2020/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアウル・リブライアンさんが現れました。
アウル・リブライアン > 平日の昼間 富裕地区の一つの平凡なカフェ
軽食よりも茶の時間を提供することを売りにしている店舗

アウルは読書を楽しむために今は一人来店しており、熱いコーヒーが入れられたカップを時折口に運ぶ。
手には街中で購入したばかりの新作の文庫本があり、時折捲る音だけがする。
しかし首に巻き付いていた青鱗の愛蛇は、主の温もりを味わいながらも、時折暇そうに音を出す

主の頬に首を伸ばし、文庫本をチラリと見た後で頬を舐めるなど、悪戯をした。
くすぐったそうにしながらも、左手の指先が頭を撫でてあげるのならば、気が済んだように首元へ戻るだろうか。

「いい子ね。」

クスリと愛蛇に笑みをこぼし、時折左手が伸ばした頭部と戯れるなどしながらも、読書を続ける。
カップの中身に一つ、砂糖粒を追加して混ぜながらも、静かな店内は炒った豆の香で満ちており、アウルの気分を良くさせた。

アウル・リブライアン > 本来なら野外でもよかったものの、店内の温かい室温や愛蛇のデミトリは犬猫に比べ、首で巻き付いて大人しい
生物同伴がOKというよりもグレーゾーンといったところだろうか。
カップのコーヒーがきれると、恰幅のいいマダムがポットを片手に訪れる

粗相のないようにだろうか、やや離れた前方からの誘いに力なくやや垂れる瞼
半目気味なそれでも笑みをこぼし、注がれる焙煎黒色。
熱い湯気と共に、小さく傍には焼いたメレンゲが添えられた。

メレンゲの白色なホイップ形状に、卵色と思った愛蛇が首から腕へとその丈を伸ばす。
クルリと右腕に巻き付きながら移動していき、メレンゲを舌が匂いを嗅ぎながらも、卵ではない。
しかし卵の中身ではあることはわかったように、パクリと銜えてしまうのなら

「ぁ こら、デミトリ。」

まさか食べてしまうとは思わなかったアウル。
直ぐに呼び寄せ、焼き菓子故に砕けない愛蛇はポトリと差し出した左手に落とす。
左手がカシュッと一部砕いたそれを、軽く二度ペロリペロリと舐めさせれば、満足した様子。
残りをサクサクと嚙み砕きながら、コーヒーカップをつまむとふぅ、ふぅ、と冷ます。

甘さとメレンゲのシンプルな味と、コーヒーのほろ苦さは丁度よかった。
デミトリは腕でリングを作る前に、首へと戻るようにさせるのなら、また首と余った胴体を、身体の中で巻きつけるだろうか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にソラムさんが現れました。
アウル・リブライアン > コーヒーに砂糖粒を二つ。
水面傍で落とし、沈むそれをスプーンで混ぜながらも書物からは目を離さない。
先ほど、来店を知らせるドアベルが鳴ったように思った者の、人の気は相変わらずマダム一人。

「デミトリ?」

首に巻き付き、居座る愛蛇に問いかけてみる。
デミトリは頭部を持ち上げると、頬の傍に来ては頬に擦り付けるよう。
舌がシュゥシュルシュルと音を立てる。

ピット器官による熱源反応 舌による嗅覚調査
二つとも引っかかることはなく、デミトリは何もないことを告げる。

「……そう。」

読書に夢中になっていたとはいえ、流石に聞き間違いとは思えないものの
コーヒーを右手が持ち上げ、ススッと音もたてずに啜った。
愛蛇にお礼を述べながら、また首元で巻き付きなおし温まるだろう。

新作の刷られたばかりのインクの香を嗅ぐように開いたページで鼻を覆う。
座っている背もたれに身を寄りかからせるのなら、カフェの外は日向であれど、窓辺に冷たい空気を纏っていた。
それから視線を外すと文庫本に備わる紐栞で途中のページに目印を。

文庫本をテーブルの端に置きながらメレンゲをもう一つサクリと砕き、コーヒーを啜る。
少しの間だけ、純粋にお茶と向き合うことにしたらしい。