2022/07/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にミリヤさんが現れました。
■ミリヤ > 「あっ、いらっしゃいませ。
いつものお薬ですね? はーい、ちゃんと持ってきてますよ」
富裕地区の住宅街の中。
噴水を中心に開けた広場の片隅で、道行く人々に声を掛ける少女が一人。
鞄を片手に薬を売りながら、暑い日差しにも負けない素敵な笑顔を振りまいている。
その様子に薬を買う客もちらほらと。
笑顔は変わらず、しかしその視線は何かを探す様に揺蕩っている。
少女はこうして薬を売り歩きながら、
自身の欲を満たしてくれる“獲物”を探し歩いていた。
気に入った娘、または女性でも表れてくれるならば、
すぐにでもその精気を奪おうと、その肌を桃色に染めることだろう。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にレイリエさんが現れました。
■レイリエ > 昼下がりの噴水広場に響き渡る朗らかな少女の呼び声。
その様子にふと足を止めたのは、金の髪と長い耳を持ったエルフの女が一人。
声のする方へと視線を遣れば、広場の片隅で笑顔を振り撒く少女の姿と、
彼女から何かの入った包みを購入して去って行く人々の姿が目に映って。
「―――………お薬………?」
聞こえて来る言葉とその様子から、少女が何かしらの薬の類を売っているであろう事を察すると、
女自身も魔法薬の類を取り扱うが故の好奇心からか、その詳細を伺い見ようとするように。
広場の片隅に佇む少女と、その周囲に出来た人だかりの方へと足を進めてゆく。
■ミリヤ > 「ふぅ……。
今日もそこそこの売り上げっと……」
獲物を探しながらも薬売りとしての仕事はしっかり熟す。
商人としては愛想だけが少女の取柄であり、
その爛漫さを求めて集う客も少なくはない。
用意していた薬の半分は売れてしまい、ここらで休憩でもしようかと思ったその時だ。
掃けていく人だかりの向こうから、金髪の女性が此方へ歩み寄ってくるのが見える。
金髪で美人。肌も白く、耳を見ればエルフだと気付く。
身体つきも少女の好みを刺激する物であり──。
少女の瞳は此方へ歩む“獲物”をまじまじと見つめ、その清楚な笑みを深めた。
彼女が己の前へ辿り着くならば、下から覗き込むように女性を見上げ、上目遣いで声を掛ける。
「お姉さん、お買い物ですか?
どんな怪我や病気にも効く、お薬売ってるんですけど……お一ついかがですか?」
■レイリエ > 少女の朗らかな声と愛想の良さも手伝ってか、薬を求めて出来上がった人だかりが時間を掛けて落ち着いた頃。
残ったのは件の少女と、その様子を伺っていたエルフの女の姿のみとなって。
やがて彼女がエルフの女の存在を認め、じっと此方を見詰める視線を受け止めては、
花が咲く様に浮かんだ少女の笑顔に応えるように、小さく頭を下げながら会釈をひとつ差し向ける。
「こんにちは。………いえ、私はただ…偶然通りがかっただけで………。
ですが、そうですね………ひとついただこうかしら………?」
そうして、浮かべられた笑みと共に商品を勧められたならばエルフの女は小さく頷いて。
お幾らでしょうか?と尋ねながら、肩から掛けた少し大きめの鞄の中を探り始める。
その中からは、少女の取り扱う品と似たような薬の包みや、幾つもの魔法具の類などが姿を覗かせていて―――
■ミリヤ > 「そうなんですね。
ふふっ、偶然……そうですか、でも丁度よかったです」
少女にとってはとても良き偶然であり、無垢な笑顔を浮かべていた少女が一瞬だけ、
邪気を孕んだ表情を見せ、それは瞬き程の一瞬の内に再び幼気な笑顔へ戻る。
彼女の手が漁る鞄へ視線を向けてみれば、
ほんのりと薬品の香りが鼻腔を燻ぶり、
彼女もまた自身と同じく薬学に精通している者だと気付く。
「あら、お姉さんもお薬作っているんですね?
ここで会えたのも何かの縁ですし、良かったらタダでお渡ししますよ?」
ニコッとはにかみながら、彼女の手を掴む。
自身の両手でその白い肌を包み込み、己の胸元へと持っていけば小さな声で言う。
「その代り、少しだけ私に付き合ってもらえませんか?
これからお得意様のところに配達に行かなければいけなくて、
薬の数も多くて一人で運ぶのが少し大変なんですよね」
少女の足元には大量の薬品の瓶が詰まったカゴが置かれている。
それを配達するのも少女の仕事なのだが、それはもちろん口実であり──。
実際は彼女を人気のないところまで連れていくのが目的である。
■レイリエ > 鞄の中へと視線を投げ掛けていた一瞬、目の前の少女が浮かべた表情の変化には気が付く事が出来なくて。
女がその視線を戻した頃には、変わらず花の咲いたような幼気な少女の笑顔があるばかり。
「はい………魔法薬と、それから魔法具の製作を少々………。
すると矢張り、此方で売られているお薬は貴女が作られたものなのですか………?」
少女から投げ掛けられた問い掛けに答えると共に、
女もまた浮かんでいた疑問を少女の方へと投げ返し。
けれども不意に、己の手を掴みながら告げられた少女の提言に女は戸惑いの色を露にして。
「えっ?ですが、流石にタダという訳には………。
は、はい………そういう事でしたら、私で良ければお手伝いしますけれど………。
ですがそれとは別に、お代はちゃんと支払いますわ?」
少女の足元に置かれた大量の薬瓶の詰まった籠へと視線を投げ掛けて。
事実、少女にとっては少々重そうに映る其れを、唯の口実などとは疑う気配は欠片も見せず、
薬瓶の一部を受け取りながら、少女の案内に従う侭に人気の少ない方へとエルフの女は足を進めて行くだろうか。
■ミリヤ > 「魔法薬。それならお話は合いそうですね。
そうですよ。ここにある薬は全部、私が調合した薬です」
此方の邪な表情には一切気付くこともなく、
まったく疑いの目すら向けない彼女に少女は心の中で悪戯な笑みを浮かべる。
この綺麗な肌を色欲で塗らし、
快感に溺れた姿を晒す彼女を想像するとそれだけで興奮が込み上げてくる。
流石にこんなところで淫魔の魔力を漏らすわけにはいかないので、
自身の興奮をなんとかギリギリで抑え──。
「ありがとうございます。
流石に私一人だと重たくて……助かります。
お代は後でも良いので、“たっぷり”と頂きますね?」
清楚な表情がやや崩れ、少女は息を荒げながら言葉を紡ぐ。
カゴを持ってくれる彼女の真っ白な腕を引き、広場から外れた脇道へと彼女を連れていき──。
その後、二人を見た者は居らず。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からミリヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からレイリエさんが去りました。