2022/07/02 のログ
■竜胆 > ―――ぱらり、ぱらり、と紙が捲れる音が、静かな公園の中に響き渡る。
静か、と云うには語弊があるだろうか、何故ならば、公園には盛り合っている男女がいるから、だ。
人目を気にせずにキスをしあうカップルがいるし、その辺の草むらでは交尾に耽っているのも、いる。
ただ、そんな男女を気にすることもなく、唯々、少女は書物を開き、捲っている。
異空間と言って良いのだろう、少女の周囲には人は居らず、唯々ベンチで腰を掻けて本を読んでいるだけなのだから。
そんな時間に、終焉が近づいてきた。
誰かが近づいてくる気配がある、気温を調節している半径は、少女の結界とも言える空間だ。
だからこそ、其処に誰かが入ってくれば、少女の方に近づいてくるならば、それを認識することは容易いのだ。
唯々、無視を決め込もうと考えてもいたのだ、どうせ通りがかりだ、と思っていたのだから。
声を掛けられて、書物から視線をあげると、金色の竜眼は自分の前に立つ女性を見つける。
シェンヤン風の服装に身を包んだ女性。
柔らかな笑みを浮かべている彼女は―――彼女も異種族なのだろう、自分のようなハーフではなさそうだ。
体格などがぼやけて見えるのは、彼女が何らかの術を使っている者なのだろう。
竜の目で見るからには、魔術ではなく、魔力ではない別の力だと言う事までは看破しているのだが。
竜胆の知らぬ術体系故に、正確に把握しきる事が出来ない、知識が足りてなければ、看破などは出来ない物なのだ。
だから、顔立ちだけ、理解できた。
「ええ、どうぞ。構いませんわ。」
知らぬ術を使う相手、友好的に声をかけてくるならば、礼を失しない相手であれば別に少女は故無く喚くタイプではないのだ。
許可を求め、座ろうというのならば、公共の場だ、どうぞ、と白い掌で、隣を指して見せる。
じろじろと見るのは、と言うのもあるが、少しばかり興味も沸いた故に、掌に有った魔導書を閉じて、本棚にしまうかのように突き出した。
すると、空間が撓んで、魔導書は中空の中に融けて消えて行った。
その掌を戻しながら、視線は、目の前の女性に固定された儘で。
「他にもベンチがありましたのに、何故?」
純粋な好奇心から、コトン、と首をかしげつつ、少女は隣に座るだろう女性に問いを投げた。
■スイ > 仕事柄、聴覚も視覚も鋭敏になっている。
この暗さでも公園の至る所で馬鍬う恋人達の姿は見えるし、はしたない声なども耳に入ってくる。
ここはそういうスポットとして人気なのかもしれない。
富裕地区だというのに、いや……富裕地区だからこそなのだろうか。
しかし、そんな場でも気にすることなく読み物に耽る少女を心の中で感心し、
逆に何故こんなところで本を読んでいるのだろうという疑問も浮かぶ。
それを少女へ直接訪ねる程野暮な性格はしていないため、とりあえずその疑問は飲み込むとして。
「ありがとう。それじゃ、失礼して……」
少女の許可を貰えれば、少し汚れたガウンをお尻の下に敷き、ベンチにチョコンと腰を掛けた。
尻尾の形状から見るに、竜の血でも混じっているのだろうか。
あまりジロジロ見つめるのも失礼に当たるので、一度だけ少女を見てから視線を空へと移す。
夜風に長髪が靡き、頬を撫ぜる感触に瞳を細める。
何故だろう。
凄く心地良く感じて、気を抜けば微睡みに浸ってしまいそうだ。
さっきまで汗が滲んでいた肌も、今ではすっかり乾いて過ごしやすい。
「……んー、なんでだろう? たまたま視界に映ったから……かな?
ほら、“こういう場所”で一人ってのも、なんだか寂しいし……」
少女の持っていた書物が謎の空間にしまわれていくのを見詰め、
少し驚いた顔を浮かべながらその問いかけに答える。
偶々視界に映り、ベンチが空いていたからここを選んだ。
一人で座っているのも場違い感が凄いし、それで言うならば目の前の少女もそうなのだろうけれど。
■竜胆 > 近づいてきた女性、彼女の姿がはっきりしてくる。先程見えていた其れとは、似ても似つかない姿だった。
金の竜眼を軽く細め、そして、桜色の唇から小さく唸る声が零れる。
「――――む。」
目を瞬き、もう一度目の前から、隣に腰を掛けようとする人物を見た。やはり、最初に見た物とは違った。
魔導書に惑わされたか、と考えを巡らせた。
魔導書と言う物はそう言う物だ。力のない者を破滅に導く書物。
今回、学ぼうとしていた魔導書は、今まで自分が取得しているものではない、系統が違うのも、要因の一つにあったのだろう。
幻術に関する魔導書、シェンヤンからの流れてきたものでもあり、其れに宛てられたのだろう。
幻術を習得するための技術は、自分に知らず、幻を見せる暴走を行っていた模様。
本を閉じ、それを家に戻したため、竜胆の魔力が正常に流れ、彼女の正確な姿が見えたのだ。
自分を見る瞳は興味深そうに、自分の体を、尻尾や角を見ていた。
そう言う好奇の視線には慣れているのだ。不快に思うかどうかは、また別として。
「それは、貴女が?私が?どちらの事を、言っているのでしょう。」
寂しいという言葉、それを軽く摘まむ様に、少女は問う。
隣に腰を掛ける人物は、動きやすい服装をしているが、その仕立ては悪くはなさそうだ。
自分のような一般人ではない、とその所作、佇まいが示しているのもある。
だからこそ、『本物』かどうか、確認するために、言葉遊びめいて問いかけてみる。
彼女が貴い家の方なのか、それとも、自分の様に、お金があるだけの平民なのか。
竜胆にとっては、そのどちらでも構わない、そもそも、人間の爵位に興味が薄い。
単なる、魔術師としての知りたがり、のような物なのだから。
あともう一つ。
――――その答えで、どうなるのかが、決まるものも、有るだろう。
■スイ > 隣から刺さる視線にくすぐったさを覚えるが、
こんなところで声を掛ければ警戒してもおかしくはないか。
そんな見当違いな解釈でくすぐったさを紛らわせた。
まさか彼女が魔導書によって幻覚を見せられていたとは露知らず。
投げ掛けられた言葉には一瞬言葉を詰まらせる。
「……どちらかと言えば僕の方かな?
さっきまで賑やかだったから、急に一人になると心細くなるでしょ?」
首を傾げながら答える。
やはりその顔には緩やかな笑みが浮かんでおり、
その真っ赤な唇から洩れる声色はどこか軽やかだった。
灯りに照らされる女の頬はやや赤色に染まっており、
それは照れている様にも酒気を帯びている様にも見えるか。
口調は砕いているけれど、声のトーンや雰囲気には隠し切れない気品が滲み出ており、
目に鋭い物であるならば此方の素性も見抜かれてしまうかもしれない。
■竜胆 > 魔導書に関しては、もう忘れよう。今、隣にいる彼女に対しては、会話などもしているのだし。
彼女自身が幻術の産物でないことは、存在感がしっかりしている事もあるから。
興味が沸いているというのも、大きな理由だった。
「ふぅん……?そうですのね。
この場所は、常時こんな感じですし、別の場所からいらしたのですわね。」
この場所は――まあ一応静かな場所と言える。
本当にそうかと問いかければ、首をかしげざるを得ない位の、甘い声に、肌を打つ音なのだけども。
酒場などそう言った場所から比べれば、とても静かな場所だ。
酒場と断定したのは、竜の鼻に、酒の匂いを感じたのが一つ。
もう一つは、この時間で静かではない所と云えば、数が限られる、そのうち一つは酒場だからだ。
彼女自身、飲んでなかったとしても、酒が振る舞われる場所に居たのならば、酒精の臭いは少々なりとも服に付く。
それを嗅ぎ分けられる程度には、人間外の感覚があるのだった。
「ふふ、それで、人との関わり合いが恋しくなって、わたくしに、声を掛けたと言う事ですのね?
もしかして。
わたくし、口説かれてます?」
竜胆自身、無知と言うわけでもないし、此処がどういう所かも知っているから。
彼女の意図を確定するための問いかけもしておく。
ほんのりと頬を染めた笑みを浮かべている彼女は、快活な魅力と言う物を持っている。
自分が一人だったから、と言うのもあるのだろう。
少女も、口元を吊り上げて、彼女に笑みを浮かべて。
ちろり、と舌を出して見せる。
「わたくし、女ですし―――あと、そう言う趣味の方は、痛い目を、見てしまう方が多いのですわ?
其れで宜しければ、と申しましょう。」
悪戯小僧の様に、小悪魔のように、楽し気に問いかけて見せた。
嫌がってはいないし、寧ろ、誘うように身を寄せてみる。
どう、しますか?優しく、甘く、耳元で、囁いた。
■スイ > 「へぇ、僕も食後の運動でお散歩してただけだから……
ほんとに偶々だったんだけど」
少女の嗅覚は確か。
女は数杯であったが、酒を飲んでいた。
メインは食事であり、酔うほど飲んでいたわけではないが。
頬に赤みを帯びるくらいには、火照りも感じていた。
彼女にその香りを気付かれているとも知らず、
女は常に緩やかな笑みを浮かべ続け、次に掛けられる言葉にもクスッと笑みを漏らしながら答える。
「……まあ、人肌恋しくないって言ったら嘘になる。
一人は寂しいって今言ったばかりだし……口説いてる、様にも見えちゃうかな?」
首を傾げてわざとらしく体を揺らしてみせる。
口説いたつもりはないが、この場でこの状況ならそう取られてもおかしくはない。
人肌が恋しいってのも確かであるわけで。
少女も笑ってくれるなら女の笑みも深まっていき、口元から覗く舌先に視線を奪われて。
「痛い目、見せてくれるの……?
僕、女の子としか寝たことないからなぁ……」
身を寄せる彼女に頬は更に赤くなっていき、
身体にも程よい熱を感じ始めた。
耳元で囁かれる誘いの言葉。
小悪魔的で可愛らしいそのお誘いを、断る理由なんて見つかるわけもなく──。
「……今夜は寂しいからさ、僕に痛い目見せてよ」
なんて照れ笑いを浮かべながら告げて。
■竜胆 > 「この周囲に住んでいる方ではありませんわね?ふふ。」
この公園は―――否、この公園だけに非ず。富裕地区の公園の大半は、出会い系スポット。
こういう事を目的とした人が集まる場所なのだ。
男性同士でも、女性同士でも、異性でも、ありとあらゆる性が集まり、馬鍬う場所。
知っているならば、彼女の言葉は出てこないのだろう、そう考えられる。
だからこそ、少女は唇を吊り上げて、ふふ、ともう一度笑って見せるのだった。
ほんのりのお酒の匂いを纏っているのも、良い匂いに、拍車をかけているようで。
紅く染まった顔で笑う美人の笑顔は、とても蠱惑的に見えるモノだった。
「ええ、ええ。公園の中では、特に。」
そもそも、声をかけて隣に座るという時点で、そう言う目的と思われて仕方あるまい。
彼女の言葉は、この場所にそぐわないからこそ、楽しくて。
まあ、少女自身も別段そう言う気分でもなかった、唯々、家の中では無い所で、書物を開きたかっただけだ。
体を揺らす彼女に、甘く顔を寄せて、此処はそう言う場所ですもの、と解説するように。
「あら、あら。
では、純粋な方、なのですわね?」
女性しか、と言う彼女、普通に考えれば、同性愛など秘すべき事であるだろうけれど。
彼女はそれが日常となるくらいには、当然と思う位には、経験がある模様。
この国だからこその常識でもあるけれども。
ただ、彼女の言葉で、成程、とこくんと頷いて見せて。
ほんのりと温かい彼女の体、胸元に手を寄せて顔を寄せ、その首筋に、唇を寄せる。
かぷ、と甘く噛みついて、すこしだけ、牙で、首の皮をぷつ、と破る。
まるで、吸血鬼が、血を吸うかのように。
直ぐに舌で舐めて唾液を縫って、止血をするのだけども。
それから、彼女の唇に、人差し指を。
「それなら、もう少し、確りと考えた方が宜しいかと思いますわ。
わたくしには。」
そう、言いながら彼女の手を取り、己のスカートの下腹部へ。
スカートの上からでも触れればわかるだろう、男の印。
良性があると言う事、彼女の初めてを、そんな行きずりの相手で、失って良いのか、と。
「被虐の趣味と―――覚悟があるならば。」
何時でも、貫きますけど?なんて、再度。
■スイ > 「あぁ、うん。自宅は平民地区だよ」
この辺は仕事で訪れるか、付き合いで訪れるかくらいの頻度でしか来ない。
まさかそんな淫猥な場所だったとは予想外であり、公園に入った時から呆気に取られていた。
つまり自分も相手を探す人間の一人として見られていたわけだが、今この状況では否定もできないか。
「あはは、そっかぁ。
でもまあ、こうして知らない人と出会ってお話するのも悪くないよね。
僕も誰かと関わるのが嫌いってわけでもないからさ……
たとえば成り行きでそうなったとしても、それもまた楽しみの一つでしょ?」
少女が楽しそうにしてくれるのを見て。
女もまた楽しそうに笑みを含めながら問う。
こういう場所だからこその勢いか、それともやはり少し酒に酔っているのか。
少女の方から見る女の顔には多少の色香が混じっている様にも見えたかもしれない。
「男の人、苦手でさ。
ずっと女の人に囲まれて育ったから……」
男性と接することができないわけではないが、どうも警戒してしまう部分がある。
二十年近く過ごしてきた環境が環境なだけに仕方ないと言えば仕方ないのだが。
男から受ける視線の数々にも苦手意識はあった。
そんなことを話しながら彼女が更にこちらへと近づいてくれば、息を飲み込むように黙り込む。
酒気を帯びた熱っぽい体へ手が触れて、頸筋へと唇が触れて。
皮膚にチクッとした痛みを感じればビクッと体を揺らし、上擦った吐息が漏れる。
嫌悪感はなく、その痛みにすら甘美な気持ちを抱いてしまう。
「……っ、これは、その……えっと……」
手が触れた箇所。
そこにある男性器にやや不安の色が表情に現れる。
もう一度確認するように視線を彼女の顔へ向ければ酷く紅潮した顔で頷き──。
「……どうせ引き返せない。僕だってもう、熱くて堪らないんだ」
切なげに震える声。瞳に浮かべた涙が彼女の心を無意識の内に煽っていた。
羽織っていたガウンを脱ぎ、綺麗に畳んで隣に置いた。
ごくりと唾を飲み、緊張した様子で彼女の言葉を待つ。
■竜胆 > 「不思議、ですわね?こちらで住んでいても可笑しくはない方だと思いますけど。」
彼女は、貴族なのだろう事は、何となくわかっているのだけれども。
平民地区に住まうというのはアンバランスだ、と言って、貴族程よく判らない者はいないのも確か。
そう言う趣味嗜好で住むのもいるのだろうし、そう考えて、それ以上の追及を止める。
自分たちの様に、お金があるからと、富裕地区に住まう平民もいるのだし。
そう言う事なのだろうと、考えた結果。
「ええ、心得違いをしているような人でなければ、歓迎ですわ。
わたくしも、出会い自体は、関わり自体は―――疎んでいる訳でもありませんし。
もう、ナンパ師の言い回しにしか、聞こえませんわ。」
ころころと、掌で口元を隠しながら笑って見せて、本当に女泣かせなナンパ師ではないので?
なんて、冗談交じりに問いかけて見せよう。
明るい酒は、彼女の様に口が回るのは良い酒の飲み方だと思いながら。
軽いやり取りを、心地よく感じていて。
「ええ。ええ。
判りますわ、私の家も、女系なので。
うちの家の男性って、家令長くらいでしょうかね。」
彼女の言葉に、顎に人差し指を当てて思い出しつつ伝える少女、自分の父親の事を忘れてるようで、父親は屹度泣いていい。
男性に必要以上に警戒してしまう、その思いに関しては自分も判る、と頷いて見せる。
彼女と同じく、女性に対しての性欲を強く見せてしまうのだから、と。
首筋を舐めて、身を寄せて、そっと乳房を触れ合わせつつ。
彼女のお尻を撫でながら、彼女の掌に触れているそれを、肉棒を固くしていく。
触れて気が付いて、そして―――
不安にかげる彼女の表情、気が付いたのだろう。
そして、嫌って居る物を、牡の象徴を、受け入れられるのかと聞いたことに。
「無理をせず、引き返すことは、大事な事ですわ。
しかし。
これを見て、尚と言うなら。」
自分を見て、覚悟を決めようとする彼女、諫める様に言葉を放った後に。
ガウンを脱いでいく姿を眺めながら。
少女は己のスカートをずらし、下着を捲る。
大きくなっていき、固く鳴る肉棒は並みの男性を超えた、肉の塊。
小柄な女性の手の関節迄あろうかと思われる大きさの肉棒は、初めてであり、純粋な同性愛者には、恐怖しか無かろうそれ。
「竜胆・トゥルネソルと申しますわ。
わたくしは、人間ではありませんし、これは、子を為す精子が出るモノです。
するならば、私は、貴女を孕ませるつもりで、本気で、抱きますわ。」
乳房の所までそそり立つ肉棒を、見せつけながら。
彼女に、自分の名前を伝える。
初めてを奪うならば、行きずりでは悲しかろう、と。
奪った相手の名前程度は、知っていたほうがいいだろう、と。
■スイ > 「そ、そうかな?」
別に隠しているわけではないのだが、一応家出の身。
それに言葉や身体を交えるのに身分は関係ないってのが女の考え方であり、
自ら己の素性を話すことは滅多にない。
貴族とは言っても王都からは遠く離れた地の人間。
ここまで遠方へと身を寄せれば平民と大差ないだろうし。
「人とおしゃべりするの楽しいもんね。
色んなこと知れるしさ、君みたいに異種族の友達なんかもできたりしてさ。
ナンパなんてしたことないよー? されることは度々あるけどさ……」
笑う彼女に釣られて此方も鈴の音の様な笑み声を漏らす。
今夜は偶々場所が場所だけに自分からナンパしたかのように見えなくもないのがまた面白い。
偶にはこういう日があっても悪くはないと、女は夜の雰囲気に飲まれながら思う。
「家が女性ばっかりだとどうしても接する機会も減るし、
男の人は怖いって教えられて育ったからね。先入観はなかなか抜けないよ」
その分、女性に対してそういう目を向けてしまうのも分からなくはない。
無意識ではあるが、己を慰める時の妄想も相手はいつだって女性なのだから──。
臀部を撫でられれば十分に反応を示し、
しかしそんな刺激よりも己の手が触れる陰茎の衝撃の方が強い。
己の手の中で硬くなっていく肉棒に、恐怖心ともう一つ。
お腹の奥が熱くなるような欲情をその瞳に宿す。
これが容姿も男性であるならば恐怖で逃げ出していたかもしれないが、
彼女の姿は己と同じ同性だ。
種族によってはそういう者もいると理解はしていたし、
いざその相手を前にしたとき、自身はどうするのだろうという興味もあった。
結果的に受け入れる覚悟はできた。
首を静かに頷かせ、彼女の言葉に耳を傾ける。
「ん、大丈夫……。
僕は平気、だから……」
下着の隙間から現れたそれに目を丸くさせる。
これが自分の中に入るのか。そう思うとやはり不安はあるが、同時に期待もしている様で。
下腹部の辺りがキュンキュンと熱を吐き出している。
スカートの上からでは分からないかもしれないが、秘所はしっかりと彼女のモノを受け入れる準備を始めており、下着にはぬるりとした湿り気を感じる。
「竜胆……僕はクリミア・スイドール。
スイで、いいよ……?
ん、うん……全部、預けるから……はやく、僕を……」
彼女の名前を聞けば此方も自身の名前を告げる。
その後に続く言葉にも今更拒んだり逃げようだなんてことはせず、
自ら彼女に擦り寄り首を深く縦に振った。
■竜胆 > 「ええ、立ち居振る舞い等をを見ると……ね?」
疑問に思っただけで、少女はそれ以上は問いかけようとしない。
彼女の事を知っているわけではないのだ、だからこそ。彼女から言うのでなければ、無理に聞かない。
彼女の出自に関しては、少女にとっても、如何でも良いこと、である。
「ええ、ええ。
自分にはない知見や、知識、会話するだけでも、そう言った物を吸収できるでしょう。
竜を友人に、と?」
異種族を友人にと言う言葉に、へぇ?と、金色の瞳を細めて問いかける。
竜族は、総じてプライドが高いのだ、対等だと、思っているの、と言わんばかりに、少女の周囲に圧が。
それ以上は無かった、ナンパの方に話がシフトをして、其方に乗る事にした。
今は、彼女を脅したり、攻撃したりするべきではないな、と考えたから、だ。
「本当に、ナンパをしたことないのかしら?
その割には、距離の詰め方も、話しかけ方も、慣れてるように、見えたのに。」
にまぁ、と悪戯な笑みを浮かべながら、本当にナンパしたことないのですか?と聞いて見せる。
彼女の事を知らないから、問いかける、知ろうと、理解しよう、とする。
彼女に興味を持っている、と言う証左でもあるのだった。
「男性は、ええ、怖いですわ。
だって、こう、下半身でしかものを考えてないでしょうし。
それに、責任だって、取らないのが殆ど、やって、征服して、飽きたらポイ。
そんなのが、多い。」
その辺りは、屹度彼女と同じなのだ、家には女性が多く、触れあうのも女性。
ただし、竜胆には男性器がある、両性。女性的な感覚は在ろうとも、男性とも言える。
だから、判るところはあるし、判らない所も、有る。
彼女ほど、陰茎に関しての恐怖心は薄く、逆に陰茎での生殖の感覚があるから。
自分の肉棒を恐怖の目で見る様子、その恐怖を知るから。
彼女の欲望、本能で求める事も―――わかるのだ、自分にも、女性器があるから。
だから今は、直ぐに手を出さずに、見守る。
純粋な男性とは違うのだ、と。
「――――ええ、承りましたわ、スイ。」
覚悟を決めた彼女、求める事を望んだからこそ。
少女はこくりと頷いて、名乗りを聞いて、彼女の愛称を。
そっと近づく相手、おいで、とばかりに両手を開き、招き入れる。
ベンチに座っているのだし、お互いを見て愛し合える、対面座位がいいだろう。
「貴女を預かりますわ、そして、初めてを、いただいて、私を、刻み込んであげます。」
すり寄る彼女、しかして、先端で彼女の秘所の入り口をなぞる様に擦り上げる。
濡れて零れる彼女の愛液を己の先端に塗して入りやすくするように。
先端を入り口に押し付けながら、ゆっくり、焦らし、慣らすように先端を躍らせて。
抱きしめて、顔を寄せ、スイの唇を奪うように、重ねて。
時間をかけて彼女の入り口を解して、挿入に耐えられるように。
■スイ > 「んー、多分気のせいだと思うよ?」
自身の立ち振る舞いに実家での暮らしが染みついてしまっているのはわかっていた。
特に食事を取る時の作法や、目上の人間と話すときの態度など。
その辺を指摘される度にこうして誤魔化している。
幸いにもそれ以上は聞かれなかったので、この話は終わりにするとして。
「知らない誰かと話す度に、知らないことがまだまだ山ほどあるんだなーって。
そう思えたらラッキーだなって、僕は思うんだ。
……あっ、今のは言葉のあやというか。僕の知り合いにも何人か人間じゃないお友達もいるからさ」
彼女の圧の掛かった声に、自分と友達になるのは嫌かな?なんて少しだけ残念そうな気持ちを抱くが、それを表情には出さず。
特に気にすることもなく、笑顔を崩さないままで。
「あはは、そうかなぁ……?
本当にナンパなんて、したことないんだけど……」
悪戯な笑みに苦笑を漏らしながら答える。
人見知りはしない方。
自ら誰かに話し掛けることだって時折あるし、
何よりも実家を出てからの数年間は一人で生きてきたのだ。
性格の面では控えめでも、誰にも頼れない環境下では順応していくしかない。
これは女が生きていくために得てきたコミュニケーション能力と言っても過言ではない。
「僕もそう教えられてきた。
だから、男の人とは怖くてできないかも。
実際、誘われたことがないから何とも言えないけどね」
食わず嫌いと言えばそうかもしれない。
しかし、20年余りもそうやって生きてきた考え方ってのはなかなか変わる物ではなく。
両性の異種族を前にしても恐怖以外の感情を抱けることには自分でも驚いている様だが。
子宮の奥から溢れる蜜が下着を濡らし、股下を濡らしている。
よくよく考えればここは野外であり、周りにも人は居るのだが、
そんなことを気にしている余裕もない様だ。
「ん、優しくなんてしなくていい……。
“ナンパ”をしたのは僕だから……君の良い様にして」
両手を開く彼女の懐へその身を寄せる。
じゅんと疼いた秘所を隠していた下着を脱ぎ去り、丈の長いスカートを捲り上げた。
少しだけ毛の茂った恥丘は汗と蜜で濡れぼそり、その下でヒクヒクと蠢く陰唇はいやらしく艶めいている。
「僕の初めて……っ、忘れられないくらい……気持ち良くしてほしい」
息を乱しながら彼女に身を任せる。
陰茎の先端が割れ目をなぞれば上擦った声を漏らし、膣内から溢れる粘液が陰茎を濡らしていく。
擦られる度に響く水音に表情が揺らぎ、瞬きをした瞬間──唇が奪われた。
こちらからも少女の体を強く抱き、焦らす様な動きに腰がヒクヒクと動いてしまう。
「……竜胆っ、もう、がまんできない……
奥があつくて、くるしい……はやく、いれて?」
無自覚にも彼女の嗜虐心を煽る様におねだりをする。
自ら腰を前後に動かし、彼女の先端を己の秘所に擦り付けた。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」からスイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」から竜胆さんが去りました。