2021/08/16 のログ
■ミンティ > どこへ行ったらいいのかわからなくて立ち尽くしてしまう。不安な気持ちから涙目になりかけて、やっぱり勇気を出して、誰かに道を尋ねようかと考えはじめる。
ちょうどその時、不意に背後から肩を叩かれたから、跳び上がりそうなくらい驚いた。あわてて振り向いてみると、さっきまで一緒だった孤児院出身の仲間。
買い物を済ませて帰る途中だったという彼女に事情を説明すると、あいかわらずだと笑われてしまった。けれど、おかげで平民地区まで案内してもらえて、その間はまた懐かしい昔話に花を咲かせていたようで…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からミンティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にソルさんが現れました。
■ソル > 「──離してよっ、僕はイカサマなんかしてないんだから!」
富裕地区の繁華街、カジノの入り口で屈強な黒服にがっちりホールドされ、今まさにつまみ出されようとしている少年あり。
体格差はいかんともし難く、そのままどんっと背中を突き飛ばされ、うわっと──! と、何とか踏み止まる。
肩越しに振り返り、挑発的なハンドサインをつきつけて、
「ばーかばーか、頼まれたって二度と来るもんか。ふん!」
まあ、実際にはいイカサマをしたのだが。辛くもバレなかったというだけで。
富裕地区にだって存在する裏路地にさっと身を滑り込ませ、そこでようやく胸を撫で下ろす。
「はー…危なかった! ま、ただでは転ばないんだけどねぇー」
ぺろりと舌を出し、片方の眉を小癪に吊り上げ、フフンと鼻で笑った。
人が居ないのを確認してから懐より取り出したのは、先程の黒服のサイフ。すり取ったのだ。
別にそこまで生活に困っていないが、とっとした意趣返しである。
暗がりの中で、財布を覗き込むように中身を確認する。ちっと舌打ち。
期待したほどではないが、それでも、一晩くらいは豪勢な食事にありつけそうではあった。