2021/08/15 のログ
■ルヴナン > から、ん――。
グラスの中の大きな氷が鳴る。
「ご馳走様」という声に酒場のマスターが気付いた頃には
カウンターには勘定とチップ。
仮面の男の去っていく背中だけ見えたという。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/高級酒場」からルヴナンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 同じ孤児院を出た仲間たちとの、ひさしぶりの再会。何人かは仕事でもそれなりに成功しているようで、いつもよりいいお店を予約しての会食を終えるころには、あたりもすっかり暗くなっていた。
食事代をすこしだけ出してもらって、ばつの悪さから頭をぺこぺこ下げながら、懐かしい面々とも解散し、家に帰るために夜道を歩く。大通りに沿って移動していたら問題なく平民地区まで戻れるはず、だったのだけれど。
「……あれ」
富裕地区なんてめったな事では訪れないから、気がつけば、行きには通らなかった細い道に迷いこんでしまっていた。
平民地区の路地裏に比べれば、ここでも治安がよさそうな雰囲気。あたりには一応通りがかる人の姿も確認できるから、道を尋ねる事さえできたら、また大通りに出るのも容易いのかもしれない。
けれど、ただでさえ口下手な自分が、いかにも身なりのよさそうな人たちに声をかけるなんて相当な難問で。一度気後れしてしまうと、道の端でおろおろするばかりになってしまう。
そうしている間にも時間が経ってしまうから、とりあえず歩きだしてみると、ますます見た事のない景色ばかり目に入ってきて。