2021/05/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクルサオルさんが現れました。
クルサオル > 貴族は時に、冒険者を護衛や警備として雇う時がある。
今の自分がまさに、警備として雇われている冒険者の一人だった。
とは言っても屋敷の中には入ることは許されず、外での警備で見回りをしている。

美しい紫色の髪の毛が、月の光を反射させている。
しかしその顔は中性的で、しかし美人だと言わざるを得ない。
男でも女でも、どっちにも判断出来そうな、そんな不思議な外見をしていた。
そして目を引くのは、顔の半分程度を覆う黒い包帯。
左目を覆い隠すようにしてしっかりと巻かれている。
冒険者として剣士として、死角になるものなのだが……。

「……ん?」

そんな風に裏口付近を見回りしていると、そこに小さな女の子がいるのを発見した。
はて、迷子だろうか?しかしこんな時間にいるのは少々怪しい。

「キミ……どうしたの?道に迷ったのかい?」

僅かな警戒心を潜ませながら、ゆっくりと近づく。
いつでも抜けるようにしつつ、しかし笑顔を浮かべて。

ロイナ > いつまでもここにいたってしょうがない。
欠伸を漏らして、そろそろ行くかぁ…と考えていた時、声をかけられて瞬く。
其方に視線を向ければ、明るい月の光の下、紫の髪の毛を輝かせている長身の姿が目に入った。
美人──ではあるが、男か女か。パっと見た限りでは判断がつかない。

「あー……あはは。なんでもないよ。今から帰るところだったし…大丈夫!」

ばつが悪そうに笑って頭を掻く。
どことなく警戒心を感じ取れる。まぁこの時間ならな…と納得し、相手の方へと向き直った。
後ろ手に組むと怪しまれるかもしれないので、両手はそのままぶらぶらと体の横に下げて。

「そういうそっちは、こんなところで何してたの?…この館の人?」

首を傾ぐ。ひとまず正体、あるいは性別を探ろうと当たり障りのない問いを向けた。

クルサオル > 小柄な女の子だが、油断はしない。
見た目が子供、それも女の子というのは、擬態して油断させるための常套手段だ。
実際、それで同業者が何人も引っかかって墓に埋まってる。

「そうなのかい?こんなところで……親と一緒じゃないのかい?」

そんな風に思いながらも、悟らせないように優しく返事をする。
何もなければいいが、どこにこの国は危険が潜んでいるかもわからない。
依頼によっては依頼人すら信用できない野がこの国、と考えると頭が痛くなってくるほどだ。

「僕はただの冒険者だよ。ここの警備を3日ほど頼まれてるだけさ」

髪をかき上げながらそう返した。
やはり、素直をよく見ても性別はわからない。
声まで、男か女かわからないような不思議な声だった。

ロイナ > 軽く言葉を交わしても警戒心が薄れない様子に、まぁ当たり前か…とこっそり思う。
とはいえ、怪しく思われて背にある剣を抜かれれば面倒くさい。
ここは適当に誤魔化して切り抜けることにする。

「親はいないからねぇ。歩き疲れてここでちょっと休憩してただけだから…うん」

と、適当な言い訳を繕いながら、相手の素性が知れると成る程、と頷く。
冒険者。警備を頼まれている。ならば警戒を露わにして話しかけてきたのだとしても違和感はない。

「ふぅん…お疲れ様だねぇ。冒険者ってそういうお仕事もするんだね。アタシにはよくわかんないけど…」

そして、自分の左目付近を指さすようにして、首を傾ぐ。

「じゃ、その包帯も。仕事で受けた傷を隠したりとかしてるの?」

クルサオル > 「そっか。それならいいんだ……それにしても」

じっ、と右目で女の子の体を見る。
何とも扇情的というか、露出が多いというべきか。
こんな格好でうろつくなど、娼婦にしか思えない。
それにその体付きも非常に、こう……クるものがある。

「まぁね、かわいい人に偶に慰めてもらわないと、続けられないよ。
おっと、子供にはまだ早い話だったかな?」

そんな風に答えながら、相手をよく観察する。
……人間にしては、なにかにおう。

「ん、まぁそんなところ。実際は7割が趣味だけどね」

ロイナ > 何やらじっと見つめられ、ん?と首を傾ぐ。
視線に含まれる雰囲気は、どこか此方を品定めしているようでもあり、何となく知っているそれでもあった。

「うーん?どうだろ。この街、子どもも大人もそういうの関係ないからね。
アタシだって、別に経験ないわけじゃないよー?…なんて」

ふふん、と意味ありげな笑みを浮かべる。
…よくよく観察してみれば、その顔立ちや雰囲気など。人間離れしているのが感じ取れるかもしれない。
それはさておき、続く相手の返答に目を丸くした。7割が趣味、というところ。

「えっ、趣味なんだ。変わった趣味だねぇ…」

クルサオル > おっと、視線がバレてしまったのだろうか。
とはいえそういう反応を返されるということは、少なからずただの子供ではないのだろう。

「そうなんだ?じゃあ売りでもしてるのかな?
それなら今から買うんだけど……なーんてね」

そんな風に冗談めかして、肩をすくめる。
いちおう仕事中でもある以上、今からそういう事は出来はしない。
……別にやってもいいが、冒険者としての信用を落としたくはない。

「うん。3割は見られたらみんなが驚くから。
傷跡じゃなくて……うーん、そう、刺青がびっしり入ってるんだ」

刺青というのはうそだが、見られたら驚くものなのは間違いない。
まぁ、刺青といっても全くのウソではないかもしれないが。

ロイナ > 「えー。売ってるわけじゃないんだけどね。
それに、例え売ってたとしてもお仕事中でしょ?…ふっふふ」

冒険者としての信用云々は与り知らぬところだし、
こういう場所でやるのも満更ではないが…相手にその気がないのなら無理して誘うこともない。
空腹なら襲うかもしれないが、今は腹は空いていないし。そもそも相手が男か女かもよくわかっていないのだ。

「刺青かー。逆に見てみたいけど……でもまぁ、いいかな。
包帯だし、外すのも面倒くさそうだしね」

興味はあるよ!と主張しておく。
そういう珍しいものには好奇心を惹かれがちだ。

クルサオル > 「そっかそっか。ならまぁ、また次会った時に暇なら誘おうかな?
仕事中じゃなければ基本的に誰が相手でもいいしね?ははは……」

そういう事ならば話は早い。縁があれば……という奴だ。
旅をしながら冒険者をするのなら、こういう事はよくある。
だからこそ、『次』を期待するのだった。

「ふふ、それなら、また次会えた時にお互いの秘密を共有しようか。
なんとなく、キミは普通じゃない気がするし、ね」

こちらも、二重の意味で興味があると匂わせる。
今何もしないし、する気もないなら相手をする必要はない。
無理に聞き出して騒ぎを大きくする方が問題になりかねない。

「キミ、名前は?僕はクルサオルっていうんだ」

ロイナ > 「うん、次に会った時にね。お互い暇なら。
……っていうか、気になってたんだけど。アナタ、女の人?男の人?」

次、を考えるならば、自分にとっては必要不可欠な確認。
別に答えなくたって構わないのだが、一応問うてみる。腕組みをして。

「……普通じゃない、かぁ。ま、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
なんだか、次に会うのが楽しみになってきたよ!」

お互いの秘密を明かし合う、その時を楽しみにしながら笑った。
ここで種明かしをしてしまうのは、少々芸がない。お楽しみは後に取っておくほうが良いものだ。

「アタシはロイナ。クルサオル、ね。覚えとくね」

クルサオル > 「あぁ、僕の性別?『キミが好む方』として考えてくれればいいよ」

どっち、というのは自分にも判断が出来ないのだ。相手に任せるしかない。
自分で変化することもできなくはないが、相手が判断する方が楽だ。
それにどっちだったとしても『楽しむ』ことは出来る。

「ふふ、そうだね。僕も次に会う事があれば、すごく楽しみだよ。
その時まで無事でいたいね?」

秘密が互いにあるのを知りながら、それを次に明かす。
それはなんとも甘美な響きだ。秘密というのは、とても、そうとても危険な気配と甘いにおいがする。

「ロイナ、か。わかった、僕も次に会う時まで覚えておくよ。
じゃあ、僕は持ち場に戻るから、ロイナも早く帰るんだよ?」

そう言いながら、背を向ける。
次会った時、ナニをしたいかを想像しながら。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクルサオルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロイナさんが去りました。