2021/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にソルさんが現れました。
■ソル > 「──離せよっ、僕はイカサマなんかしてないんだから!」
富裕地区の繁華街、カジノの入り口で屈強な黒服にがっちりホールドされ、今まさにつまみ出されようとしている少年あり。
体格差はいかんともし難く、そのままどんっと背中を突き飛ばされ、うわっと──! と、何とか踏み止まる。
肩越しに振り返り、挑発的なハンドサインをつきつけて、
「ばーかばーか、頼まれたって二度と来るもんか。ふん!」
まあ、実際にはいイカサマをしたのだが。辛くもバレなかったというだけで。
富裕地区にだって存在する裏路地にさっと身を滑り込ませ、そこでようやく胸を撫で下ろす。
「はー…危なかった! ま、ただでは転ばないんだけどねぇー」
ぺろりと舌を出し、片方の眉を小癪に吊り上げ、フフンと鼻で笑った。
人が居ないのを確認してから懐より取り出したのは、先程の黒服のサイフ。すり取ったのだ。
別にそこまで生活に困っていないが、とっとした意趣返しである。
暗がりの中で、財布を覗き込むように中身を確認する。ちっと舌打ち。
期待したほどではないが、それでも、一晩くらいは豪勢な食事にありつけそうではあった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からソルさんが去りました。