2020/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にエゼルさんが現れました。
エゼル > そこは、一言で言えばクラブ──だが、酒を楽しむ為の場所とは雰囲気が大きく違っていた。
上品な言い方をすれば愛を交歓するための場、と言ったところだろうか。
様々な施設があるようだが、そのどれもが、こちらから見ればいかがわしい目的に使われている模様……
訪れた目的は配達だ。仕事は終わっており、退店しても全く問題なかったのだが、
気のいい店の者に「外も暑いでしょう、一杯やっていって下さい」とにこやかに持ち掛けられ……
こうして、バーのカウンターの隅で、肩をすぼめるようにしてちびちびと果実酒で唇を湿らせている。
善意で言われては断るのも気が引けたが、どうにも落ち着かない……

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からエゼルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にイズミさんが現れました。
イズミ > 王都のA地区。所謂富裕層、つまりは貴族とかそーゆーアレの居住区。
個人的には、貧困地区よりも「気味が悪い」と感じてしまうのは、質素な隠れ里出身だからか。
見栄とかメンツとかプライドとか、不要なものとは言わないけれど、中身に伴っていないソレを守るためにどんな事も厭わない。そんな人種の伏魔殿のもつイヤーな空気を肌で感じるのです。

僻み、とも言う。

こんな胸糞の悪い所にわざわざ足を運んだ理由は、自由人として、お高く止まっていらっしゃるおバカさん達をコケにする。その一言に尽きる。

つまりは──「夜盗術(平たく言えばお家に盗みに入る)」のための下見を行っていたのです。

「弱いもの虐めて私腹を肥やしてる人たちなんから、私が何を盗っても文句ないでしょ」

と、説明的なセリフを口にしつつ、スタスタと通りを行く。

イズミ > 通行人の全員が全員それなりの身なりをしている。
それでも、身なりに無頓着な金持ちもいる。

そんな状況なので、一応一目で不審者認定されて、衛兵っぽいのから職質を受けたりすることは無いだろう(?)。
変にコソコソするよりは、堂々としていたほうが言いに違いない。
─と考えての大胆作戦。
仮に何か言われても、仕事で呼ばれたとかなんとか言えば言えばいい。

さて、どこの家もお金持ちには違いないので、この区画を頭に入れて逃走経路を3つ4つ考えておけば、あとはその時その時のタイミングで入りやすそうな家に忍び込めばいい。

「もしくは、気に入らない奴のお家に遊びに行ってあげるか」

我ながら完璧な作戦かつ周到な準備だと深く頷く。

イズミ > その時、ふと目に止まったのは、『強そうな男たち』を従えて大名よろしく行列で通を歩いていく人物。
本人はこれ脂肪の塊、といった感じで、それがお供達の力を背景にちょー偉そうにふんぞり返っているのを見た。

その瞬間に決めた。
よし、あのおデブちゃんのお家に入ってやろう、と。

これだけ護衛を引き連れて練り歩けば、後ろを尾行する必要もなく、ちょっと遠目からも彼らの住居が丸わかり。

「せっかくだから、お家が傾くくらいに、高いものをめいっぱい盗んでやりましょうかね」

言って笑顔を作ると、では深夜にでもまた会いましょう、と獲物に目を細め、どうせなら予告状みたいなのを突きつけて派手にやりたくなるのをぐっと我慢して、仕事の準備のために塒である貧民地区に向かったのでした……。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイズミさんが去りました。