2021/12/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 カフェ バーバレラ」にアウル・リブライアンさんが現れました。
■アウル・リブライアン > 富裕地区に備わる木造建築のカフェ
店内にはいろいろなものが木造であり、壁 棚 テーブルに至るまで
木々で建てられた店内はまるで巨木の中をくりぬいて作られたかのようにすら思えてしまう
木々の中に何かを建てるというものは、絵物語ではポピュラーなものである
しかしこの王都においてで言えば、有名な建築家でなければ上質な混合疑似土でもない
木製が多く、皿は焼き物ではなく木彫り
まるでエルフの里の中に入り込んでいるかのような中は居心地がいいほうだろう
逆に考えてみれば、余計な湿度 余計な土の匂い そして余計な虫
これらを省いて余計に香らない木々の中というものはストレスがなかった
そんな風変わりなカフェの中に、アウルは一人でソファ席の一つ
隅のほうを借りては、メニューから割高なほうである豆挽のコーヒーを時折口元に運ぶ
カップですら、手彫りし、磨いたような木製のもの
コーヒーカップの形をした木製品の黒々とした中身をゆっくりと傾けると
苦い味と香ばしさがアウルの口の中から抜け、鼻腔へ泳いだ
「……。」
静かに呼吸をするとコーヒーの余韻
音もなく、息をするのすら少しばかり楽しいのがコーヒーだろうか
そんなアウルの手元には、掌で隠れる程度の代物
鈍い光沢の銀 ミスリル製のタロットカードで何かしらを試していたらしい
テーブルには積みなおされたカードから2枚引かれている。
混ぜている間に念じていた内容はといえば、アウル以外に知る者はいない。
■アウル・リブライアン > 大アルカナ22枚から 正(1)逆(2)位置
■アウル・リブライアン > [2d21→4+19=23]
■アウル・リブライアン > タロット内容は0~21番構成される計22枚
引いたカードは3番の女帝 そして18番の月
多くの実りを得る切っ掛けになりえる女帝と、逆に正位置は遠慮したいほうだろう月のカード
ミスリルを使用することで、アウル自身の魔力に馴染んでいるカードの答え
二枚によるタロット占いの結果は結局のところ 女と月
月の明かりの中 誰もいない夜の時間 窯の中身を煮詰めて成す
自分勝手とよく言われがちな魔女を示すには、なんともらしいカードが来ている
アウルはなんていうことはない 今ここでコーヒーを飲みながら書物を読むこともいいものの
この店に次に入店するのは、一体誰か?
身近な出来事をタロットを用いることで、今のカードの具合を確かめていただけである
「一人コーヒータイムを継続とか?」
そして魔女はここにもいる。
コツコツ、とカードを指先でたたけば、季節柄首元で魔女の体温を奪い続ける青蛇の使い魔が顔を出す
シーシュルシュル 蛇の、舌を伸ばしながら鳴く独特な声。
それに対し、アウルは首筋を撫で。
「忘れていないわよ。」
青蛇とは会話は成立しているように、愛蛇の小さな抗議に沿う会話をした。
アウルの視線の先は二枚のカード 正逆位置はといえば―――。 [2d2→2+2=4]
■アウル・リブライアン > 女帝 月 両方とも逆位置だったカード
女帝は実り多い事柄とは逆にわがまま 優柔不断など
嫉妬や不満を見せるカードであり、月は逆に夜明けが近いことを示すいい事柄になる
「……不満や嫉妬から解放され、進むべき道が見えてくる?」
現在手が止まってしまっている解読や翻訳もなく
煮詰めていく予定の薬にも引っかかる要素はない
況して、一人でいる時間のほうが多いアウルのような、読書好きの魔女
それがもたらす周りへの不満など、なにがあるだろう
そして解放され夜明けが近く 誤解は解け不満は解消されるなど
「……?」
コーヒーを片手に、次の来店する客を占っているはずが
まるで自分自身への回答のようにされてしまい、少し首を傾げるアウル
愛蛇はといえば、頬に頭をこすりつけながらコーヒーでぬくもった体
その体温に身を当ててきている。
「貴方はどう思う?」
この場でいる唯一の異性にそう聞いてみるものの、女帝と月の逆向き
逆向き=アウル カードの切っ先が自身を指し示していると説き、アウルも自身に
無事な左腕の指先を己の顔へと向けて確認した。
「……解放、ね。」
まるで欲求不満な女の末路ではないかと
少し納得がいかないものの、月を手に取ると鼻で フッ と小さく息づき
その二枚をタロットの山札へと戻したのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 カフェ バーバレラ」にバーニィさんが現れました。
■バーニィ > 女冒険者達に噂で聞いた富裕地区に洒落たカフェがあるらしいと聞いて、人と行くよりも一人で行ってみようと思い立ち、訪れた店。
入り口からして普段訪れる層の店とは異なる。
ふぅんっと、呟いてから、木のぬくもりを感じる扉のノブに手をかけ押していく。
チリン─チリン─
と、静かな店内に小さく響くのは扉につけられた鈴の音。
店内を見渡せば絵物語化エルフの里の中のように柔らかな木で作られた店内にほぅと一息つき、外の冷たい空気をこれ以上中に入らないようにと後ろ手に扉を閉めつつ、どこに座ろうか、はたまた店員の案内でもあるかと、軽く視線を滑らせる長身の女が相手から見えるだろう。
■アウル・リブライアン > どちらにしろ、自身を示しているのでは、と使い魔がそう言うのであれば
アウルは自身に対する答えなのだろうと納得してコーヒーを啜る
暖かい熱がまだ消えないまま、コーヒーの香りと味 黒いままのそれで味わっていると
入店のドアベル 誰かこのタイミングで来たらしい
「あら、来たみたいだけれど?」
愛蛇にそうささやきかければ、女帝と月 月は魔女と示すのなら
そこにはやはり同性がいた上に、なかなか強い体を持つ主のようだと、褐色肌を見やった
アウルが手元に畳んでいたレンズを広げ、耳にかけると強い体 褐色肌
戦士のカードでも来ていれば当てはまりそうな者
黒いスーツに肩に羽織っているだけのコートゆえに、調べ事や観察
そういった魔女の眼にはシルエットが浮かびやすいようだった
フッと目があえば、魔女は自然と目を逸らす
逆位置の理由まではこの時点では出ていなかったものの、クスリと蛇に笑いかけるまま
右の義手とは違う左手の指先で、蛇と戯れるままにコーヒーを飲みほした。
「ふぅ。」
目の前のタロットカードの具合も悪くないようだと、結果に満足する
確定ではなく あいまいな表現からどう捉えるかなのだから、占いのカードとはそんなものなのだろう。
自己満足 そんな魔女の中 一人だけで完結させたことで栞を挟んでいたままの書物を開きなおし
一人コーヒーのおかわりはどうしようかなどと思いながら、手書きで記されている一点物へと目を走らせる。
■バーニィ > 後ろ手で扉を閉めれば、冷たい風のかわりに店内の穏やかな温かさが体を包む。
ふぅと、一息漏らしたところで店内を見まわした視線。
見えたのは紫の髪のローブ姿の女性とほんの一瞬重なり合う視線。
視線を外されればなんとなくもったいなく感じながらとりあえず一歩足を進める。
女性がレンズをかけ下へと視線を落とせば、やはり目を引く相手に惹かれるようにそちらへと足を進めていく。
自身も相手を観察すれば、左手で蛇と戯れながらも珈琲を飲み干す相手。
さらに興味を惹かれてさらに相手へと近づき、テーブルの前に立つと、そこで足を止め。
「読書中、申し訳ないのだけど、ご一緒してもいいかな?」
真紅の切れ長の瞳で相手を見つめながらハスキーな声で読書中の相手へと囁き、どこか楽し気な笑みを向けた。
■アウル・リブライアン > 薄紫の髪 月明り色のフードローブ
そんな姿が視界に入れられているとはつゆ知らずなままで、続きのページを捲り終えたところだった
店内の暖色系の明かりの中 読書中の書物 その開かれたページ文章に重なる影
店員が静かにコーヒーの伺いだろうかと、集中始めそうだった意識をアウルは再び起こす
視界の先 黒いスーツ姿に 内心ではデジャブに感じながらも見上げれば先ほどの屈強な同性
褐色肌の相手が、目が合ったことで切っ掛けとしたのか アウルに同席を求めてくる様子
アウルはといえば、愛蛇のデミトリを除けば感情の起伏なんて薄いもの。
レンズ越しに見る瞼が半分降りているかのような瞳で見上げると、右手 飴色になっている木製義手
削り上げた間接のない薄く開かれている指先の形 掌を相席へと向けるようにして。
「……どうぞ?」
首で首筋や体に巻き付いているデミトリ
蛇とは狡猾なものであり、唆すことなど 悪意ある行為には宗教本に書かれるほどのもの
その愛蛇が害悪や感情を感じ取らない様子に、アウルはよしとした。
やや麗人風に感じたり、ハスキーボイス
アウルはこういった女性に少なからず縁があるようだと、内心では刹那感じる
席を共にすることになれば、暖色系の明かりの中でスタッフが再びやってくるだろう。
『いらっしゃいませ。』
木々の中の主は、どんな茶をお持ちしましょうかと まだ名前も知らない相手に伺う
アウルはといえば、空のカップを下げてもらう
眼鏡の中央を、義手の指先で押し上げて。
「マダム、私にはエスプレッソを 少し大きめのカップで。」
アウルは追加として、小さいカップに濃厚に淹れられたコーヒーを指名した
少し大きめというのは、その濃く淹れられたものを長くそばに置いておきたがる
読書中の供が欲しいが故だろうか。
逆に甘いものはと言われれば、読書に再び一区切りつけるまでは頼むこともないだろう。
■バーニィ > 傍まで寄れば大きな胸が目を引く押し上げられた月明り色のローブ。
自身とは対極的な柔らかな体と、本に視線を落とす知性にあふれる瞳の輝きに興味がさらに惹かれる。
相手の集中した視線を中断させるのは忍びないが、声をかけないことには何も始まらないと声をかけた女。
こちらを見上げるレンズの奥の瞳を見つめなが返ってきた言葉と、手を向けられた飴色の義手に示された座席を見やり、肩にかけていたコートを外してから女の選択肢は相手のすぐ隣に腰を下ろす。
「あぁ、ありがとう。」
ちらりと見えた飴色の手にも、蛇にも悪意も害意もない女、ちらりと相手の読む本や生身の左手に目を滑らせてから、気配が近づいてくることを感じ視線をスタッフへと向ける。
慣れた様子の相手が濃いコーヒーであるエスプレッソを頼めば、小さくうなずき。
「では、アタシにも同じものを。 あぁ、それとチョコレートケーキを一つお願いするよ、マダム。」
そうして注文を取れば、一例をして戻っていくスタッフの背中を見送ってから、隣にいる相手に体を向け観察し始める。
「ふふ。本を読んでいた横顔もとても綺麗だ。 アタシはバーニィ、本の世界に戻る前に、名前を教えてもらってもいいかな?」
囁きかけながら改めて相手の事を見つめる真紅の女の瞳。
もし蛇と視線が合えば小さく笑みを浮かべひらりと手を振り応えるだろう。
■アウル・リブライアン > アウルは同席を求められて許可をした後、マダムへと注文を終えればそれで終わるはずだった
けれども、遠慮なく 隣へと腰を下ろしてはそこはソファ席
決してスペースは手狭ではなく、端を陣取っていたわけではない
隣へ腰を下ろした名も知らぬ相手からまだ感じる、外にいた冷たい匂い 冷気
それも時期に温まるだろうか 鼻先に感じる匂いに クン と向けると
「……。」
アウルは、隣に腰を下ろすそぶりには小さく肩をすくませながら横眼を向けるのみ
かまわないというかのようにエスプレッソがやってくるまでの間、文章に視線が下りる前に
お互いの素性をまずはさわりだけ交換し合うことになるだろう。
「ええ、宜しくバーニィ」
ウサギのような名前に、先ほど引き当てた月のカードを思い出す
タロットとはなかなかよくできている結果だと、内心では一瞬だけ笑いを浮かべると
隠す名前でもなく、本名でもない。
「アウル アウル・リブライアン。」
宜しく と 知人の錬金術師を思い出すような型にはまった麗人の装いと仕草
そちらの方面を引きやすい質でもあるのだろかと、自分に視点を当てる思考のままでレンズの中央を押し上げ。
「褐色と鍛えた体にしては、気障な形のようね。
……もっと粗暴 というよりも、女戦士のように思えていたけれど。」
鍛えた女がスーツを着こなせば、同性を求める麗人にもなれるし
カジノや高級酒場で壁際で控えるバウンサーだって務められる
毛皮をまとえばアマゾネスと言われても納得できる体の具合を見れば
再びアウルは栞を挟んで書物をパタリと閉じる
バーニィからしてみれば、読書の意識をバーニィへの意識に傾けた、と思わなくもない素振り
しかしそれはまだで、カップを二つ ケーキを一つ運んできたマダムが、アウルの視界から見えて
そしてバーニィの視界からは見えないせい
カチャリとした陶磁器の音ではなく、コトンとした木製カップの音
二つと小さな砂糖壺がおかれたならば、書物をタロットのそばに置きなおし
その木製の、薄く開いた削りだしで器用に指先が壺の蓋の突起へ指の間に通し、開ける
砂糖壺の中身をティ・スプーンで一杯 少し丘の形をつくる砂糖をサラサラとエスプレッソの中央から静かに落とす
かき混ぜずに飲む、エスプレッソの作法は面白いもので
だんだんと少しずつ感じられていく砂糖を楽しみ 最初は濃厚なコーヒーの味が舌に来る
「……ん。」
味を確かめたところで、鼻腔に通り抜けるコーヒーの香り
先ほどとは違う味と、熱
胃にまでとどいたのなら、薄く唇を開けて吐息を静かに出し、堪能した
「それで? バーニィ 貴女は私とコーヒーブレイクをご所望?」
青蛇が、先ほどまで首の中に埋まっていたのか 再び顔を出している様子
黄色い瞳は、主への望みをうかがうように、ちろちろと舌先のÝ字を時折覗かせて見つめている。
アウルとしては、同じくコーヒーを飲むもの同士、こうして茶飲みする時間を付き合っても問題はないようだった。
■バーニィ > 柔らかなソファーに腰を下ろせば体躯のしっかりした自身の方にわずかに傾くやもしれない。
クンっとにおいをかがれれば軽く首を傾げつつ、も相手の名前を何度か心の内でつぶやく。
「こちらこそよろしくアウル。」
そうして相手の名前を知ってから続く言葉に楽しげに笑えば、やや目立つ女の八重歯。
「あぁ、洒落た店のなかだしね、懸命に猫をかぶってるんだ。 兎みたいな名前だけどね。一回きて出禁なんてもったいないだろう? せっかくアウルみたいな美人さんに出会えたしネ。」
ここがカフェでなければもっと積極的にいっていたであろうが、今いるのはカフェで、自身が普段行くような店で有れば、アウルとは出会えなかっただろう。
くっくっと相変わらず楽しそうに笑いながら言葉を返しつつ。
本を閉じこちらに体を向けるも、相手の目線は己の背後の気配に向けられていることはわかっている。
コトンと置かれたカップの中に自身も砂糖を山盛りさらさらと注ぎ、持ち上げ一口。
口の中に広がる芳醇なコーヒーの香りと苦みにコク。
外で冷えた体を芯から温めるように体の中へと落ちていく。
相手の薄く開いた唇からこぼれる吐息に楽しそうに目を細め。
コップをソーサーの上にコトリと置いてから、自身の唇についたきめ細かいクレマと言われる泡を、赤い舌を出しどこか妖艶な笑みを浮かべる。
「はは。 そうだね。 本を読むアウルを見ながら飲むのも良いが、アウルとコーヒーブレイクはとても魅力的。」
そうささやくと、濃い褐色のチョコレートケーキをケーキフォークで一口分切り分け、相手の口元に差し出す。
「どうだい? しばらく二人で甘いコーヒーブレイクでも。」