2021/05/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 桜花通り」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 桜はすでに緑化してしまい、見るべき要素がないものの
桜擬きや桜花と呼ばれる、桃色、白桃色の花木が通り道をつくる桜花通り

富裕地区だからこそできる管理と、手入れの良さだろうか
貴族らが維持を好んで寄付金をすることもあるほどらしい
見回る兵も、ここを巡回する際はちょっとした人気だ

メイラは、とある友人貴族と富裕地区の一角で話を終えた帰り道だった
馬車などを使わず、自力で歩くと言って刀を携えた姿で白桃色の花道を歩く
桜花通りまで足はこうして延ばしてしまったものの、普段は戦場の匂いが口角を吊り上げる
けれども、花に囲まれて笑みを浮かべる余裕はある
メイラを特徴的にするギザ歯が覗くと、少し悪い笑みに見えてしまう辺りは仕方ないところだ

こういった整えた地区で露店や小売りの許可を得ている器用に生きている店が点々と存在する
使っている代物もそれなりにいいのだろう メイラが足を延ばした店はたっぷりの茶葉とミルクで割った冷たい茶
中には穀物を練ったトロ餅の粒が入っており、濃いめのミルク割りとよく合っている。

「結構なお点前ね 濃いめで気に入りましたわ。」

ぢゅ~ と太めの管で、竹を器用に削ったラージカップの中身を啜りつつ、感想を述べると
主は貴族の誉め言葉にニコニコとした
品の良い琥珀色の紅茶や、ミントティのような淑女の集まりよりもメイラには肌に合うようだ

メイラ・ダンタリオ > 白桃色の花を愛でながら、茶をしばくだけというのは物足りない
メイラ・ダンタリオという 獣のようで 魔性のようで 人の形をしている混ざり物
それには、この整えられた場所は、愛でる気まぐれを引き起こす
けれども、そんな気まぐれは一時のものでしかない

気まぐれな帰り道 馬車を使わずの帰路 貴族令嬢という身分にそぐわない、護衛も何もいない時間
手元にあるのは左手に携えたままの一刀のみ

故に、そんな、危なげな時間を求めていそうな女に、花を愛でて茶をのむだけでは
ただ舌を喜ばせているだけでは、物足りない

「白桃色は嫌いではないのだけれど。」

そう言って、メイラは甘い香りがする緩やかな風で、笑みを浮かべ

「ああでもやっぱり」

左手に携える刀の柄が、メイラの肩を叩くように寄せられて。

「鉄の匂いのほうが、わたくしに合っていますわね。」

そう言っては、とんとんと肩を叩く刀の柄の感触
それにギザ歯の笑みを浮かべて、求めるものはやはりいつもどおりだ

―――それは暴力的で

―――それは快楽的で

―――だからそれが一番楽しい。

「富裕地区はこういうときいけませんわね」

頬にガントレットの手指を添え、ふぅと息を吐く
使い込まれた色合いの黒鋼色のハンドガントレットの冷たい指先が頬を包む

「整いすぎる。」

もちろんそれは、必要なことだけれど。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 桜花通り」にナインさんが現れました。
ナイン > (くる、くる。斜めに傾けた日傘を手慰みに回しつつ。少女は並木の狭間を歩いていた。
…無論一人ではないだろう。陰日向身を護る者が、必ず付いている筈だ。
但し今はほんの少しだけ、距離を空けて貰っていた。 ――理由はと言えば、唯一つ。)

 ――おや。 珍しい顔を見るものだよ。

(同じ貴族だ。同じ武闘派――とまでは行かないが、少なくとも国益の為争う事に関しては、肯定的な者同士だ。
恐らくは、一度や二度位。顔を合わせた機会が在った…と、思う。
刀の柄を担ぎ、籠手や脚甲を身に着けた――この富裕地区に在って尚、戦備えを思わす女貴族の後ろ姿。
かくんと首を傾げつつ。言葉通り、珍しい、という心算なのか。何の気無しの足取りが歩み寄っていく。

…傘とは逆の手に、今年一番の見頃を過ぎたこの界隈へと、尚通う理由である…
シェンヤンよりも更に東、桜の木々と同じ場所から、遙々この国へやって来たという菓子。
薄紅の花色を写し取り、新緑の緑を見に纏い、黒絹の如く柔らかで甘い中身を内包する――桜餅、という奴を。
己の分、身近な者達の分、買い込んでぶら下げ乍ら。)

メイラ・ダンタリオ > ゆっくりと、白桃色が左右で道作場所を歩く
露店での口にする事柄も済ませてしまっており、この場所でメイラが好むような場面もない
せいぜいが、この白桃色の花で酒を煽りすぎた貴族でもふらつく程度だろう

しかし、黒髪 黒づくめ 赤い瞳 そしてそのギザ歯
メイラの前に出てしまえば、その狂犬と呼ばれる王だけが飼いならすダンタリオを見ては、口に残る酒気も冷えて汗となり消える
酔いが冷めた相手がそそくさと目の前から消える頃 メイラはその背中を見ながら瞳を細める
たとえ相手が誰であろうとも、構いやしないダンタリオ 触らぬ貴族に祟り無し

「スリの一人でもいれば慰みになるでしょうに。」

そんなことを思いながら、メイラは肩にまたトンッと愛刀を叩いては歩を留めていた脚を再開しだそうとする
そんな折、後ろから静々と寄ってくる足音 気配 それに後ろを向けば赤い瞳が映すのは、小柄なそれ
日傘で散る白桃花の一枚一枚を遮り、いかにもなロングスカートスタイル

「あら」

ギザ歯が開き、反応を一つ
先の肥えた酔っぱらいとは違う
花でも愛でにきていたのだろうか

―――グリューブルム

他者を使い尽くし 己を使い尽くし 手段を択ばぬ貴族
他を枯らして己が肥える貴族の生き方とは違い、全て利用する者

「お久しぶりですわね、レーヴェナイン。」

様も卿も、何もかもつけない
王以外は全て平等 メイラは気軽に挨拶をした
好意的な反応は、その生きざまと、王に貢献できている流れがあるからだ。
はちみつ色の髪 フリルやレースを使ったロングスカートスタイル

黒髪や赤い瞳 黒尽くしに黒蛇柄のチャップスタイツと 正反対な二人が出会った。

ナイン >  あぁ。貴女も息災のようで、何よりだよ。ダンタリオ殿。
 …相変わらず、彼方此方忙しくしているようで。いや羨ましいよ。

(己が悪徳を嘯くなら、さて、彼女は――如何なる悪に例えられるのか。
少なくとも、国家にとって王にとっての暴力装置。それを須く善であると、諸手を挙げて歓迎する者は…貴族内でも、決して多くはないだろう。
今の頃合いならば、未だちらほらと。昨年催された花見以来か、此処に通い始めた貴族の姿という物を。見掛けてもおかしくないのだが。
二人が向き合う事となった周囲には、不思議な程――ぽっかりと。
行き交う者すら、往来の反対側を大回りして通り過ぎていくかのような。奇妙な、空白が出来上がっていた。

くわばらくわばら。そんな心の声が聞こえてきそうな第三者の同行など、知らぬ存ぜぬ。
片手の包み、塩漬けされた桜の香りが滲むそれを。軽く前へと掲げてみせて。)

 近頃のアスピナはどうなっているとか、魔物退治はどうだとか。色々聞いてみたい話も有ったのにな。
 そういう暇も作れず残念だったんだ。――どうだい、折角顔を付き合わせたんだ。
 少々遅い時間だが、一杯くらい付き合ってくれないか?

(茶の一杯でも、酒の一杯でも良かろう。甘い物は肴としても魅力的なのだ――甘味万歳。
近場で馬車を待たせているから、等という誘い文句は。一見すれば、若い貴族の娘同士が、瀟洒な一席を設けようとしている風ではある。

事実、例え得物備えであろうとも、寧ろそれが若武者の凛々しさにも見えるかのような貴族騎士。
見た目は真性お嬢様、黙っていれば深窓の某めいた少女伯。
何も知らない者達には。麗しい貴族の嗜みを思わせ羨ませるか。
者によってはお嬢様達のいけない何かを逞しく妄想させるかもしれない取り合わせ。

…まぁ、決してそうならないという事は。周囲の様子からしても明らかなのだろう。)

メイラ・ダンタリオ > 彼方此方で忙しいという、多忙さがうらやましいと言うグリューブルム
それは落ちぶれて尚、上に行くために線の上を渡る歩く故だろうか
余裕のない瞳 張り詰めた雰囲気

織り込んだ微細模様のカーペットの上で茶会を楽しむ淑女とは違う
全てを利用し己を利用するそれはまるで長寿した吸血鬼にも似ている
他者は眷属となり、数を制限し、餌を枯らさず増やさずだ
そんな長生きしている吸血鬼ほどこれを言う

                 人間を滅する行為は獣同然
         滅すれば獣の血を吸うしかなくなるのだから、己もまた獣に成ると。

わざわざ獣まで落ちずに返り咲こうとする
他人を利用し己を利用し、肥えても太らず逞しく咲こうとしている
栄養過多で死んでしまうようなつまらない貴族とは違うのだ

「この王都は、平和という言葉が無いから、ダンタリオも喰いっぱぐれがありませんもの。」

手首から指先だけを手袋のように包むガントレットで、口元を隠すようにしてクスクスと笑う
荒事ならダンタリオは枯れない
そしてこの王都という、欲望で濁った偏った場だからこそグリューブルムもまた繋げている

ダンタリオ グリューブルム
戦場貴族と没落 なれど枯れずの二人がいる空間がすっぽりと空いている
あのダンタリオがそれなりな態度で応対しているのだから、知らぬ者でも近寄らない
せいぜいが互いの知己でもいれば手を挙げてくる程度だろう

そんな中、この花道にも飽きて帰路に就こうか
などと思っていたメイラに、片手に下げていたものを使って誘い掛けてくるレーヴェナイン
メイラの、狂戦士のような出来事でも聞きながらなどと言うそれに、目を少しだけ開く

メイラの小話などに興味を持つようには少し見えなかった
なら、メイラのかかわり事に利益でも感じているのだろうか
そう例えば花道通りを繰る手前 知己の貴族と話していた“内容”など

最も、それらは些細な事
ぶつけ合うか抱く以外でも有意義な時間をつくれるかもしれない少ない相手だろう
メイラは一つ二つ返事で誘いに応じ、グリューブルム家の馬車で乗り込み、いい個室があるんだ などと
家ではなく密会に使用できる隠れた店に招待するつもりの様子だった

「白桃花を愛でるより、楽しくなりそうですわね」

馬車で向き合う二人 馬を使う運転係は、まさかのダンタリオが乗り込むそれに冷や汗をかいていたとか。

ナイン > (己の動きは須く、此の国を活かす為に有る。
危うい橋を、それでも崩さず渡り切らんとするのも。腐敗と怠惰に手や口を出しつつも、腐りきる所迄はいかないのも。
それ等が皆、己の為に生き長らえさせねばならない基幹であると知っているからだ。

そして。手段は選ぶ物ではない、選ばない物なのだ、と知っている。
力は使わなければ意味が無い、持ち腐れでは朽ち逝くのみとも考えている。
武と政。立ち位置こそ対極ではあるが。存外、考え方には共通する物があるのではないか。
彼女と己の間には。

もっとも。正と負ではない、正同士或いは負同士、掛け合わせたなら。唯管数値は増すのみである。
倍加どころかそれ以上にも跳ね上がる不穏当な気配は、聡い者なら否応なく、距離を詰める事を躊躇う物であり…
それが、例えば襲撃等に対して。警戒の必要性を下げるのだから。皮肉な話でもあるのだろうか。)

 ぁ、は。そうさな、それではダンタリオ殿。
 貴女が狂奔なり興奮なり。忘れずに居てくれるような種でも、考えておかねばいけないな――?

(案の定。単純に、異国の菓子に舌鼓…だけでは終わらないようである。
呵、と笑い方を竦めれば。待たせた馬車へと二人して向かうのだ。
近頃漸く魔性の黒馬に慣れて来た御者が。新たな心労と緊張に胃を磨り減らすのは、ご愁傷様――ではあっただろうか。)

ナイン > 【移動いたします】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 桜花通り」からナインさんが去りました。
メイラ・ダンタリオ > 【移動します】
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