2020/05/27 のログ
■竜胆 > 本を閉じる、そして、珈琲をもう一口、落ち着いた雰囲気のまま少女はふぅ、と吐息を吐き出す。
さて、どうしたものかしらね、と、特にやることも思いつかないし、誰も居ないのであれば―――退屈を紛らわすこともできぬ。
もう一度周囲を見回して、面白くないわね、と呟いて見せて、立ち上がる。
代金をテーブルの上に置いて、カフェテラスから出ようか。
「――――本当に、面白くないわ。」
外では、何か騒ぎが起きているようだけれど、戦、だのなんだのにかかわるのも面倒くさいことこの上ない。
そもそもが、人同士の小競り合いにしか過ぎないことに、竜が関わることもあるまい、襲ってくるなら身の程を弁えさせる程度で良い。
ここに誰もいないのは、竜がいるからか。
もしくは、戦で人が出払っているのか―?
それは無いだろうと思う、そもそも、裕福な土地にいる人間は、基本的に自分以外を兵士として蹴り飛ばし、自分は安全な場所でごろごろするものだ。
自分と同じように、それが許されるだけの資産があるから、富裕層なのだ、と。
ああ、面白くないわね、と呟きながら、石畳を踏みしめ、少女は歩いて進む、何処か移動すれば、何か面白いものでも見つかるかしら、と。
■竜胆 > 特に、之と言って思い浮かぶこともなく、本を読んでいたがそれも読み終えてしまった。
静かだという事は―――わくわくすることもないという事なので、面白みがないと言えるから、今度はもっと人のいるところに出かけてみよう。
少女は軽く肩をすくめて本を放り投げる、それは魔法により虚空へと消えていく。
「ふん、まったくもって、度し難いわね。」
はぁ、とため息を大きく吐き出したのちに、少女はそのまま石畳を踏みしめて歩き去っていく。
もともと静かであったカフェテラスは、完全な静寂の中に、融けて消えていくのだった―――。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 カフェテラス」から竜胆さんが去りました。