2020/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリンさんが現れました。
リン > 自分の背丈ぐらいはある提琴のケースを背負って、小さな少年が通りを歩く。
富裕地区にお住まいのさる婦人とのデートの帰り道だった。
もともとは18歳の背丈だが、背負う呪いの楽器によって小さくなっているのだ。
体格が縮んでも、なぜか楽器は小さくならなかったので
背負って歩くのも一苦労だ……。

「うう。今日も一杯嫌な思いをした。
 口直しがしたい……」

うつむきながら歩いていると、向こうから駆けてくる10歳ぐらいの裕福な身なりの子供にぶつかって、尻もちをつきそうになる。
非力。

リン > 小さな子供をも見上げなければいけない身体というのはなかなかつらい。
だいじょうぶ? なんて差し伸べられる手から逃げるように通りの反対側へと向かう。

「ああいやだいやだ、ここにいる連中全員おかしくしてやりたい」

背負っている呪いの提琴なら、その程度のことは可能だった。
しかし貧民地区ならともかく、短気を起こして富裕地区でそんなことをすれば
どうなるかわかったものではない。
いかにこの国といえど、治安機能がないわけではないのだ……
嘆息して路地の壁によりかかる。