2022/07/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 静かな公園、夜の公園、そこは、逢瀬を望む男女が良く集まる。
夜闇に包まれ、人知れずに出会う事の出来る時間と場所だから、公園の木々が、逢瀬を隠してくれるから。
マグメールの公園と言うのは、そう言う物なのだろう、恋人と来るのも良し、恋人を求めてくるのも、良し。
そんな公園のベンチに、魔術の明かりを灯しながら、一人静かに書物を開く少女がいる。
その少女は、燃えるような紅い髪を持ち、その背中に、漆黒の竜鱗に包まれた翼を持った、人竜。
竜の特徴は、その翼だけではなく、頭部の側面、米神の辺りから後ろに伸びる竜の角。
それに、スカートの下からだらんと垂れている竜の尾も、有る。
竜の特徴が此処そこにある少女は、唯々静かにベンチに腰を掛けている。
誰かを待っているようにも、ただ、一人でいるようにも、見えるだろう。
少女の金色の瞳は、手元で開かれている書物に落とされていて、その周囲は―――何故か、この夏の熱さを忘れられるぐらいに涼しい。
「―――――…………。」
涼しく、快適な状況であるのだろうけれど、少女に近づく人が少ないのは恐らくは、これ見よがしな竜の部分。
人間至上主義であろうこの国であれば、ハーフと言えど、近づきがたくもなるのだろう。
それだけではなく、竜胆自身の雰囲気もある。
商人に詳しい人物であれば、この国有数の豪商のトゥルネソル商会の次女と判るだろう。
さらに、竜胆個人を知るのであれば、トゥルネソルの中でも、最も激情家で短気な少女だと知って居るだろう。
竜が直ぐにカッとなると知れば、近寄りがたくも有るか。
だから、少女の周囲から少し離れて観察する人もいるのだろう。
それを気にしてか気にしてないのか、視線は本に向けられたまま、少女は静かにベンチに。
時折、近くを通る人物だけ、少女の周囲が気温も涼しく湿度も少ない、とても心地の良い場所だと気が付ける筈。
それは、この少女の、竜としての力だが、魔術と思っても仕方ない所になるか。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/閑静な公園」にスイさんが現れました。
■スイ > 仕事終わり。
所属しているギルドの仲間に食事へ誘われて、楽し気な夜を過ごした帰り。
食後の散歩がてら人々で賑わう大通りから風に誘われるように公園へ訪れる。
この辺は未開の地。ちょっとした冒険の気分に酔いしれながら、夜空を見上げて公園内を遊歩する。
周りを見渡せば人目も気にせず抱き合う男女達。
来る場所を間違えたかと、女は頬を掻きながら自分の居場所を探す。
紫の混じった長髪を揺らし、その淡い桃色の瞳をキョロキョロと回し。
さすればその薄暗さの先で一際目立つ灯りを見つける。
目を凝らしてみればそこがベンチだと気づき、そこに一人の少女が座っているのが見える。
そのベンチには彼女以外の姿は見当たらない。
ベンチの端に腰を掛ける程度であれば彼女の邪魔にはならないだろうか。
女は涼し気な夜風に表情を緩めながらベンチへと歩み寄っていく。
その姿が近づけば、スカートの下から覗く竜の尻尾も視界に映る。
この街は色々な種族が居るから大して驚くこともなく、だから歩みを止めることもしない。
やがて少女の一歩手前まで辿り着けば、柔らかな微笑を浮かべて声を掛ける。
「お隣、座ってもいいかな?」
金色の瞳を真っ直ぐ見詰めて、ベンチの空いているスペースを指差しながら問い掛けた。
読書中みたいだし、彼女が嫌がる様であれば大人しく公園から去ろう。
許しを貰えるならば、この涼し気な夜を竜の人と共に楽しむとしよう。