心に宣伝していなかったので、あまり客が来る事は無かった顔だ。

「どの様な人間が来るのかね――」

この喫茶店は、貸し切りにしているとクライアントには伝えてある。
だから、此処に来るのは自分の客だけだ。
彼は、その客を待っていた。

ロブーム > 情報屋としての宣伝文句は、ずばり『どんな情報でも必ず見つけ出す』というものである。
例えそれが王族貴族の後ろ暗い秘密でも、或いは飼っている犬猫が行方不明になったというものでさえ。
どんなものでも、正確な情報を手に入れるのが、彼の売りである。

だが、それが逆に胡散臭く思えたのだろう。
今の所、情報屋としての己に声をかけるものは少ない。

「――が、故にこそか」

故にこそ、面白い。
動機はともかく、そういうものに踏み込む勇気は、鑑賞に値すると思う。
故に、彼は待っている。
今日の客を――彼を楽しませてくれるはずの、相手を

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロブームさんが去りました。