2020/11/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクロナさんが現れました。
クロナ > そんな日向の窓にぴたりと張り付く灰衣のチビがいた。
おおよそ感情という物の感じられない紅瞳の半眼は稚気こそ濃くとも睫毛も長く、形よく整った小鼻や、桜色の色彩も可憐な唇と相まって、美少女と呼ぶにふさわしいだけの顔立ちを作っている。
黒曜石を思わせる漆黒の長髪は癖もなく、秋風に弄ばれてさらさらと絹糸めいて流れては陽光に反射してその艶ややかさを強調する。
その側頭部から生え出で、天を衝く禍々しいまでの捻じれ角の存在は、それらの美少女パーツと組み合わさる事で人外超常の何か、といった印象を与えていたりもするのだけれど

「…………クロナもペロペロしたい♥」

ガラス窓の向こうでおちょぼ口が小声で紡ぐ独り言はそんなの。
そうしてそのちびっこは、店内のおっぱいに興味を失ったかのようについっと視線を逸らし、とことことチャンキーヒールの細足を動かして通りの向こうへ――――行くかと思いきや、からんからんとドアベルならして店内へ。
そのまま何も考えていなさそうな紅瞳でじぃぃぃぃっと、細首に蛇を絡ませたおっぱいお姉さんに接近し、座席の前まで来ても止まる事なく華奢な背筋を前傾させて身を乗り出し

「――――ぺろ……ぺろ……れる……んちゅ♥」

ちっちゃな桃舌を伸ばし、恐らくは困惑する事になるだろう彼女の頬をぺろぺろしようと試みた。

アウル・リブライアン > コーヒーを啜り、体もだいぶ温まってきた頃合だった
温くなってしまったコーヒーは残り3分の1ほど
カップを置き、読書を再開するアウル。

紐栞の場所から始まり、文字の真っ直ぐな縦列を追いかけていると、不意に首で落ち着いていたデミトリ。
首を持ち上げ、アウルの口端をペロリと舐める。
少しびっくりしてしまう位置ながら、メレンゲの欠片がついていたのだろう。
綺麗になってしまうとデミトリも細長いÝの字の舌を引っ込める。

「あ、ありがとう。でも流石に唇の傍を勝手に舐めるのは紳士ではないわ?」

ハンケチを使って、念のため唇全体を軽く押さえる。
蛇のデミトリ、それを見ながら表情は変えずとも、悪戯なキスに満足げな様子。
しかし、その黄色い縦筋の瞳が一瞬クワッと窓辺に向いているのに、アウルは気づかない。

窓に張り付く、眺めているのは小柄な少女。
デミトリはその顔に覚えがなく、間違いなく主とは初対面。
であるならば、まるでトランペットを欲しがる子供のような視線をなぜ主へ向けるのか?

出ていった様子に、コーヒーを時折口に運ぶ主は文庫本に熱心な様子。
デミトリはドアベルからあの子供が入ってきたことで、 え、マジで? というセリフがつくかもしれない。
近づいてくるのを黙って見つめるデミトリの黄色い瞳。

アウルはそんな可愛い使い魔を気にすることも無く、本に熱中しながらページをめくる。
一人用の向かい合える席がよろしくはなかった。
その幼げな子供は、椅子に座ることで背丈が丁度かみ合いやすかったこともあり、隣に立ってしまう。
アウルもデミトリも、その気配が危機感を感じるものではなかったのかもしれない。

ふと差した影に、やっと気づいたアウラが顔を上げようとすると、背もたれとテーブル端に両手を付け、頬を舐められる。
それも犬が舐めるかのように、小さな舌がアウルの頬を遠慮なく舐めあげるのだ。
アウルは唇を奪われたのならまだしも、頬を舐められたことに、現実が追い付いていなかった。

半目な眠たげな瞼は見開き、どうして頬をティスティングされているのかわからない。

「ぇ? ちょ……え?」

ここまでくると、自身の領域感覚ともいえる主の頬にマーキング同然な行為をしたデミトリが牙を剥いた。
シャアアアアッ!と口を開いて音を出し、首から威嚇し始める。
行動は明らかな嫉妬である。

クロナ > 近付くクロナに気付いてもいないのか、文庫本に視線を落とす様子が文学少女といった風情で妙にそそるおっぱいお姉さん。それに代わってじっとこちらを見つめるのは、彼女の首筋にマフラーの如く巻き付いた蒼色の蛇。そんな爬虫類にチラと向けたルビーアイが交わすのは、『君だけずるい。クロナもペロペロしたい♥』という意思表示。
敵対の意思も、嫉妬の醜感も無く、『あっ、そのケーキ美味しそう、一口分けてよ♪』といった感覚の気安さばかりが感じられる無表情。
そうして蒼蛇の警戒網を潜り抜けたちびっこの奇襲は見事成功した。

「ん、ちゅ…♥ ぁむ……ん、ちゅる♥ れる、ぅ……ぺろ、ぴちゃ…♥」

黒髪美少女からふわりと香るのは、品の良いシャンプーと仄かなミルクの匂い。瞑った双眸で睫毛の長さを一層強調しつつ、ぺろぺろぺろ♥ 先程彼女のペットと思しき蛇がしたのを再現するように、白く柔らかな頬を二度三度と舐め上げる。
更に入店直前に蒼蛇の行った、唇の至近へのペロペロも見ていたクロナは、ちゅっ♥ ちゅっ♥ と啄むような可愛らしいキスを、彼女の唇に直接重ねに行くという暴挙も差しはさむ。
仔猫に舐められているかのような感触ではあるだろうが、実際には出会ったばかりの美少女からの目的不明のアプローチ。
前傾したクロークの襟ぐりは、華奢な鎖骨と黒色のキャミソール、そしてブラもつけていないぺたんこ胸の仄かな膨らみまでもを彼女に見せる。

「………………じぃー………」

そんなちびっこのペロペロ&キスが不意に止まったかと思えば、鼻先の触れそうな至近距離のままでぱっちりと開いた紅瞳が、何かを期待してるかの如くおっぱいお姉さんの双眸を見つめる。
このチビがこの後に求めているのは、これまた先程の蛇が与えられたのと同じ物。優しい手つきで頭部を撫でて、舐めるのをやめたクロナに向かって「いい子ね♥」なんて言ってくれる流れ。普通に考えてあり得ない。だが、そうした常識に囚われぬ独自の世界観を持って生まれたのがこのチビであった。
蒼蛇からの妬心たっぷりな威嚇は、ぴっと揃えた五指を立ててシャットダウン。『今いいとこ。黙ってて』なんて意思を感じさせるジェスチャーは、種の異なる蛇から見たとて何を考えているのか分からないはず。実際何も考えてないし。

アウル・リブライアン > フード付きローブとゆったりとしたケープドレスに身を包んでいるアウル。
胸元の少し目を惹くサイズは俗に表現されるカーテンと呼ばれる状態。
腰をベルトや帯がなく、凹凸を強調する要素がないことで起こる現象。

マダムならばともかくマスターならば今ごろ目を細めて笑みを浮かべていたかもしれない。
さて、デミトリの警戒をかいくぐり、頬のティスティングを続ける身元不明の少女。
アウルは困惑しながらも、相手は子供。
天然なキス魔……いや、ぺろぺろ魔?と思いながらも、洗髪剤とミルクのような甘い匂い。

それはアウルのインクと紙の匂いを覆う、ビターなコーヒーの香りと不思議と相舞った。
幼い子の鎖骨や難のふくらみもない凹凸の無さはアウルからすれば、なんらピクリとこないものの
とりあえずやめさせようと義手の赤い右手と、生気のある白い指先が少女を抑える。

首を向け、状況を問いただそうとするものの―――

「ちょ、ちょっと一体なわっぷ……っ。」

今度は唇にぺろぺろぺろ
アイスクリームをつけた主が犬に舐められるがごとく。
相手が異性でもなければまだ幼い
これが妙齢や同身長くらいならば、いきなりの行為にデミトリに噛ませるくらいはしたかもしれない。

しかし、子供ということもあり、自制の利かない淫魔か何かに中てられた者
そう検討をつけるのはその見た目からだった。
デミトリが てんめぇぇ と言いたげな威嚇を続けているものの、舐める以上のことをしていないせいで噛みつけないらしい。
わざわざ掌でその威嚇を含み止めることまでする少女が止まったのなら、アウル、硬直がわずかに解ける。

両の手を抑えるために出したまま頬も唇もべっとべとだった。
ゆっくり、懐からハンケチを取りだし、頬や唇を拭う。
デミトリが頬や唇の匂いを舌で嗅いで調べているのは、媚薬云々、痺れ云々がないかの確認だろう。

目を開けると、まだ至近距離にいたことに、力なき瞼はカッと一瞬見開くも
その様子に凝視して見つめ返す。
見つめ合う二人にデミトリ、匂いチェックが終わり、頬をペロリと舐めた。

不意にそちらに意識が向くアウル。
義手の赤い木製な指先とは違う、生気のある左指が顎先を撫でる。

「大丈夫よ、デミトリ。」

よしよしとしてあげると、未だ鼻先にいる子供に眉を流石に顰める。
しかし、その目線が指先に移っているのに、流石に察したアウラ。

まさか、そういうことなのかと相手の思考回路に疑問を持つ
ゆっくりと、右手の赤い義手が上に持ちあがる。
手を半分開こうとしているかのように削り出しにされた掌。
滑らかなそれで、頭に手を乗せるとそのまま後ろまで滑るように、3度。

「い……いいこ、いいこ?」

獣人、なのだろうか?
懐かれた理由は不明なものの、正解を導きだしたアウル。
何とも奇妙な出逢い 出逢いは小説よりも奇なりと言える。

クロナ > 普通であれば悲鳴の一つも上げてみたり、狼狽して椅子ごと後ろにひっくり返ったり、思わずちびっこを付き飛ばしたり、そんな大きなリアクションが返ってくるだろう状況。
しかし、ちびっこのペロペロ&キスに晒されて、白皙の美貌を唾液の航跡で濡らした彼女はしとやかな所作で取り出したハンカチでそれらを拭うだけ。
その様子をじぃぃいっと伺う紅瞳が映し出したのは、改めてこちらに気付いたかのような薄紫の瞠目。ぱち、ぱち、と数度の瞬きが感情の薄いちびっこが人形ではない事を示す。
そのままもうひと時の見つめ合いが続いたならば『………ぽ』とかいいつつ頬に手を当て、照れた仕草で視線を逸らすなんて小芝居を挟んだだろうが、不意に横向く彼女の頭部につられてルビーアイも蛇を見る。

「うん、大丈夫、でみとり。クロナは敵じゃない。ペロペロ仲間」

物怖じしないちびっこは、愛蛇を撫で擽るおっぱいお姉さんの指先を真似る様にちっちゃな手を伸ばし、なでなでと小さな頭部を撫でようとする。もしかしたら噛み付かれるかもなんて危機意識を持ち合わせるなら、そもそも先程の威嚇にもう少しマシな反応を示していただろう。
ふと気付けば、薄紫の双玉がこちらを観察していた。
クロナも改めて彼女に紅瞳を戻し、おずおずと遠慮がちに持ち上げられた義手に不思議そうな気配を宿す無表情を向けて

「~~~~~~~♥♥」

日向の猫めいて双眸を細めれば、頭撫でを心地よさげに受け入れた。
おちょぼ口はぴっと引き結ばれたまま、細い眉毛も横一直線のままなれど、閉ざされた双眸は仄かに嬉しそうな曲線を描いている。

「んふぅ~♥ お姉さんは気が利く。そんなお姉さんにはご褒美をあげなくちゃダメ。しんしょーひつばつは、ひっぷのゆー……? 違う。 とにかくクロナはしもべを大切にする君主。部下のちゅうせいはいつもまっくす」

台詞の途中で小首を傾げたりもしながら、よくわからないセリフを口走ったチビっこは、テーブルに細腕をついて支えていた小躯を元の棒立ちに戻し―――たかと思えば、今度はしゃがみ込んでもそもそっとテーブルの下に潜り込む。
そしてまたしても敵意も悪意も全く感じられない無造作な所作がぺろんと彼女のスカートを捲り上げ、捻じれ角の先端でそれを突き上げながら、きっとお上品にぴったりと閉じ合わされているだろう下肢を左右に広げ、その合間に細身を滑り込ませる。
そのスムーズ極まりない動きは、彼女が即座に止めぬのならば、恥部を覆う下着をしゅるんっと奪う。そう、しゅるんっと。
椅子からお尻を浮かすでもなく、下着の穴から足を引き抜くでもなく、魔法の様に―――というか実際魔法を使ってしゅるんっと体温も残り香も残したショーツを奪い取り、そのまま当たり前のような顔して己のポケットにしまい込む。………その途上でハッと何かに気付いた様に動きを止めて、一度はぽっけにしまった下着を取り出して、己の鼻先に密着させて

「くんくんすんすんくんかくんかくんか♥」

滅茶苦茶匂いを嗅いでから改めてしまおうとする。

アウル・リブライアン > 愛蛇のデミトリは主に撫でられ、やっと機嫌が良くなっている。
目の前には性質が悪いともいえる無垢を秘めた少女が未だいる
おまけに頭を撫でようし、同志宣言をするのならば即座に首を引いて撫でるのを阻止するだろう。
主の長い後ろ髪まで首は戻りながら、チロチロと舌を伸ばす。

主が撫でた際には、一瞬だけショックだったものの、デミトリは主が義手で撫でているのに気が付いた。
普段の温かい左手ではなく、赤い木を削り出しにした義手の手のひら。
それで撫でる様子は警戒を含んでおり、それならばデミトリは嫉妬する必要もない。

満足気な様子の少女に、アウルも、デミトリも怪訝なままだったものの、やがて義手を引っ込めるだろうアウル。
褒められているような、扱いを下にされているような不思議な空気ながら、そろそろ満足したのならもういいだろう。
その容姿は子供ながらに美しいものの、いい加減淫魔風味な相手に魔女が翻弄されるというのもいただけない。

温くなったコーヒーを一口すすりながら、文庫本をとり、ページを開く。

「無かったことにしてあげるから離れなさい。
 というよりも、私の読書の邪魔をしないで。」

そう言って、相手に無視を決め込んだ。
今度舐めるのならば流石に声を荒げただろう。
マダムも戻ってきており、いつのまにか子供はいない。
コーヒーのおかわりを勧められるアウルとにこやかなマダム。

流石に3度目は悪い気もする。
しかしそこはカフェ。 身を落ち着ける場所なのだからと、本を置いてから注がれた。
なら、とアウルはマダムお勧めという柑橘をのせたしっとりケーキを注文する。
コーヒータイムに感謝し、売り上げに貢献する。

カフェの主と客の良質な関係と言えた。
メレンゲで味の質はわかっており、熱いコーヒーは目の前に、
まずは一口。 うん、苦くもビターな香りと味。
酸味は抑えめなところがアウルは気に入っている。

しかし、カップを置いた瞬間を狙ったように、両足がガバッと開かれた感触。
そして風でも吹いたかのように、自身の下半身がスースーと風通しの良い感覚。

「……ديميتري، عضني!」

呟いたのは呪術
デミトリに呪い毒の使用を命じ、見えぬ相手に噛みつけ!と小声で命じた。
胸元から谷間の間を通り、スカートの中からシャアアア!と相手に噛みつこうとしたデミトリ。

その姿が先ほどの子供であり、主のショーツを一生懸命確認していた。
へ、変態だあああああ!?と主に先の子供と知らせた。
流石に形容できず、ガタンッと立ち上がる。

思わず両手で臀部を撫でると本当にショーツがない。
服の中から首へ顔度だし、巻き付きなおした蛇。
流石に取り返すこともできずに再度呟くアウルの言葉。

「عُدّ!」

右手の義手を向けると、パシッと強く引き戻され戻ってきたショーツ。
素早く左手が懐に隠すと、マダムがやってきては子供が入り込んでいた様子を見る。
悪戯してはいけませんっと富裕地区らしく穏便にぺっと外へ出すまではスムーズなものだったろうか。

お気に入りと化した店内で暴れることもできず、デミトリの攻撃も不発した今
マダムへの信頼はとてもいいものとなった。
後ではトイレを借り、ショーツを履きなおすも、どこか湿ったような気がしており微妙な顔だったとか。

結局はコーヒーとしっとりとした柑橘ケーキで気分を取りもどし、住まいへと戻るだろう。
しかしこの奇妙な出会いが後々、まさかあんなことになるとは、アウル自身も思ってはいなかった。

クロナ > 「むぅぅ……照れなくてもいいのに……」

クロナの手指が触れる直前にさっと距離を取ってしまった蒼蛇に、おちょぼ口が心持ち唇を尖らせた。
しかしそれも、義手による頭撫でが与えられれば途端にふにゃりと緩んで消える。

そんなやり取りの後、改めて書物を開いた彼女からの常識的だが冷淡でもある態度には心が痛む――――なんて事もなかったらしい。立ち去るかに見せかけて、その実テーブル下に潜り込んでいたちびっこは、店主と彼女のやり取りがひと段落するのを待って"ご褒美"の魔手を彼女に向けたのだ。
態よく彼女の下着を奪い、実の所はかなり危機的状況であった蒼蛇の鋭牙の一撃も天然の変態行為のインパクトの強さで退けて、しっかりがっつり仄かな体温を伴うおっぱいお姉さんの恥臭をペタ胸いっぱいに吸い込み堪能した。

「――――……あっ。……………おぅ?」

しかしちびっこ淫魔の快進撃もそこまで。
本職のスマートな術式によって戦利品は奪い返され、店主に仔猫めいて首根っこを摘ままれて店の外に連れ出される。

「むぅぅぅぅ……クロナのご褒美、とっても気持ちいいってひょーばんなのに……」

無表情のままぷくーっと頬を膨らませるも、やっきになって店内に再侵入を果たし、今度こそ目的を果たすなんて熱血を持ち合わせてはいないちびっこは

「………でも、いい匂いだった♥ んふーっ♥」

改めて表情を緩め、今日の所はそれを戦利品として帰路につくことにしたのだった。そうしてその日の夕食時、母親からの「今日は何をして遊んで来たの?」なんて他愛のない質問に此度の出来事をそれはもうディテールも詳細に語って聞かせたりするのだけれど、流石にそんな未来までは魔女の目も見通す事は出来なかったのだと思う。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアウル・リブライアンさんが去りました。