2021/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > マグメールの富裕地区は、貴族や金持ちが住まう一等地、様々なお金持ちたちの家があり、その近くにある公園は当然、綺麗に整備されていて憩いに特によい場所となって居る。
 上品な身なりをしている所謂上流階級の人々が、楽しげに談笑をしていたり、その子供たちが笑いながら遊んでいる。
 そんな中、新たに公園に入って来る人物がいる、青を基調としたドレスは、背中を大きく開いたオープンバック、と言われるもの。
 淑女としてはしたないという囁きが出ないのは、その背中には、大きな竜の翼があるから。
 真紅の髪の毛を持ち、ポニーテールに縛っているのは、活発をイメージさせていて、その瞳は金色に輝いている。
 頭には、一対の角を生やしていて、人ではないことを示す少女は、トゥルネソル商会の次女で竜胆と言う。
 本名は別にあるのだけども、竜胆と名乗るのは、魔導士としての矜持から。
 そして、翼を、尻尾を、角を隠さずにあるのは、竜だという事にプライドを持つから。

 そんな少女は、右手には、本を、左手にはひもを持っていた、その紐の行く先には、3mの巨体を持つ、大きな狼犬がつながれている。
 狼犬は、グリムと言う名前で、彼女の義姉である、ゼナの飼い犬だ。
 賢い犬で後ろを歩く少女に歩幅を合わせるようにしながら、静かに先を歩いている。
 傍から見れば、犬の散歩に見えるだろう、まさしく犬の散歩だ。

 ただ、犬の大きさの規格と、それを連れ歩く少女の異形が、周囲の目を引くだろう。
 そんな視線を気にすることも無く、竜胆は、先を歩く犬にすべてを任せ、視線を本に堕としていた。
 あんなに大きな犬が居るのだ、ぶつかってくるような愚か者は居ないでしょ、と。

竜胆 > 周囲の人も、狼犬を見ても、驚かず、竜胆を見ても軽く会釈をするだけ。
 もう、慣れているのだ。最初の方は皆驚いていたものの、毎日毎日同じルートで散歩をするグリム君。
 それについて回る竜胆は見慣れてしまい、そして、グリム君は頭が良いのでとても優しく、落ち着いている。
 無駄にほえないし、子供たちと遊ぶし、寧ろ来ると、子供たちが近寄ってくるぐらいだ。
 まあ、そんな子供の股間に鼻先突っ込んで匂いを嗅ごうとするので、毎回頭を殴っているが、其れもまた、風物詩的な情景となって居る。
 大きな犬と、その飼い主少女という所なのだろう、公園に入っても、得に騒がれることも無くて。
 少女は、適当な場所まで移動してから、ベンチに腰を下ろして、手綱を離す。

 視線をグリムに向ける、はしゃぎすぎるなよ、と視線で釘を指せば、グリムも理解したのか、一つ鳴く。
 そして、とことことこ、と子供たちの方へと走っていくのが見える。
 子供たちは、楽しそうにグリムを受け入れて、一緒に遊び始めるのが見える。
 それを語目に、軽く見てから、視線を本に堕とすのだ。

 少女の持つ、魔導書、まだ、読みかけのそれに、意識を向け始める。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」にタツミさんが現れました。
タツミ > 魔導書に意識を向けかけた瞬間に近くの木陰から強い魔力が発せられる。
それ自体は直ぐに消えるが、その後に木陰から出てくる少年が一人。

「あれ…記憶違い、いや何かに引かれた?」

その少年は木陰から出てくると当たりを見渡して。
周りの様子、子供たち、狼犬と順番に確認した後で。
驚いたような顔で竜胆を見つめた。

「すみません、少しお尋ねしたいのですが、宜しいですか?」

生来の真面目さなのか、言葉使いになれない様子はなく、人辺りは良さそうに見える。

竜胆 > 魔導書に意識を向け、その内容を読み取っている最中、それは少女にとって至福の時となり、邪魔されたくはない物だ。
 しかし、一応の分別は有るのだ、自宅であれば兎も角、此処は人の行交いもある、外なのだ。
 だからこそ、こういう事もあるのだろう、少女に珍しくも声を掛ける相手。
 本をパタン、と閉じて、金色の色の瞳を、その相手へと向けていく。

 そんな少女の表情は、唇をつい、と釣り上げた笑みの形。
 眠そうな半眼が、彼の様子を眺める、この周囲の仕立ての服ではなさそうだ、そんな風に見定めて。

「はい、何でしょうか?」

 見知らぬ相手、少年に見えるが、そうでは無い。
 自分と同じく、竜に連なる存在なのだろう、なれば、無碍にするのは、少女の美学にはなく。
 しかし、用件は判らない、何を訪ねたいのか、それだけで判るほどの知識は持ち合わせておらぬ。
 何事か、とのそり、とした動きで、狼犬が戻ってきて、近くに伏せる。
 その頭を軽く撫でて見せながら、魔導書は空間の中にしまい込む。
 そして、彼の言葉の先を、用件を促す様に、座ったまま、見上げる。

タツミ > 感じる魔力の高さ、何よりその翼と尻尾が物語っている。
彼女は竜に連なる者だと。

「此処はマグメールのどのあたりになりますか、予定先とずれてしまったようでして」

先ほど感じた魔力は少年が移動したときの物の様子。

「引っ張られた感じがしたので、貴女の力に引かれたのかと…」

どうやら魔力の高さと竜の性質に転移先が引かれた様子で、頬を書きながら苦笑する。
目の前でしまわれた魔導書については、一瞬珍しそうな顔をしつつも、特に何を言うでもなく。
狼犬が近くにいても気にしてはいない様子。

「こんなおかしな質問で申し訳ありません」

そう言いながら綺麗な一礼をしてくる。

竜胆 > 「成程、そういう事でしたか。こちらは、富裕地区ですわ。」

 道に迷ったらしいと彼は言う、この周囲で見慣れないその恰好が、その言葉に真実味を持たせ、成程、と考える。
 どこに行くのか、と言うのは未だ話題にも出ては居ないのと、彼がそれを聞くような様子ではなさそうだ、と感じる。
 その視線は、好奇心という物からはかけ離れているようにも思えるから、だ。

「私の力に?」

 人竜だから、人を超えた魔力を持ってはいる、魔導を学び、魔術の道に走ってはいるのも間違いはない。
 しかし、だ。魔力自体を駄々洩れにさせているわけではない、何かに干渉するほどの力を解放してないのだ。
 だから、不思議だ。苦い笑いを零して言葉を紡ぐ男性。
 心当たりはない、と首を傾いで見せていて。

「いいえ、質問と言うのは、自分が判らぬことを問いかける事。
 一般的にそうであろうと、貴方が問いにしたいと思ったのであれば、それで良いのではないでしょうか。」

 魔導士は、様々な事柄を学ぶ。
 そして、自分の中での引っ掛かり、それが他人と同じではないことは、寧ろいい事だ。
 普通ではない視点に、閃きは、発見は有る者なのだと、自分の持つ書で読んだのだから。

「それで、私からも一つ。
 貴方は、何方?」

 綺麗にお辞儀をする相手に、少女は静かに問いを返す。
 知らぬ相手なのだから、当然と言えば当然の質問で、首を傾いで問いかけた。

タツミ > 「富裕地区…あぁ、かなり前に来たようなそれでかな」

その答えに納得を見せて頷き、小さく言葉を漏らし。

「と、失礼しました…そう言っていただけるとこちらも助かります」

質問についての答え、それに続く言葉にもう一度深く礼をして。
顔を上げた時には微笑を浮かべていた。
そして、何者かという問いに対して。

「失礼しました…僕…あ、私はタツミと言います…名乗りが遅れて申し訳ありません、
  それと…龍に連なる者です」

後半はあまり他に聞こえない程度に声を抑えながら答える。
龍と竜、近くて遠い存在の様な気はするが、共に大きな力であり、似通った部分も持つ存在。
自分はその一方だと少年は語る。

竜胆 > 「ご丁寧に有難う御座います、私は、竜胆。
 竜胆・トゥルネソル。平民地区で、商いをしているトゥルネソル商会は、父の店、ですわ。
 私は、ええ、母が竜です。」

 彼も何者かと言えば、矢張り竜に連なるもの、為らしい。
 この国で生活していたが、純粋な竜である家令長や、メイドたち、家族の他に、竜種と言うのを見るのは初めてで。
 そこに、好奇心が沸いた、自分以外の竜種に合うという事は珍しい事でもある。
 違う存在とは、何処まで違うのか、と。

「龍……東の方での呼び方、ですね。
 竜と、龍の違い、聞いてみたく思っておりました。」

 彼は、同じような存在ではあるが、違う存在の様だ。
 自分たちは、寧ろ、ドラゴンと言う西洋の竜のような存在で。
 彼の龍、東洋のドラゴンと、何が違うのか、どう違うのか、質問をして、返答を待つかのように。
 じぃと、彼の所作を眺めていた。
 面白そう、とその表情は語る。

タツミ > 「竜胆・トゥルネソルさん…トゥルネソルさんで宜しいですか?」

初対面の相手に名前呼びはまずいだろうとそう思いつつ尋ねる。
そして、少女の答えに納得する。
纏っている気配に彼女に残っている気配、かなりの数の竜がいるようだ、と。

「竜と龍の違いですか…こちらでいう所の竜は、お詳しいでしょうから」

そう前置きして。

「龍、東方での場合は、形もそうですが在り方も違うかと…詳しく話すと長くなりますが、どうしますか?」

簡単に話すことはできるが知識欲の強そうな少女がそれで満足するのか、そんな疑問の顔を浮かべ訪ねてくる。

竜胆 > 「さあ、如何でしょう。
 マグメールに、トゥルネソルと言う名を持つ子は、其れなりに多いですから。
 タツミ様のご随意にどうぞ、と。」

 礼儀のある質問に対し、少女はクス、と笑みを零す。
 ダイラスに両親が居るし、このマグメールだけでも、15人はいる。
 大体が、姉の嫁や娘ではあるが、其れなりに多いので、トゥルネソル、だけでは、紛らわしくもあるだろう。
 と、言って、彼が他の姉妹や、姪などに関わるかどうかも判らない、なので、今は、お好きにどうぞ、と。

「ええ、他の人よりは詳しくありますわ。
 タツミ様の考える、詳しい、レベルかどうかは……さて?
 という所でもありますが。」

 一応、自分の種族の事だ、詳しくはある。
 特に、自分の一族の竜の事に関しては特に詳しくもあるが、それがすべてではない筈で。
 だから、彼の言葉に、質問には、如何答えたものか、と首を傾いで悩んで見せて。

「そうですね、此処でお話しする、にしても、グリムが邪魔になりましょうし、喉も乾きましょう。
 近くの喫茶店などに移動して、お茶をしながら、と言うのは如何でしょう?」

 彼の考える通りに、こういう物は詳しく知りたい。
 提案に対しての返答は、時間はかかっても良い、しかし、それならそれで、ちゃんとした、のんびり会話できる場所が良いだろう。
 そう捉えたが故に、此方から、彼をお茶に誘う事に。

タツミ > 「では、失礼して竜胆さんと呼ばせていただきますね」

笑みにこちらも微笑を返しながら。
龍と竜について考える、どちらも大体は強大な存在。
そして、英雄などに倒される悪役な事も伝承では多い。

「そうですね、では…ここら辺には詳しくないので、場所を教えていただけますか?
  エスコートはさせていただきますので」

そう言って、手を差し伸べる。
そうしながら、伝承ではなく実態、生態、その能力とかの話の方を聞きたいのだろう。
そんな風にあたりを付ける・

「宜しければお手をどうぞ」

竜胆 > 彼の名前呼びの確認に関しては、ふふ、と笑いを零して見せる。否定はしない、それで、認めた、という所でもあるのだ。
 彼とは違い、言葉の端々、言動の所作に、矢張り竜としての、プライド、等がしっかりと息づいているのだろう。
 彼が、英雄を助ける類の龍であれば、少女の方は、英雄に退治される方の竜なのだろう。
 しかし、それを知ったとして、竜胆は変わることはない、それがこの娘の個性なのだ、と。

「あら……あら。
 エスコート、タツミ様は、東の国の方だと思いましたが。
 この分化にも、精通されているのですね。

 では、お願いしましょうか。」

 丁寧に、あくまで礼儀正しく。
 そんな彼に少女は、目を丸くして、エスコートを自分から言い出すと言うのも。
 彼の容姿、そして東からの旅人と言う事を考えれば、違う文化に精通しているのは、驚きで。
 そういう態度には、感心を。
 異文化を正しく知るという知識に、敬意を持つ。

「それでは、近くの喫茶店の場所は―――」

 だから、自分のお気に入りの喫茶店を、案内することにした。
 彼の手にそっと掌を乗せて、共に歩き始める。
 龍に関しての、彼の解説を聞くために――――

タツミ > 「えぇ、一応竜胆さんが思っているよりは長生きしていますし」

手を取り、立ち上がらせてから、少女の隣に立つ。
歩みを少女に合わせ、威嚇的ゆっくりと歩く。

「ですので、勉強する時間だけは多くありましたので」

そんな事を離しながら、二人が公園から歩み去っていく………。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」からタツミさんが去りました。