2021/03/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にティーラさんが現れました。
■ティーラ > 本来ならば衛兵が回るはずの巡回の仕事。
それをギルドで見つけ、その実入りの良さに引き受けての屋敷が立ち並ぶ区画の見回り。
決まった時間まで何度か見回ればよいと、何事もなければ簡単な依頼を数名の同業者と引き受けたまではよかったが…。
「まさか仕事中にいなくなったのは想定外でした…」
最初は3人で回っていた巡回は今は自分ひとり。
後の二人の片割れは途中に一人歩きのご婦人を見つけそちらへ、もう一人は寒いと言い仕事を放棄し去ってしまったのが一刻ほど前。
依頼を受けておき消えてしまった同僚の質の低さには肩を落とすしかないが、自分まで放棄は出来ないと真面目に巡回を続け。
灯りと臨時の武器である背丈ほどの昆を手に不審者がいないかと屋敷が並ぶ道を歩く。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にカルムさんが現れました。
■カルム > 依頼は大変な物だった、貴族には変わり者が多いと言うがゴブリンのメスを捕まえて連れてきてくれ、そんな依頼を受けたのだ。
何を考えての依頼なのか、と思うのだけれども、依頼を受けた以上推敲するのが冒険者、だから、取り合えずメグメールまで出かけて、ゴブリンの巣を襲撃する、そして、ゴブリンのメスを捕まえて、それを貴族へと持って行って依頼は終了。
依頼終了の手形を貰って、貴族の家を後にする冒険者、金髪でぼさぼさの髪の毛は、冒険をしていたからある意味当然の状態か。
疲れが少し滲みつつも、ギルドに戻れば報酬がもらえる状態、少し浮足立って居たのだけれども。
「おや?」
一人で、根を持ち立ち尽くす少女が見える。
見た所同業者に見えなくもないのだけれども、さて。
仕事の邪魔にならないだろうか、と少し考えてみるも、こんな所に、冒険者だとしても女の子が一人で巡回というのは解せぬ。
普通に考えればチームを汲んだり、パーティを組んだり、というのがあるだろう。
男は首を傾いでから、近づいていくことにする。
「もし、間違ってたら申し訳ないんだけど―――御同業、冒険者、だよ、な?」
間違ってたら恥ずかしい、速攻で逃げて、帰ってギルドで換金してお酒を飲んで部屋で寝ることを誓う。
そんな訳の分からない誓いを胸の奥に秘めながら、冒険者は、根を持つ少女へ、ティーラへと、―――声を掛けてみることにする。
■ティーラ > 後1往復ぐらいすれば時間が来るかもしれないと月の位置を確認して考え。
巡回が終われば早く宿に帰るのがよさそう、そうしようと決めていれば先にある屋敷から人が出てくるのが見える。
こんな時間に珍しいと思いはしたが服装から冒険者か傭兵と見て、それならあり得ると気にしないようにしていたが。
「……失礼ですがお会いした事がありましたか?」
気にしてはいなかったが相手から近づいてき、声をかけられると視線を向け。
冒険者かという言葉に返すのは問いかけではあるが…それが答えでもあり。
実は知り合いかもしれないと相手に灯りを向けて顔を確認しようとしていく。
■カルム > 「いいや、残念ながら……会ったことは、無いと思うな。冒険者だと判断したのは単に、ちぐはぐだから、さ。」
自分の声に反応した、此方を見る相手に対しては、敵意は無いと笑みを浮かべて見せる。
明りの下ある顔は、何処にでもいるような、金髪碧眼の男の顔である、特徴という程の特徴は無い。
特段いかついわけでもないので、へらっと笑って見せれば、其れなりには柔和な顔にもなろう。
「ただ、冒険者ギルドですれ違った、とか、そういう事はあるかもな?」
一応ギルド所属で動いているので、何処かで、同じ依頼を受けたことがある、とかはあるかもしれない。
共に動いた、とかそういう事は多分ないだろう、そういう相手であれば覚えもするし、こんな風に問いかけもしない。
「俺は、カルムっていうんだ、よろしく。まあ、声を掛けた理由というのは。こういう依頼って、複数人で動くようなものじゃないかな、って思ったからさ。
疑問を氷解できれば、という程度の軽いもんなんだ。
依頼の邪魔をする積りもないし、迷惑なら、直ぐに行くからさ。」
それに、一人でいるよりは、安全だろ?なんて軽く男は問いかける。
彼女を侮る積りは無いが、一人より二人の方がという意味を込めての詞だ。
順かいとして動くにはやや、どころではなく過剰戦力の戦斧、腰にモーニングスターと、冒険者らしい装備で。
それなりに場慣れはしてることは、彼女でもわかるだろう。
■ティーラ > 「ちぐはぐ?」
灯りで照らした相手は金髪に碧の瞳の男で街中ですれ違ってももしかすれば気にしないかと考えるほどには特徴が薄い。
そんな顔を見ながらちぐはぐという言葉を考え。
「ギルドでならあるかもしれませんけど…すみません」
思い出そうとするが相手の顔をギルドで会った人というくぐりでは思い出せずに申し訳ないと。
「カルムさんですか。私はティーラと言います。普通は複数ですよ、最初は3人でしたし……。
後の二人がいない理由は大したことではありませんけど」
安全と問いかける相手に確かにと頷き、一人の理由は下らな過ぎて口に出せず。
そこでようやく相手を上から下と見れば複数の装備が目につき、しかも扱いにくい武器まで持っているのでベテランなのかとみてしまう。
■カルム > 「今手に持っている武器……君のじゃないでしょ?装備って基本自分のスタイルに合わせるから。」
鎧とか、盾とか武器防具は基本は自分で選ぶのだから、デザインとか、装備の使い心地とか、戦闘スタイルなど、そう言ったものが出るものだ。
そう言ったものが浮き出る装備の中に、彼女の棍は、違和感が強い、何某かの理由で交換した、と考えられると、男は軽く。
その違和感をちぐはぐ、という表現にしてみたのだ。
「はは、いやいいよ、すれ違っただけの人を覚えるなんて、シーフとか、賢者とか、そっちになりそうだしさ。」
基本的に、関係の無い人物は覚えない、すれ違う人が、英雄だ、とかそういう存在なら、話は別だが。
単なる一人の冒険者、となれば、覚えてない方が普通だと思う。
謝罪するようなことじゃないでしょ、とぱたぱた手を振って見せた。
「よろしく、ティーラさん。って、最初は三人?
………あー。大したことじゃぁ、無いのかぁ……。」
彼女の様子に、察してしまった冒険者、あちゃぁ、と己の額にぺちん、と手を当てる。
拙い、とても拙い。彼女のことでは無く、他の冒険者二人、だ。
「ちゃんと報告はしておこうね。大事な事、だから。」
ギルドというのは、冒険者に依頼を斡旋する場所だ。そして、斡旋するという事は、ギルドの看板を背負う事だ。
彼女ならば、男の言いたいことは判るだろう、その報告の大切さが。
「―――?ああ、珍しい?」
普通の冒険者は、基本的には、剣を装備しがちだ。
男の武器は斧だし、モーニングスターだ、扱いにくい武器ばかりなので、彼女の視線に、はは、と軽く笑う。
「対応力を考えると、ね。」
こうなるんだ、と、モーニングスターを持ち上げる。じゃらり、と鎖で繋がれた鉄球が揺れる
■ティーラ > 「これ?一応私のだよ。借り物だけど」
扱うことは出来るから依頼先で借りた武器である昆。
それを自分のではないと見抜いて相手の洞察力には軽く驚き。
「…これでも斥候でもあるから。覚えてないのは問題になるんだよ」
基本的には単独だがパーティーを組む時には斥候を行う自分、覚えていないのは問題だと肩を落とし。
肩を落とすが気にしていないよ言う様子にありがとうと笑みを浮かべ。
「よくあることだし?大した事じゃないでしょ」
真面目な冒険者なら大体はフィールドワークに向かうもの。
街中での依頼を受けるのは慣れない新人か不真面目か、もしくは自分のようなもの好きかしかいないと。
「それはもちろん。わかってる」
仕事をしない連中に報酬を分けるのが癪という理由ではあるが。
きちんと連絡はすると頷いて。
「斧はともかく、そっちは。使う人、そうはいないし」
斧を使う冒険者は時々にいるがモーニングスターは珍しく。
扱えるのかと視線で問うように見て。
そして理由を聞くと納得し、聞こえた音には痛そうと思ってしまう。
■カルム > 「そっか。」
借り物だという言葉に、ああ、やっぱり、と男は納得する。本命の武器ではないということが判り、何となく安心した。
違ったら恥ずかしくて、絶対ダッシュで逃げていた、間違いはない。
「何と言うべきか、うん。引かれるだろうか、引かれるだろうなぁ。」
彼女は斥候だったらしい、其処迄は見抜いてなくてさて、どうやってこの場を取り繕おうか。
ふと、何かしら冗談でも、とか、思ったのだけど、それは彼女に引かれて終わりになりそうな気がしてたまらない。
ううむ、と悩む者の、彼女の可愛らしい笑顔を見て、あ、善かった、と内心胸をなでおろす小心者。
「いいや、大したこと、だよ。」
彼女の言葉に、男は、少し残念そうに首を横に振って見せる。
いいかい、と人差し指を立てて見せる。
「ギルドは、俺ら冒険者に依頼を斡旋する、その依頼は何処からくるのか?困っている人からだ。
ちゃんと真面目に依頼を熟してくれる冒険者が集まるギルドと、簡単に投げ出してしまう冒険者の多いギルド。
どっちに集まるだろうか? ・・・
大したことない理由で依頼を投げ出す冒険者が多いと言うのは、大した事になるんだよ。
下手したら、ギルドが潰れる原因にも、なりかねない。」
放置して居て、良いものではないのだ、と。
冒険者は、ギルドは、信頼関係で、成り立っているのだし。
報酬うんぬんよりも、大ごとになるのは間違いは無いが、報告するというなら、それ以上は言うまい。
「ゴーレムに、スケルトン。鎧を着こんだ盗賊……刃の通りにくい相手には、こう言うのが良いんだ。
見た目的には剣の方がカッコいいけど、ね。」
扱えるのか、という視線には、時期が来れば見せるよ、と軽く戻す。
武器を街中で振り回して誇示するような趣味は無い、というか、そんな事を此処でしたら。
彼女のお仕事が一つ増える。カルムを捕まえて詰め所に放り込むが発生する。
なので、振り回しませんよーと、アピール。
■ティーラ > 借り物とは伝えるが本命の武器を伝えたりもしない。
教えないというよりはよほど慣れが必要な武器以外は一応扱えるから得意といえる物がなかったりもする為で。
そして相手が何かを悩んでいると思えば解決をしたような様子にいいかと気にしないことにして。
「よくある事だけど?」
残念そうに首を振る相手を今更というように見て。
何度かに一度はある事なので気にはしていないと。
「それはよく判ってる。でも不真面目がいても真面目が頑張ってれば潰れはしないし。
今日は居なくなった二人も真面目な時は真面目だから……」
今日は居ないけど前は最後までいたからと考え込むようにして。
潰れはしないと思うが潰れては困る、何より最初から報告をするつもりなので大事にはならないだろうと考えていたりする。
「かっこよさよりも実用性が一番。そういう相手なら確かにいいかも」
相手の言葉に実用性と返し、その時はと答えて。
ただ慣れないと自分にぶつけそうとは言わず、振り回さない事に捕まえる仕事が増えないでよかったと安堵して。
■カルム > 彼女の武器に関しては、詮索はしない。
冒険者という物は仲間であり、ライバルでもあるのだから、彼女から言い出さない以上、それを聞くのは失礼にあたる。
ともに依頼を受けて……なら、聞くべきだけど、今ここで聞くものじゃないのだ。
男の場合は、目に見える場所にあるから、隠し立てする必要もないのだし。
「―――――」
良くあること、と再度、彼女からの言葉に、男は、言葉を止める。
日常化していると、理解した。彼女の反応から、それを是としているのも判ったから、だ。
「ティーラ、依頼を放置して居なくなるのは、不真面目ではなくて。論外なんだよ?
それを放置するのは、真面目な冒険者が頑張って、何とかなる、という物ではないんだ。
評判とは、信頼とは、簡単に崩れて、治せるものじゃ、ないんだ。」
彼女は、新人ではないと思うが―――凄く、ずれている気がする。
ちゃんと報告するなら、依頼をほっぽって、遊びに行くような冒険者は、除名、処罰が温情とも言えるレベルの処断のはず。
それとも、ギルドがそれを是としているのであれば、そのギルドに寄るのは今後止めることにしよう。
頭が痛くなってきた気がする。
「魔法使いのように、色々な魔法が無いから、このくらいは用意しておかないとさ。」
もっとすごい冒険者なら、其れ一つで何でもできるような武器とか持ってるんだろうなぁ、と、考えて。
あ、やっぱり振り回したらつかまってたんだな、とか、戦々恐々する冒険者
■ティーラ > 「どうかした?」
言葉が止まってしまった相手を見ると何か拙かったのかと。
いつもの事と言った以外心当たりが浮かばずに。
「大丈夫、それはわかってる。
ギルドに報告をしたら今日の二人はしばらくは魔獣狩りに行くことになるし。
……そうなんだ」
サボっては罰で面倒な依頼を押し付けられそれで終わり。
そういうのを何度も見ているので悪い意味でそう言う事に染まっていて自分がおかしいという事に気が付いていなく。
一度ギルドマスターと話し合ってみようと決めて。
「私は対処ができないのは引くから。失敗になっても大怪我よりはいいし?」
色々と考えている相手の言葉に感心したように言葉を零し。
そうして話しているとふと何かを思い出したような顔になり。
「ごめん、そろそろ巡回に戻る。私がちゃんとしないと」
全員サボっちゃうからと困った笑みを見せ、仕事に戻ると告げては歩き出して。
■カルム > 「ああ、と、済まないな、呼び止めてしまって。」
彼女の言葉に、男は済まんと謝罪をしておく。
確かに大ごとになる事だろうが、彼女もその一因にするところだった、と。
巡回の途中で止めて申し訳ないと、男も彼女を見送ることにする。
「それが一番だよ、冒険は命あっての物種だから。」
そう、言いながら彼女が歩き去るのを見送ってから、男もギルドへと足を運ぶ。
自分の依頼の報告と、報酬の引き換えの為にである。
そんな、珍しい遭遇をしたな、と思える一日でもあった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からカルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からティーラさんが去りました。